2026年08月21日

日本経済新聞社 米州総局(編)(2026.3.11)『あなたの知らないアメリカ』日本経済新聞出版

 オーツが読んだ本です。表紙(およびそれと同じデザインの扉)には「Discover the true nature of the mysterious land.」という英語の表題がついています。他の箇所には英語の表題がついていません。
 日本経済新聞の電子版の連載をまとめて本にしたものです。36本の記事が上がっており、それぞれは単独で読めるようになっており、相互の脈略はありません。
 いわば、36人の記者の目でアメリカの一部を見たということです。1人の記者が複数の記事を書いているようなので、36人の記者というのは比喩的な意味ですが、巻末に18人の取材班の名前が掲げられているので、当たらずといえども遠からずでしょう。
 一本の記事は数ページ程度です。一つの事象、1人の取材対象者から得た情報をまとめて書くにはちょうどよい分量です。多からず、少なからずの知識が得られます。
 とはいえ、バラバラの記事の寄せ集めですから、全体を貫く一貫性・視点のようなものは見られず、それぞれの記者が個別にアメリカの一側面を取材して記述しているように読めます。
 本文中には取材相手の名前などが明記されているので、実際に取材したのだろうし、相手がそう語ったということは事実なのだろうと思います。しかし、そういうことがアメリカのごく一部で見られるのか、それともアメリカの大部分でそうなっているのかはまったくわかりません。アメリカを見ているのはあくまで(記者の)「個人の目」であり、それを超えるものではありません。
 というわけで、オーツは、本書を読んでいくうちに、この記述をどこまで一般化できる(アメリカ全体に当てはめて考えられる)のか、大いに疑問を感じました。
 具体的にどんな記述があるのか、1例を示しましょう。最初の話は「保育料は月30万円 子育て高額で「隠れ少子化」」というものです。保育料が30万円というのは、アメリカではそんなものでしょう。日本は、市町村や国が補助金という形でかなりの支出をしているので、個人が払う保育料がかなり安く抑えられていますが、それをしなければ、日本だって同様の金額になるものと思われます。学校が1日休校になると、一人あたり 2.7 円の出費になると聞くと、これも大変だという感じがします。こうして出生率が下がってしまいます。アメリカは、移民がいるので、人口増が続きますが、内部を見ると、全然別の面が見えてくるというわけです。
 こんな感じで、全体が全7章に区分され、それぞれ別の話題が扱われます。
第1章 何かおかしいアメリカ
第2章 吸い寄せられるマネー 潜入ウォール街
第3章 トランプ氏再び 緊迫する首都ワシントン
第4章 アメリカンスポーツは限界を超えて
第5章 強さの源泉 変身するシリコンバレー
第6章 しなやかな巨大都市 ニューヨーク陰鬱
第7章 エンタメが映すアメリカの夢
 スキマ時間に読むのに適した本だと思います。

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posted by オーツ at 04:24| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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