2017年07月20日

綱紀・こうき・つなのり

 オーツがふと気が付いたことがあります。
 日本の速記を始めた人は田鎖綱紀
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E9%8E%96%E7%B6%B1%E7%B4%80
という人です。「たくさり こうき」と読みます。
 加賀藩の藩主を勤めた前田綱紀という人もいます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%8D%E7%94%B0%E7%B6%B1%E7%B4%80
こちらは「まえだ つなのり」です。
 両者が同じ漢字であることは、まったく意識していませんでした。あるときふと気が付いたわけです。
 同じ漢字の人名であっても、「つなのり」と読むのと「こうき」と読むのでは、ずいぶん語感が違います。「つなのり」のほうが、いかにも武士らしい感じがします。徳川家には「徳川綱紀」などという人もいます。これも「つなのり」と読むのでしょう、たぶん。
 「こうき」と読むと「綱紀粛正:こうきしゅくせい」という熟語がぴんときてしまい、そのイメージが強すぎて、「こうき」だけではイメージがわきません。
 ともあれ、同じ漢字の人名であっても、読み方が違えば、まったく別名に思えるというわけでした。

 ちなみに、「綱紀」を「つなのり」と読む例を検索エンジンで調べると、前田綱紀、南摩綱紀、朽木綱紀、十倉綱紀、源綱紀 など 1,910 件が見つかります。
 何といっても、前田家のお殿様だから、ウェブでは「前田綱紀」がたくさんヒットします。
 一方、「綱紀」を「こうき」と読む例は、田鎖綱紀、橋本綱紀、安江綱紀 など 7,100 件です。「綱紀粛正」が影響していることは明らかで、人名としてどれだけ多いかは疑問です。
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2017年06月04日

鏡文字を読むときの難しさ

 オーツは、あるところで鏡文字(左右が逆転した文字)を読むことになりました。
 実は、ガラス窓に大きな字で掲示が貼ってあり、都合で、それを内側から読むことになったのでした。
 鏡文字くらいはさほど問題なく読めると思っていたのですが、2個のひらがながけっこうむずかしく思えました。読めた後で正解がわかりましたが、「と」と「さ」でした。「と」と「さ」が左右反転すると「う」と「ち」に見えてしまうのです。もちろん、左右逆転させて読まなければならないことは頭でわかっているのですが、そのままで読める文字というのはそのままですっと頭の中に入ってきます。どうしても「う」と「ち」に見えてしまうのです。それ以外の文字は、左右逆転させて読むことにあまり違和感はなく、頭の中で変換しながら読めました。
 昔の人は、鏡文字まで考慮して名前をつけたようで、たとえば「吉永小百合」などは、裏から読んでも同じように見えるように命名したということです。芸名は、ちょっと特殊かもしれませんが、オーツはひらがなでも鏡文字が読みにくい場合があるということにようやく気がつきました。
タグ:鏡文字
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2017年03月18日

竹馬の友

 オーツの孫の一人は4歳にしてひらがなが全部読めます。
2017.2.1 http://o-tsu.seesaa.net/article/446529960.html
 先日、オーツの自宅にやってきた孫は、積み木を見て、全部のひらがなを読みたいと言い出しました。
 どうせ全部できるのは前回の経験でわかっていますので、ついでに、そのひらがな1文字を使った単語も紹介することにしました。
 「き」のときは「きりん」とかです。実は、このひらがな付きの積み木の裏側にはそういう単語一つがひらがなで書いてあるとともに、その絵(「きりん」の絵とか)が書いてあるのです。
 そんなことで何枚か積み木を見せて、単語を添えていたら、孫が自分からそういう単語を言うようになりました。「ね」を見ると「ねずみ」とか言うわけです。
 こんなことで、文字の学習から言語(単語)の学習に進化したわけです。
 で、いろいろやっていくうちに「ち」になりました。オーツは、「ちず」とか「ちくわ」とかが出てくるものと考えていました。すると、孫は「ちくばのとも」と言いました。オーツは驚きました。4歳の子どもの口からそんな単語(厳密に言うと、単語というよりは句とか連語というべきでしょうが)が飛び出すとは思っていなかったので、「えっ、そんなことを知っているの?」と聞くと、知っているというのです。
 オーツは、驚いてしまって、もう少し追求するのをうっかりしてしまいました。「ちくばのともってなあに?」と聞くべきだったのです。国語辞典風の説明はできないにしても、「竹馬の友」らしき意味が習得できているのかどうかがわかったはずです。ここを確認しないと、意味まで(ほぼ)正しく理解できているのか、それとも、単なる聞きかじりで、どこかで耳にした語形をオウム返しに口にしただけで、意味はわかっていないのか、区別が付きません。
 何はともあれ、幼児の理解語であるはずもない言い方が4歳の孫の口から飛び出したことは新鮮な驚きでした。こんな言い方は、絵本や漫画で出てくるはずもないでしょうねえ。どう見ても大人の語彙に属すると思います。一体どこで覚えたのでしょうか。
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2017年02月01日

