2018年06月07日

頻度(2)

 オーツは、「頻度」という言い方が、どういう意味で使われているか、気になりました。ちょっと前にそんな記事も書きました。今回はその続きです。
2018.6.3 http://o-tsu.seesaa.net/article/459748525.html
 検索エンジンで「頻度」を調べ、どういう意味で使われているかで二つに分類してみようと思いました。
 こういうのを見てみるときは、経験的に100例くらい見れば十分であると思います。
 さっそくやってみました。
 二つの分類とは、以下の通りです。
@回数・度数=整数であらわされる
A比率・程度=%であらわされる

 結果は、以下の通りでした。Yahoo! で約39,000,000件検索されたので、その先頭の100件を見ました。
 11件は不適例として、集計から除外しました。辞書・説明・解説・Wikipedia・英訳などです。

@回数・度数:85件

A比率・程度:4件
・急性胆嚢炎のうち、重症例の頻度は?……1.2〜6.0%である。https://minds.jcqhc.or.jp/n/cq/D0000050
・妊娠糖尿病はどれくらいの頻度であるのですか?……妊娠糖尿病の頻度は12.08%と4.1倍に増えることがわかりました。http://www.dm-net.co.jp/jsdp/qa/c/q01/
・6号閲読頻度ウエイト付は、過去6号中の閲読頻度を考慮した、号数頻度ウエイト付きの読者数で集計された比率です。http://www.videor.co.jp/about-vr/terms/6go-etsudoku-hindo.htm
・MICA/HLAハプロタイプ頻度検索 http://hla.or.jp/med/frequency_search/ja/wordexp.html【「用語解説」の表中にハプロタイプ頻度として「%」が出てくる】

B判別不明:1件
・神経科学:シナプトタグミン7は特殊な減衰シナプスへ頻度不変性を付与するhttp://www.natureasia.com/ja-jp/nature/551/7681/nature24474/%E3%82%B7%E3%83%8A%E3%83%97%E3%83%88%E3%82%BF%E3%82%B0%E3%83%9F%E3%83%B37%E3%81%AF%E7%89%B9%E6%AE%8A%E3%81%AA%E6%B8%9B%E8%A1%B0%E3%82%B7%E3%83%8A%E3%83%97%E3%82%B9%E3%81%B8%E9%A0%BB%E5%BA%A6%E4%B8%8D%E5%A4%89%E6%80%A7%E3%82%92%E4%BB%98%E4%B8%8E%E3%81%99%E3%82%8B【英語からの翻訳なので、ふさわしくない用例】

 この結果を見ると、圧倒的多数(85件)が「@回数・度数」の意味で使われ、「A比率・程度」はわずかに4件しかありませんでした。各用例及び出典は上に示したとおりです。
 というわけで、やはり「頻度」は「比率・程度」の意味よりも「回数・度数」の意味で使われることが大半なのではないでしょうか。
posted by オーツ at 05:00| Comment(5) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月06日

smoking frequency

 98 さんからコメントがあり、frequency にも比率の意味があるということでした。
http://blog.seesaa.jp/cms/comment/edit/detail?article_id=&id=122040434
2018.6.3 http://o-tsu.seesaa.net/article/459748525.html
 これに関して、オーツから付言したいと思います。
 98 さんのコメントを見たとき、オーツは違和感を感じました。喫煙率のような比率を smoking frequency というのは変だと思います。frequency ratio くらいがいいのではないかと思いました。
 その後、和英辞書を引いてみると、喫煙率は smoking rate になるということがわかりました。(Prevalence of tobacco consumption という長い言い方もあるようです。)
 そこで、検索エンジン Yahoo! で(英語を指定して)検索してみると、
"smoking frequency" 25,200 件
"smoking ratio" 3,720 件
"smoking rate" 344,000 件
ということで、やはり smoking rate が一番たくさん見つかりました。
 さらに、smoking frequency が使われている用例を見ていくと、その中のある部分は、人口中の喫煙者の割合ではなく、一個人が(1日で?)何回タバコを吸うかという意味で使われていることがわかりました。
 たとえば、
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4821569/
の中の一節ですが、
Methods
Data were drawn from four waves (Spring/Fall 2009 and Spring/Fall 2010) of the American College Health Association-National College Health Assessment datasets. The sample was restricted to students who smoked a waterpipe at least once in the past 30 days (N=19,323). Ordered logistic regression modeled the factors associated with higher frequency of waterpipe smoking.

