K君は、ところどころで長考をはさみながら、一貫して優勢を保っていました。
図は、上手のオーツが129手目に▽6七成桂と寄ったところです。この手では、▽4三金打と受ける方がよかったようです。この局面では、上手の攻めが非常に遅く、下手の攻撃がすぐそばまで迫っているので、ここは上手として攻めよりも受けの手を指すべきでした。▽6七成桂は攻めの手ですが、それではまずいのです。結果的に、ちょっと上手が手を抜いた感じになったかもしれません。
以下、▲4二と、▽同金、▲同馬、▽2二玉、▲3二金、▽1二玉、▲1三歩、▽同玉、▲1四香、▽同金、▲2四金、▽1二玉、▲1四飛までで上手玉は詰んでしまいました。
この詰み手順は13手詰みです。この手順を▲4二とを指す局面で読み切っていれば大したものですが、K君の棋力ではさすがにそれは無理です。だから、指し手に迷いつつも連続で王手をかけていって、途中(▲1三歩を打つところ)で詰みを見つけたようでした。
とはいえ、▲1三歩などという手は、ちょっと見つけにくい手で、そういう手を自力で指して即詰みで勝利を収めたというのは立派です。
全部で142手にもおよぶ、かなり長い対局になりましたが、下手が途中で崩れることなく、一貫して優勢を保っていたこともすばらしいことでした。大駒落ちの将棋では、下手が途中で間違えて(大きなミスをして)、上手が逆転すると、後は一気に持って行かれて勝敗が付いてしまうというパターンが多いものです。しかし、今回はそういう大きなミスがありませんでした。K君は確実に将棋の力が付いてきているということでしょう。
オーツがK君と6枚落ちを何局か指して、オーツの側がコンスタントに負けるようであれば、6枚落ちを卒業して4枚落ちにしたいところですが、そうなるまでにはまだしばらく時間がかかりそうに思います。
オーツとしては、負けてもうれしい将棋でした。