幼児にとって「り」の発音はむずかしい

 オーツの孫の一人は3歳です。まもなく4歳になります。
 先日、オーツの自宅に来て、ひらがなが書いてある積み木セットで遊んでいました。どうも、積み木に書いてあるひらがなが読めるようなので、本人に聞いてみました。オーツが積み木を1個ずつ示して何と読むのかたずねていったわけです。迷うことなく、全部のひらがなが読めました。
 なるほど、3歳で全部のひらがなが読めるようになっているのですね。現代ではそんなものなのでしょう。
 そのとき、オーツが気になったのは「り」の発音でした。本人は明らかに「り」と言っているのですが、オーツの耳には「ぎ」のような発音に聞こえます。日本語のラ行音は弾き音で、習得がむずかしいとされますが、なかでも [i] の母音が続く「り」は、狭母音であり、狭い隙間で舌を弾く必要があります。一番習得がむずかしい音なのかもしれません。
 大人の場合でも、日本語の「り」にはさまざまな音が聞かれます。オーツの知り合いの一人は側面弾き音で発音する人もいます。舌先を上の歯茎に付けたまま、舌の側面を下げて呼気を舌の左右から口外に出すようにして発音するのです。
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2017年01月28日

出生前診断

 何気なくテレビで放送大学を見ていたら、不妊治療などの講義をしていました。その中で、何回か繰り返されたのが、出生前診断でした。講師の人は「しゅっしょうぜんしんだん」と発音していました。いや、「しゅっせいぜんしんだん」だったかもしれません。テレビ放送のことばは、あっという間に消えてしまいますので、あとから記憶をたどろうにも、はっきりしたことはわかりません。「出生」については、「しゅっせい」と「しゅっしょう」の両方の読み方がありますので、オーツも気にしていませんでした。オーツが気になったのは「前」です。オーツは「まえ」だとばかり思っていました。「しゅっしょうまえしんだん」あるいは「しゅっせいまえしんだん」ということです。
 「ぜん」という読み方が普通にされていたので、驚いたわけです。
 さっそくネットで調べると、wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%87%BA%E7%94%9F%E5%89%8D%E8%A8%BA%E6%96%AD
では、「(しゅっせいぜんしんだん、しゅっしょうまえしんだん)」ということで両方の読みを掲載しています。
 weblio では
http://www.weblio.jp/content/%E5%87%BA%E7%94%9F%E5%89%8D%E8%A8%BA%E6%96%AD
大辞林を引用して、「しゅっしょうぜんしんだん」としています。新語時事用語辞典でも同じです。妊娠・子育て用語辞典でも同じです。
 Yahoo! 知恵袋では、ドンピシャの記事があり、
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1347938473
「ぜん」のほうが正しく、「まえ」も使われることがあるという話です。
http://hiramatu-hifuka.com/onyakblog/?p=2816
というブログ記事も参考になります。「ぜん」のほうが正しいようですが「まえ」もかなり使われているとのことです。
 ネットを検索した結果では、現状では二つの読み方があり、どちらかというと「ぜん」のほうが正しそうだということでした。
 オーツは、「まえ」としか読んでこなかったので、別の読み方があることに気づいて驚いたわけです。
 自分なりに固定した読み方をしていると、新聞記事などを読んでもその読み方で読んでしまうので、「ゆれ」があることに気が付かないものです。まさか「ぜん」と「まえ」のゆれがあるとは、思ってもみませんでした。
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2016年12月27日