のような感じです。あまり多くの例を調べたわけではありませんが、smoking frequency の一部には、一個人のタバコを吸う回数の多寡の意味があります。
 というわけで、frequency に比率の意味があることは(そういう例が現実にあるので)否定できないけれど、比率を表すなら別の語のほうがもっとたくさん使われ、むしろそちらが普通ではないでしょうか。
posted by オーツ at 04:40| Comment(2) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月03日

頻度

 とあるところで、「頻度」ということばを見かけました。
 「生起頻度」という複合語でしたが、頻度(回数)の生データではなく、パーセンテージに直してある数値でした。オーツは、こういうものならば「生起比率」のほうが望ましいのではないかと思いました。
 その方は、国語辞典を示し、

> ひん-ど 【頻度】
> (1)ある事の繰り返される度合。「出現する―が高い」
> (2)統計学で,度数のこと。頻数。

という説明から、オーツは(2)の意味(だけ)を考えているが、自分は(1)の意味で使っているという話でした。
 オーツは驚きました。自分では、比率の意味で「頻度」という言い方をすることはまったくないと思っていました。頻度=度数 と考えていました。
 その方は、「度」が「完成度」のような語では程度を表し、「2度」「3度」では回数を表すので、理屈のうえではどちらの解釈もあり得るということでした。「高度」は「高さの度合い」、「純度」は「純粋の度合い」だから、「頻度」は「頻繁の度合い」と考えるほうが自然な発想のようだというわけです。
 学研の国語大辞典で「頻度」を引くと、以下のような記述でした。
〔ものごとが〕くりかえして起こる度合い。出現度。フリクエンシー。「頻度が高い」 用例:タイプライターの文字盤が、使用漢字の頻度に応じて適当に配列されているかどうか…〈四三・四・九・毎日夕〉

 語釈の中に「度合い」が出てきますので、比率を頻度といってもいいように思えます。
 学研漢和大字典の「頻度」を引くと、以下のような記述がありました。
《日本語での特別な意味》物ごとがくり返しておこる度合い。出現度。

 国語大辞典と同様の語釈ですが、初めにある《日本語での特別な意味》という注記が気になりました。もともとの中国語にはこのような意味がなく、日本語の中でこういう意味が発生したということを物語っているようです。
 ちょっと若い人が集まる場があったので、オーツは「頻度」の意味を聞いてみました。度数、回数という意味だけの人と、それに加えて程度、比率という意味もある人と、手を挙げてもらったところ、半々でした。決着が付きません。
 頻度は frequency の訳語でもあるわけです。frequency の意味を小学館の「プログレッシブ英和中辞典(第4版)」で見てみると、四つの意味に小区分され、以下のような記述がありました。
1 [U](…が)しばしば起こること, (…の)頻発((of ...)) the frequency of earthquakes [crimes]地震[犯罪]の頻発 with increasing frequency ますますひんぱんに.
2 頻度, 度数, 回数;脈拍数.
3 [U][C]《物理学》頻度;振動数;(電波などの)周波数(記号:F) high [low] frequency 高[低]周波.
4 《数学》度数;《統計学》頻度, 度数.

 1 は頻度とは無関係ですが、2,3,4 には「頻度」が出てきます。どれも度数とか回数のような意味であり、比率の意味はないようです。
 オーツの「頻度」に関する感覚は、数学ないし統計学に親しんでいるためというよりは、「frequency=頻度」という考え方あたりから来ているように思いました。

 この問題は、もう少しデータを集めて考えてみたいところです。
続きを読む
ラベル:頻度 frequency
posted by オーツ at 03:02| Comment(5) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月28日

置き勉

 オーツは朝日新聞の記事で知りました。「置き勉」とは、勉強道具を学校に置いて帰宅することです。
「通学を楽に、「置き勉」じわり 荷物18キロ、中学生「つらい」「転ぶ」」
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13513175.html
(2018年5月27日05時00分)

山下知子、峯俊一平「重いかばん、どうにかして 「置き勉OK」じわり広がる」
https://www.asahi.com/articles/ASL5V4D15L5VUTIL00R.html
(2018年5月26日19時09分)
こちらのほうが先でした。この記事中には中学生が作成した動画もアップされています。
 中学生のバッグが 18kg もあると聞いて、ビックリです。動画で、バッグの中から荷物を取り出すシーンがありますが、出るわ出るわ、教科書やノートや副読本など、山のような荷物が出てきます。これらを毎日運ぶとなると、それは大変です。これ以外に部活関係の道具、弁当や水筒を入れるとなると、運べないくらいの重さになります。
 日本語俗語辞書
http://zokugo-dict.com/05o/okiben.htm
の記述によると、1970〜80年代には「置き勉」がもうあったようです。オーツとは世代が違うので、耳にする機会がなかったのでしょう。
 それにしても「置き勉」という言い方は、かなり違和感があります。「勉強道具」という複合語の先頭を取り出して、「置き」とつなげるという造語法が変なのでしょうね。
ラベル:置き勉 中学生
posted by オーツ at 04:54| Comment(0) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月12日

