図は、最終盤です。下手が▲5四馬と引いて、いよいよ上手玉を詰ましに来た局面です。
オーツは上手玉の詰め方(オーツから見れば詰まされ方)がわかりませんでした。▲7二金だと詰まないような気がしました。▲7三金だと、上手の回りに受け駒が何もいなくなるので、詰ませやすそうですが、具体的な手順まで読み切れませんでした。
そこで、エイヤッとばかりに▽6九龍と指しました。この手は▽7八金からの簡単な詰めろですが、ここが問題です。上手玉が詰むかもしれないのです。
下手がどう指すのか、オーツが注目していると、何とここで下手は投了しました。意外な展開でした。
ここは、もしも詰みまで読めなかったとしても、詰みそうな手順で上手玉を追い詰めていくと、途中で詰みを発見することがあるかもしれません。だから、ある程度まで指して、そこでどうしても詰まないとわかった時点で投了するというのが当然です。
後日、水匠5で解析してみると、ここで上手玉に詰みがありました。▲7三金と寄る手で上手玉は詰んでいます。
もしも▽9二玉と逃げれば、▲8一馬があります。上手が馬を取れば▲7二銀からの詰みです。
もしも▽9三玉と逃げれば、▲8二銀、▽8四玉、▲7五銀、▽同金、▲同角、▽8五玉、▲8四金までの詰みです。
▲7三金に対して、▽同金が最強の受けですが、以下、▲同銀成、▽同玉、▲7二金、▽8三玉、▲8四歩、▽7四玉、▲6三銀、▽8五玉、▲7七桂、▽8四玉、▲7五角、▽8三玉、▲6五馬までの即詰みとなります。
15手詰めですので、▲7三金と寄る時点で詰みを読み切るのは少しむずかしいかもしれません。しかし、▲7三金から上手玉を追いかけると、詰みが発見できたかもしれません。追いかけることもせず投了というのはIさんらしいといえばそうなのかもしれませんが、もったいないことをしました。
オーツはIさんから聞いた将棋の格言が忘れられません。「投了は最大の悪手である。」
2024.7.19 https://o-tsu.seesaa.net/article/504050727.html
今回の対局では、まさにこれがピッタリ当てはまる将棋になってしまいました。