転売ヤー

 コンサートなどのチケットが高額で転売されている話が問題になっています。
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO10996120S6A221C1X11000/
(2016/12/26 6:30)
この記事の2ページ目に「転売ヤー」ということばが出てきます。転売行為をする人のことです。オーツは初めて知りました。「転売屋」とかけているのかもしれません。
 Wikipedia では「転売屋」という見出しがあり、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%A2%E5%A3%B2%E5%B1%8B
その記事の中に「転売師」というのも出てきます。そして、「インターネットスラング」の項に「同意語としてテンバイヤー(もしくは転売ヤー)というインターネットスラングがある。この語源は「転売」と「バイヤー」を掛け合わせた造語であり、転売厨”同様、多くは侮蔑的用法で用いられる。」と記載があります。
 「転売」と「バイヤー」をかけているという解釈はなるほどと思いました。
 Yahoo! で「転売ヤー」を検索すると、50万件ものヒットがあります。オーツの知らないところでこっそりと(?)こんなことばが流行しているのですね。
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2016年12月18日

ソフト指し(将棋用語)

 オーツは日経新聞で見かけました。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG20H9R_Q6A021C1CC1000/
(2016/10/21 1:35)
 「ソフト指し」という言い方があるのだそうです。「コンピューターの将棋ソフトが選ぶ次の一手をカンニングして対局を有利に進める」ことという意味です。
 最近は、将棋ソフトが強くなり、プロ棋士と同程度のレベルに達しているので、それをアマチュアが使えば、一気に勝ち進むことができるというわけです。オンライン対局では、相手がこっそりとソフトの指し手を調べているかどうかなんてわかるはずもないので、こんなことが横行するのでしょう。
 それにしても、30万人超が登録するオンライン対局サイト「将棋倶楽部24」で、すでに千人以上が除名処分になっているというから驚きです。
 ソフト指しを認定するのには、ソフトとユーザーの指し手の「一致率」だそうですが、このあたり、どの程度確実に判断できるのか、微妙な感じです。また、ソフト指しをしている人を除名したとしても、次々と新しいユーザーがソフト指しで参入してくるに違いありません。いくらたたいても次々と参入してくるということだと、まさにいたちごっこの様相を呈するでしょう。
 こうして、強力なソフトが登場することで将棋界がつぶれていくのかもしれません。
 ちょっとした計算をするのにも、現代では電卓を使うのが普通です。場合によってはケータイやスマホ、パソコンを使うかもしれませんが、原理は同じです。
 日本の伝統的な計算道具であったそろばんは、日常の計算道具としては見事に消えてしまいました。いや、そろばん全体がそうだというのはまだ早いかもしれません。街にはそろばんの塾がありますし、全珠連などという組織は残っていますし、検定試験や競技大会も行われているようですが、昔を知っている人間から見れば、昔ほどの勢いはないように思います。
 それは当然ですし、時代の流れといっていいでしょう。
 将棋もそろばんと同じ運命にあるように感じています。
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2016年12月03日

親善と友好

 オーツがネットにある記事を読んでいると、
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-3221.html
次のようなことが書いてありました。「明治以来の官僚用語で、親善というのは同盟国に、友好は敵対国に対して使う言葉です。だから日中は、いつも日中友好です。」
 オーツは、「へえ。ホントかな」と思いました。
 ネットを検索してみると、同類の趣旨を書いてある記事がいくつか見つかりました。
http://plaza.rakuten.co.jp/yizumi/diary/201207260000/
http://ameblo.jp/nyaonnyaon/entry-11313940464.html
http://businessman-ikusei.air-nifty.com/200602/2014/10/post-97b1.html
オーツは、親善と友好のこういう違いは知りませんでした。
 こういう使い分けがあろうとは全然考えてもみませんでした。
 一つ利口になりました。それにしても、こういう知識、いったいいつまで覚えているのでしょうか。
タグ:親善 友好
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2016年03月30日