ノネコ

 オーツは朝日新聞の記事で「ノネコ」という単語を知りました。
https://www.asahi.com/articles/DA3S13484803.html
(2018年5月9日05時00分)
記事には、野良猫との対照表が掲載されています。
 野良猫もノネコも「飼い主がいない」という点は同じですが、野良猫は「人間の生活圏で暮らし、エサをもらったり、人間が捨てたものなどを食べたりして生きている」のに対し、ノネコは「野生化して山林などで暮らし、人間にまったく依存せず、野生動物だけを食べて生きている」という違いがあります。
 それに伴い、野良猫は動物愛護法で「愛護動物」とされているのに対して、ノネコは鳥獣保護法で「狩猟鳥獣」とされている点も異なるというわけです。つまり、ノネコはハンティングの対象にしてかまわないということです。
 狩猟鳥獣であるということは、勝手に捕まえてもよいという意味になるようです。
https://kotobank.jp/word/%E7%8B%A9%E7%8C%9F%E9%B3%A5%E7%8D%A3-529533#E7.99.BE.E7.A7.91.E4.BA.8B.E5.85.B8.E3.83.9E.E3.82.A4.E3.83.9A.E3.83.87.E3.82.A3.E3.82.A2
 オーツの周りでは、野良猫はたくさんいても、今までノネコを見たことも聞いたこともなかったので、そういうネコがいることをまったく意識していませんでした。
 wikipedia にも記載がありました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8E%E7%8C%AB
「野猫」という漢字表記もありますが、しばしばノネコというカタカナ表記が用いられると書いてあります。
posted by オーツ at 04:17| Comment(0) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月13日

会社を卒業する

 オーツは日経新聞のサイトで読みました。
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO27540540R00C18A3000000
(2018/3/10)
 猪瀬聖氏による「会社を退職ではなく、「卒業」する人が増えるわけ」という記事です。
 今や、会社を退職するときにも「退職」ではなく「卒業」という例が増えているというわけです。女性アイドルグループからメンバーが抜ける意味で使い始めたと思いますが、それがずいぶん広まっているということです。
 記事では、リクルートグループがかなり前から「卒業」と言っていることを書いています。オーツはこの用法を知りませんでした。
 「退職」というと、それで仕事をしなくなるという(どちらかというとネガティブな)イメージがあるわけですが、「卒業」というと、今までやってきたことを止めて、次に何か新しいことを始めるという(どちらかというとポジティブな)イメージがあります。
 女性アイドルグループであれば、ある個人がメンバーを止めても、その個人は個人として独立して(芸能)活動を続ける場合が多いでしょうから、「卒業」がぴったりだともいえます。
 会社の場合は、どうなのでしょうか。辞める人がまだまだ若い場合は、「卒業」して、その後、別の会社で働いたり、違う道を進んだりしていくことが多いでしょうから、「卒業」のほうがよさそうです。少なくとも「退職」ではなく「転職」でしょう。
 では、定年が来て、もう働かないというケースではどうなのでしょう。「退職」のほうが「もう仕事をしない」というイメージがあって、ぴったりだと思います。それでも「卒業」というかもしれません。それは実際の生き方・働き方とは無関係に「卒業」のもつポジティブなイメージを利用しているだけです。
 オーツはもう60代になりましたし、あと数年で退職ですが、自分でそれをとらえれば「退職」だろうと思います。もちろん、オーツの退職後も何らかの仕事はすると思いますが、収入は激減し、年金収入がその後の生活を支えるはずです。「卒業」は若い人がするものであって、60代の人間がするものではないと思います。
 会社関係で「卒業」という言い方が増えてきたということは、社会の中で若い人の転職が増えてきたという現実を反映しているのかもしれません。
ラベル:転職 会社 退職 卒業
posted by オーツ at 03:46| Comment(0) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月03日