ロカボ

 ロカボとは、ロー(低)カーボハイドレート(炭水化物)の略です。
http://kenko-karada-genki.com/low-carbohydrate-diet-yarikata-hoho-seiko-kotu-recipe-syokuhin/
 英語で書けば、「low-carbohydrate」となります。
http://www.discountlaptopbattery.net/
 糖質制限と同様の意味です。
 ローカーボという言い方もあるようです。
 さて、オーツが驚いたのは、この言葉が相当数使われるようになっていて、日本語の中に定着しているともいえる状態になっているということでした。にもかかわらず、オーツは知らなかったということです。
 Yahoo! で検索してみると、"ロカボ"で 210,000 件の検索結果になります。"ローカーボ"で 287,000 件です。相当な件数ですね。かなり一般化していると思われます。
 ちなみに"糖質制限"は 6,630,000 件ですから、こちらの方がさらに普通に使われているわけです。
 よく使われる言い方があると、同じ意味の他の言葉はその陰に隠れてしまう傾向があるのかもしれません。


参考記事(2016年3月29日 5:00):
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12282430.html
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2016年03月12日

ntw

 オーツが楽天トラベル経由でとあるホテルに予約したところ、楽天トラベルから次のようなメールが来ました。必要な部分だけを示し前後は省略します。
・部屋タイプ:◇スタンダードツイン◇禁煙室【20平米】Wi-Fi完備◇(ntw)
(【禁煙室】20平米、Wi-Fi対応、液晶TV(BS・CS)110センチ幅シングルベッド2台)

 さて、このホテルの紹介文中にある ntw とは何でしょう。オーツには意味がわかりませんでした。
 略語辞典(頭字語辞典というべきでしょうか)
http://www.abbreviationfinder.org/ja/acronyms/ntw.html
あるいは、Yahoo! 知恵袋
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1349017823
などを見ても、ホテルにぴったりの意味は書いてありません。
 オーツは不思議に思い、ホテルに電話して聞いてみました。
 すると、答えがわかりました。「No-smoking TWin」の略なのだそうです。
 いやはや、これは見当が付きませんでした。こんな略語が使われているのですね。
タグ:ntw ホテル
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2016年02月27日

値上がる、値下がる

 昨日書いたようなことで、
2016.2.26 http://o-tsu.seesaa.net/article/434282456.html
オーツの直観では「値上がる」という言い方は日本語としておかしいと思います。「値上がりする」ならばOKです。
 しかし、WWW では、実際にたくさんの件数が見つかります。この問題をもう少し検討してみました。
 "値上がる"を Yahoo! で検索して見つかる 177,000件のうち先頭100件の用例を見てみました。
 その中には、不適例が25件含まれていました。それらは、血糖値、コレステロール値、尿酸値、基準値、経験値、値(あたい)、偏差値、解析値などについて、「血糖値上がる」のように(つまり「血糖値/上がる」のように)使われていました。
 それ以外に、「血糖値が上がる」や「血糖値 上がる」のような場合もありました。これが10件でした。前者は、本当は検索されないはずですが、どういうわけか、検索されてしまいます。これも不適例と考えていいと思います。
 100件中合わせて35件が不適例でした。
 とはいえ、「値上がる」の例は確かに存在しました。100例中65例が該当します。
 概算で、177,000×65÷100=115,050 例もの使用例があることになります。
 値上がって、値上がった、値上がれば、など、それぞれの活用形について100例ずつ調べてみましたが、全部同様の傾向を示しました。
 "値上がる" 約177,000件、先頭100件中不適例35件
 "値上がって" 約151,000件、先頭100件中不適例22件
 "値上がった" 約128,000件、先頭100件中不適例26件
 "値上がら" 約23,600件、先頭100件中不適例90件
 "値上がれば" 約2,640件、先頭100件中不適例29件
 "値上がろう" 30件、全例中不適例10件

 つまり、WWW では、「値上がる」の用例は(不適例を除外しても)たくさんあることが確認されました。
 こんなにたくさんあることをどう説明するかというと、なかなかやっかいなのですが、WWW が膨大であるため、比率的にはごくわずかしかないものでも、絶対数としてはたくさん見つかるということなんだろうと思います。このあたりは今後さらに考えていきたいところです。

 ちなみに、「値上がる」の反対語、「値下がる」も同様にたくさんの用例がありました。
 不適例はこちらも大変な比率で含まれます。
 "値下がる" 約199,000件、先頭100件中不適例51件
 "値下がって" 約77,400件、先頭100件中不適例36件
 "値下がった" 約114,000件、先頭100件中不適例25件
 "値下がら" 約21,100件、先頭100件中不適例49件
 "値下がれば" 約3,710件、先頭100件中不適例9件
 "値下がろう" 34件、全例中不適例10件
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2016年02月26日

値上がり始める

 オーツがネット内の記事を読んでいたら「値上がり始める」という複合動詞が使われていることに気がつきました。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46125?page=5
電気料金の値上げに関する記事(有井太郎氏の執筆)ですが、引用しておきます。
アメリカでは1990年代から2000年代にかけて州ごとに自由化へと踏み切りましたが、こちらも州によって値上がり始めています。
 イギリスもアメリカも最初はさまざまな企業が参入したものの、価格競争になるとどうしても大きな発電システムを持っている会社が強く、淘汰が起きたのです。その結果、寡占が進み、次第に値上がり始めたという流れです。

 2回現れていますから、ミスプリや勘違いではありません。
 なぜこの言い方がおかしいかというと、「値上がり」は動詞でなく名詞化しているからです。
 「歩き始める」や「食べ始める」のように、「始める」は動詞の連用形に後続します。一方「値上がり」は、語源的には「値+上がる」ですが、「値上がり」で名詞になっています。これが動詞であれば「値上がる」という終止形があることになり、「値上がらない」「値上がって」などもあるはずですが、そんな言い方は耳にしません。
 「値が上がり始める」ならば問題はありません。
 「値上がり」と「上がり始める」(両方ともに正しい日本語表現)が混交(contaminate)してしまったように思います。

 さて、どれくらい使われているか、Yahoo! JAPAN で検索してみましょう。
 "値上がり始める" 621 件、"値上がり始めて" 1,450 件、"値上がり始めた" 98 件という結果になりました。何と、合わせて 2,000 件以上の用例が見つかります。こんなにもたくさんあるということは、この言い方がかなり市民権を得ているといえます。

 ちなみに、"値上がる" 176,000 件、"値上がって" 150,000 件、"値上がった" 127,000 件になります。"値上がらない" 17,800 件や "値上がらなければ" 34 件もあります。
 この中には、"経験値上がった"や"偏差値上がった"、"血糖値上がった"のような例もかなりあるので、全部の用例が「値上がる」そのものではないとしても、かなりたくさんあるようです。「値上がる」という動詞がこんなにたくさん使われるなら、「値上がり始める」も当たり前の言い方として受け入れられているのでしょう。

 「値上がり始める」という言い方は、オーツには受け入れられませんが、こんなことを思うのは、オーツが歳をとったからでしょうか。老人の繰り言になっているのかもしれません。
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2015年11月08日

日本酒の温度を表す言葉

 日本酒を飲むときの温度
http://www.sakeno.com/osake/2593
を見たら、次のように書いてありました。
フローズン  0℃以下
雪冷え    5℃前後
花冷え   10℃前後
涼冷え   15℃前後
常温     室温
日向燗   30℃前後
人肌燗   35℃前後
ぬる燗   40℃前後
上燗    45℃前後
熱燗    50℃前後
飛びきり燗 55℃以上
 いやはや、オーツは、日本酒の温度にこんなにいろいろな種類があるとは思いもよりませんでした。
 この中でオーツが使いそうなことばは、常温、ぬる燗、熱燗くらいでしょうか。それらも、こんなに厳密に温度が決まっているとも知らずに、適当にそういう言葉を使っているだけでした。
 日本酒にいろいろな温度設定があり、それぞれに名前が付いているというのは、いかにも日本らしい繊細さのなせる技でしょう。
 純米大吟醸のような冷やして飲む酒を少し燗して飲むのも乙ですが、こんなのはぬる燗よりは人肌燗くらいでしょうかね。
 いい勉強になりました。
タグ:日本酒 温度
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2015年11月02日