 オーツは、とあるところで中国人の名前を見ました。「荻」という漢字を使っていました。そこに読み仮名として「テキ」と書いてありました。
 オーツなりに考えてみると、生まれてこの方、「荻」はいつも「おぎ」と(訓読みで)読むばかりで、音読みを目にしたことは(耳にしたことも)ありませんでした。オーツは生まれて初めて音読みを目にしました。「テキ」なのですね。
 中国人の名前は日本国内では日本読み(音読み)するのが普通なので、こんなことがわかったというわけです。
 ちょっと気になって、学研漢和大辞典で「荻」(テキ)を引いてみました。以下のような三つの単語がのっていました。
【荻浦】テキホ おぎの生えている水辺。
【荻花】テキカ おぎの花。「楓葉荻花秋索索=楓葉荻花秋索索たり」〔白居易・琵琶行〕
【荻洲】テキシュウ おぎの生えている川のす。
 あとは荻生徂徠ですが、これは「テキ」ではありません。
 音読みの「テキ」は、たった3語しか辞書に記載がありません。(他にも「○荻」で「ナントカテキ」という語があるのかもしれませんが。)しかも、これら3語は、ATOK でカナ漢字変換しようにも辞書登録されていません。学研国語大辞典を引いても見出しとして載っていません。かなり珍しい単語です。
 中国語(北京語)では「di2」と発音することは以前から知っていましたが、日本語でこれに対応するのは「テキ」というわけです。60年ぶりに新しい漢字を覚えたような、新鮮な気分になりました。
posted by オーツ at 05:04| Comment(0) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月26日

日中戦争

 某所で議論していたとき、オーツが不思議に思ったことがありました。
 「日中戦争」という用語が資料中に普通に使われていたのですが、オーツはこの言い方には政治的な意図が込められており、よくないのではないかと思いました。その趣旨を言うと、議論の参加者の一人が「今は学校でも普通に日中戦争と教えられています」と発言しました。
 オーツは、そんなことも知らなかったので、驚きました。
 wikipedia で「支那事変」(何と、ATOK はデフォルトで「シナ」が「支那」に変換できません。差別語としているためでしょうか)を読むと、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%AF%E9%82%A3%E4%BA%8B%E5%A4%89
以下のような記述があります。
「支那事変」という呼称は、当時の日本政府が定めた公称であるが、初めは北支事変(ほくしじへん)と呼ばれ、その後、支那事変となった。 新聞等マスメディアでは日華事変(にっかじへん)などの表現が使われるほか、日支事変(にっしじへん)とも呼ばれるなど、呼称の揺らぎがある。
一般的には、1937年の支那事変から1945年(昭和20年)までの戦争を日中戦争と呼ぶが、 「支那事変」は1941年(昭和16年)12月8日の太平洋戦争(大東亜戦争)勃発までとするのが代表的見解とされていて、期間が異なる。

 また以下のような記述もあります。
戦後の学校教育では当初「日華事変」に統一されていたが、昭和50年代以降は徐々に「日中戦争」という呼称が広まった。これは日中双方が「事変」としていたが、事実上の戦争であるとの歴史学界による学説、さらに主として日本教職員組合など教育現場やマスメディアが、占領軍(GHQ)や中華民国・中華人民共和国(建国前)両政府の「中国を侮蔑するニュアンスを含む」とする政治的圧力をうけて「支那」という言葉の使用を避けた為である。なお本来「支那」という呼称に差別的意味はないとする研究もある。

 「支那」が差別語だということから「支那事変」という用語が避けられたようです。話が意外なところまで広がっていることがわかります。
 この問題について、オーツは以下のように考えます。
 第1に、「支那」は差別的意味はないと思います。
 これについても wikipedia の「支那」の項にくわしい記述があります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%AF%E9%82%A3
 その中に以下の記述があります。
 1930年(昭和5年)5月27日、中華民国は外交部に対し、「支那」と表記された公文書を受け取らないように訓令を発した。中華民国中央政治会議による決議を受けて、中華民国外交部(外務省)が、英語による国号表記を“Republic of China (ROC)”とする一方で、中文表記を「大中華民国」であるとし、日本国政府に対し「支那の呼称を使わないよう」に申し入れてきた。

 日本の外交として、その時点でもう少しきちんとしておくべきだったと言えるでしょう。英語で China と書いたり、フランス語で Chine と書いたりして問題ないものを、日本語で「支那」と書いたらいけないというのはいかにも不条理です。中華民国政府が日本に「中華民国」を使うように要請してきた時点で、「では英語でも China を止めて、別の言い方にしよう」とするなら、姿勢として一貫していたと思います。
 まあ、相手が中国と呼ばれたいというなら、あえて「支那」と呼ぶまでもないとは思います。