ケータイとスマホとガラケー

 オーツが数年間誤解してきたことがありました。ケータイ(携帯電話)とは何かということです。
 昔ながらのケータイを揶揄してガラケーといいますが、ことばとして便利なので、以下ではこれを使います。
 オーツが考えてきたことは、ガラケー=ケータイであり、スマホはスマホで別物だということです。
 しかし、先日、若い人数十人に聞いたところ、ケータイ=ガラケー+スマホだというのです。つまり、ガラケーとスマホの両方を合わせてケータイと呼ぶのだそうです。
 ちょっとネットで見てみました。

http://lte.so-net.ne.jp/mvnolab/articles/201507_363/
 「あなたが使っている携帯電話「ガラケー」ですか?「スマホ」ですか?」という記事ですが、この記事では、携帯電話=ガラケー+スマホととらえています。「この2つ、同じ携帯電話でも外見、中身、そして「できること」までが、かなり異なってきます。」という言い方でもそれがわかります。

http://sma-mag.jp/gors.html
 「「携帯電話」という言葉を聞くと、連想されるイメージは2種類に分かれると思います。ひとつは、二つ折りになるタイプが代表的な、ガラケー(フューチャーフォン)と呼ばれる携帯電話と、もうひとつは、スマートフォンと呼ばれるタッチパネル式の携帯電話です。どちらも携帯電話には変わりありません」という言い方が出てきます。ここでも、携帯電話=ガラケー+スマートフォンです。

http://www.toha-search.com/pc/smartphone-tigai.htm
 「スマートフォンと携帯の違いを分かりやすくまとめてみました。」とありますので、スマートフォン≒携帯と考えられます。ただし、「携帯市場の半数を超えたと言われるスマートフォン」という言い方もありますので、こちらならば、「携帯市場」というときの携帯の意味はスマートフォン+ガラケーととらえているといえます。

http://xn--zck3adi4kpbxc7d.com/829.html
 「ケータイ料金抑えたいから、スマホからガラケーに戻そうかな〜…」という言い方では、ケータイ=スマホ+ガラケーです。

http://kei-toku.net/keitai_izihi.html
 「携帯電話からスマホに乗り換える」という言い方では、携帯電話とスマホを対立的にとらえています。

 たった5例では用例としては不足ですが、一応、傾向としては、ケータイ=ガラケー+スマホが主流のようだとわかります。
 やっぱりオーツの考え方は間違っていたようです。
 なぜこういう誤解が生まれたのかを考えてみると、「ガラケー」は俗語臭が強く、書き言葉でも使えるような正式名称(フィーチャーフォン)が一般化していないということがありそうです。
http://www.toha-search.com/pc/feature-phone.htm
によれば、「それまでにあった【ガラケーの】マイナスのイメージを払拭しようと付けられた名前がフィーチャーフォンなのです。」ということで、スマホが登場してからフィーチャーフォンという名称が生まれたわけです。とはいえ、これから消えていく運命にあるものだけに、なかなか一般化しない、一般に浸透しないということなのですね。

 ついでにいうと、ガラホというのもありますが、これもケータイの一種ということになりそうです。
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2015年11月01日

「せきとうおうりょくせいらんし」と vibgyor

 オーツは、「せきとうおうりょくせいらんし」を知らずに生きてきました。
 虹の七色を表すことばです。漢字で書けば「赤橙黄緑青藍紫」となります。
 こういう一語として覚えるという発想はオーツにはありませんでした。最近知って、子どものころに覚えておけばよかったと思いました。
 松田聖子の「硝子のブリズム」の歌詞に「赤橙黄緑青藍紫(せきとうおうりょくせいらんし)」があるそうですが、オーツはそれも知りませんでした。
 英語では、虹の七色のことを vibgyor(ヴィブギョール)と言います。「violet, indigo, blue, green, yellow, orange, red」の頭文字です。オーツの場合、こちらは、中学生のときに覚えました。それに対して、日本語には簡単な覚え方がないとばかり思っていました。
 ついでに、「vibgyor」をネットで検索してみると、ブランド名で「ヴィブジョー」というのがヒットします(たとえば、http://zozo.jp/shop/vibgyor/)が、英語には「gyo」を「ジョ」と発音する習慣がないので、この読み方は変です。
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2015年09月20日

パーティー開き

 パーティー開きというのは、スナック菓子の袋などを破って開けるときのやり方の一種で、その場にいる全員が手を伸ばして食べられるように、袋を1枚の紙のように完全に開いてしまうやり方のことです。
 オーツは、若い人からこの言い方を聞きました。
 検索すると、ネット内にいろいろと解説がありました。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1211497372
https://www.youtube.com/watch?v=GD08npY0Qhk
https://nanapi.jp/121249
 それにしても「パーティー開き」ということばがあるということは、そういう開き方が多くの人に共有されているということですね。オーツが知らなかったということは、オーツの文化は若い人たちの文化から離れてしまっているということです。なんだか急に自分の年齢を意識させられました。
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2015年07月28日

シュガーダディ、シュガーベビー

 オーツは、ネット内の記事を読んで、驚きました。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44230
 アメリカでもまさに「援助交際」があるんですねえ。援助する側がシュガーダディ、援助を受ける側がシュガーベビーというわけです。当然のことながら、女性は大学生がターゲットです。男性はそれなりの収入がある人ということになるのでしょう。
 お互いにネットで相手を探すのだそうです。そういう両者を引き合わせる企業があるというのもアメリカ的です。
 アメリカの大学は学費が高いからこんなことになるのでしょうか。

http://www.newslogusa.com/?p=1392
によると、「会員数を伸ばしているのはSeeking Arrangement。ラスべガスに本拠をおき、会員は約80万。圧倒的にベイビーが多く、ダディーとの比率は10対1。サイト運営者によると35%が学生。魅力的・知的な大学生が売りで「伸びつつ有る層」だという。」とあります。女性の方が圧倒的に多いということは、女性間の競争があるということで、男性にとっては天国かもしれません。それにしても、学生が35%しかいないということは、学生でない人の方が多いということで、実態は、やはり売春というべきところでしょう。こういうところに登録する女子大学生が増えてるというのは、やはりアメリカが病んでいることを物語っているようです。

http://english.cheerup.jp/article/1090
によると、必ずしもセックスを伴うものではないとしています。さて、どうでしょうか。実態は闇の中です。シュガーダディのイメージとして、「40代から50代の紳士。既婚かもしれないしまだ未婚であるかもしれない。彼らの多くは取締役以上のステイタスを持つ社会的成功者である。欲しいモノは必ず手に入れる。そして、時間を共有してくれる相手を求めている。」とありますが、セックスなしで女性にお手当をあげるものでしょうか。

http://rainbowgrid.blog.fc2.com/blog-entry-329.html
によると、シュガーベビーは平均23歳、毎月のお小遣いは平均4千ドルだそうです。けっこうな額ですね。

 なお、検索エンジンで検索すると、「シュガーベビー」よりも「シュガーベイビー」という表記の方が圧倒的に多いようです。もしかすると、「ベビー」が赤ん坊、「ベイビー」が恋人のような使い分けがあるのかもしれません。そう思ってちょっと検索エンジンで見てみましたが、「ベビー」が赤ん坊というのはいえますが、「ベイビー」が恋人ということはいえませんでした。赤ん坊以外の様々な場面で使われ、「恋人」と断定することはできません。
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2015年07月21日

孫疲れ

 オーツは朝日新聞で読みました。
http://digital.asahi.com/articles/ASH7F3T7RH7FUTFL001.html
(田中陽子 2015年7月20日 5:22)
 祖父母が孫の面倒を見ていて、疲れてしまうとき、「孫疲れ」というようです。
 記事中には、60代の女性の話が出ていました。60代くらいだと、以前の(実は若かりし頃の)自分の体力なども覚えているので、そう無理しているわけでもないと考えるのでしょう。これくらいへっちゃらだという気分です。しかし、実際の体は必ずしもその通りではなく、意外に疲れていることもあるのかもしれません。
 まあ、自分の体調が悪くなるほどに孫育てにのめり込んでしまうのは問題でしょうが。
 オーツの場合も、孫と一緒に遊んでいると、けっこう眠くなったりします。疲れているのかもしれません。小さな子供は遠慮せず、一生懸命遊びますからねえ。もしかすると、この感覚が「孫疲れ」に通じるのかもしれません。
 記事中には、第一生命経済研究所の調査の結果が引用されていましたが、「子育ては祖父母に頼らず、親自身で行うべきだ」という意見と「孫の世話は大変だが、娘や息子のためには引き受けるべきだ」という、相反する意見が両方とも支持されているところに、この問題の悩ましい一面がありそうです。

 そういえば、以前、韓国の「孫病」という言い方について取り上げたことがありました。
2014.7.9 http://o-tsu.seesaa.net/article/401326211.html
 「孫疲れ」も同じ発想ですね。
 世界中に同様の現象があるというべきでしょう。
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2015年06月23日

くまモンのアクセント型は?

 オーツは、朝日新聞で読みました。
http://www.asahi.com/articles/ASH675FPWH67TQIP001.html
(池田良 2015年6月15日13時43分)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11814696.html
(池田良 2015年6月19日05時00分)
 「くまモン」を発音するとき、「く」を高くいい、あとは低くいう頭高型か、それとも「く」を低くいい、あとは高くいう平板型か、どちらがいいかという問題でした。
 放送局によっても違いがあるということで、
背景には、放送局のアナウンサーの発音が統一されていない実情がある。現在、フジテレビ系、TBS系はアクセントに高低がない「平板型」。テレビ朝日系、日本テレビ系、NHKはアクセントが頭にある「頭高型」だ。

という実情も書いてありました。
 新しく作ったキャラクターであり、その名前のアクセントですから、新語のアクセントということになるわけです。こういうときは「どちらでもいい」として、時間に任せるのがいいと思います。そのうち、自然とどちらかに統一されてくるでしょうし、もしも統一されなくても、それはそれでいいのではないでしょうか。
 地元のアクセントと共通語のアクセントは必ずしも一致しません。それは地元の方言のアクセントというわけではなく、地元の人が考える共通語アクセントは、本当の共通語アクセントとは微妙にずれることがあるということです。
 そんなこともあって、「くまモン」のアクセントは、「どちらでもいい」というのがよさそうです。
 オーツは、頭高型とばかり思っていました。理由はありません。何となく感覚的にそうだと思ったということです。そこで、そうでないアクセント型があると聞いて、驚いたのでした。
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2015年06月10日

「えい」は「エー」か

 最近、ちょっとある人と話したことですが、「春めいて」の「めい」の発音は「エイ」か「エー」かという問題があります。
 日本語の「えい」で書かれる語にはいろいろな由来があります。
 和語などの複合語は、たぶん誰でも「エイ」と発音すると思います。「羽目板、毛糸、……」の類です。
 漢語の場合は、たぶん誰でも「エー」と発音すると思います。「映画、栄養、平成、丁寧、永世、……」の類です。
 では、カ行あるいはガ行の五段動詞の連用形のイ音便の形はどうなのでしょうか。
 井上史雄(2006.3)「外来語の表記と発音の問題点−エイを中心に−」明海日本語10・11合併号 によれば、
エー[e:]と発音されるのは,力行ガ行五段動詞のイ音便形である。「かせいで,せいては,こまねいて,うめいた,まねいた,春めいて」など。

とありますが、オーツの発音を内省してみると、これらはすべて「エイ」で発音しています。
 他に、カ行五段活用動詞では、「あわてふためいた、いまさらめいた、笑いさざめいた、ときめいた、うごめいた、きらめいた、さざめいた、どよめいた、はためいた、ひしめいた、ほのめいた」なども「エイ」です。
 ガ行五段活用動詞では「あえいだ、防いだ」なども「エイ」です。「せめぐ」の場合は、自分では「せめいだ、せめいで」の形を使わないような気がするので、判断保留です。しかし、無理に発音すれば「エイ」でしょう。
 これらを「エー」で発音すると、くずれた発音のように感じます。規範意識があるのでしょうか。「映画」などは、あらたまった場での発音でも「エー」で、「エイ」と発音することはありません。
 その意味では、「はめいた」(いつでも「エイ」)、「春めいて」(「エイ」が規範的)、「映画」(いつでも「エー」)のような3段階の発音があるのかもしれません。
 オーツの感覚では、「はめいた」を5、「映画」を1とすると、「春めいて」は中間の3ではなく4くらいに「エイ」に近い感じがします。
 これらの発音は揺れているのかもしれません。
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