 第2に、日中戦争についてですが、オーツはこの名称に違和感があります。
 1937 年から1941 年まで、宣戦布告を含む戦争状態ではなかったし、双方がそう認識していたのですから、それを「戦争」と呼ぶのはやはり変だと思います。「事変」のほうが当時の見方にしたがったものであり、後世の人が「戦争」と呼びかえるのは歴史を歪曲するかのように感じます。
 一部に「支那」を差別語と感じる人がいる以上、「支那事変」という当時の正式名称を使うのは望ましくなく、「日支事変」も同様の問題があるでしょう。
 というわけで、「日華事変」あたりが一番妥当な名称ということになりそうです。「日中事変」というのでもいいでしょうが、今まで使われていない新しい用語を作り出すことは避けるべきでしょう。

 ちなみに高校で使われている日本史の教科書や用語集もちょっと見てみました。
 普通に「日中戦争」という用語が使われていました。会議の参加者が述べたことが正しかったわけですが、オーツは、やっぱり違和感を感じます。
posted by オーツ at 04:41| Comment(0) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月27日

観る将

 オーツは、どこかの記事で「観る将」ということばを見かけました。どこで見たのか、思い出せません。
 「自分で将棋を指さずにプロ棋士たちの将棋を観るだけの将棋ファン」のことです。
 Yahoo! JAPAN で検索してみると、ネット内には 54,700 件もあります。かなり一般的に使われるようになっているのですね。
 オーツ自身を振り返ってみると、将棋の対局はめったにできません。1年に1〜2回くらいでしょうか。以前は将棋道場に出かけていたこともあったのですが、最近は時間が取れなくて、そんな機会もなくなってしまいました。
 すると、将棋との接点は、月刊誌「将棋世界」を読むこと、NHK教育で日曜の朝にやっている将棋トーナメントを観ることになります。それら以外にも、たまにネットでニュースを見たりしています。
 まさに、オーツ自身が「観る将」なのですね。
 なぜ観る将が増えているのか。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1610/09/news010.html
によると、ネット中継が増えたためだそうです。オーツはニコニコ生放送を見たことがないのですが、そんなにおもしろいものでしょうか。
 ところで、観る将に関連して気になっているのは、こういうファンがどれくらいの棋力を持っているのかということです。プロの戦いぶりを観戦して楽しめるとなれば、駒の動かし方を知っている程度ではまったく不十分であり、少なくとも各種の定跡を知っている必要があります。さまざまな手筋なども心得ておく必要がありそうです。となると、初心者では観る将の資格はなさそうで、最低でも級位者くらいの棋力が必要でしょう。それでも、プロの将棋を見てその意味を理解することはむずかしそうです。有段者クラスになれば、プロの将棋がそれなりに楽しめると思います。
 野球などのスポーツでも、「自分ではやらないけれど、見るのが好き」というファンが多そうです。スポーツは、動きがありますから、自分でやらなくても、見るだけでおもしろいというのは理解できます。しかし、将棋の場合は、動き(動作)はおもしろくも何ともないと思います。やはり内容が理解できなくては意味がありません。
 そんなことを考えると、観る将といってもけっこう棋力がある人たちなのかもしれません。アイドルなどの単なる追っかけとはだいぶ違うように思います。
 最近は、藤井聡太4段の活躍で、将棋を全然知らずに彼のファンになっている人もいるとのことですが、オーツには信じがたい話です。
posted by オーツ at 06:22| Comment(0) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月12日

防錆

 オーツは、あるところで「防錆」ということばを見かけました。「ぼうさび」と読むことが多いと思いますが、「防」が音読みですから、「錆」も音読みするべきでしょう。「防火、防水、防風、防災、防虫、……」など、みんな「ぼう+音読み」です。しかし、「さび」は訓読みです。「音読み+訓読み」の形はどうにも不自然に響きます。重箱(じゅうばこ)読みというヤツです。
 オーツは「錆」の音読みを知りませんでした。金偏が意味を表すとすれば、旁が音を表すわけで、「」(青の旧字)であればセイと読むのでしょう。
 新明解国語辞典第7版を見てみると、「ぼうオ せい[0] バウ−【防〈錆】表面をコーティングするなどして、金属が錆(サ)びるのを防ぐこと。ぼうしょう[0]。ぼうさび[0]。「防錆加工[5]・防錆剤[3][0]」と書いてありました。やはり「ぼうせい」です。
 Yahoo JAPAN! で WWW を検索してみると、「"防錆" "ぼうせい"」で 96 件、「"防錆" "ぼうさび"」で 24,300 件見つかり、予想通り「ぼうさび」のほうが圧倒的に多くなっていました。
 「防鼠」(ぼうそ)なんていうのも、読み方がむずかしいかもしれません。殺鼠剤(さっそざい)という単語を知っていれば読めるでしょう。
 「防熊」などという語はあるのでしょうか。読むなら「ぼうゆう」でしょうが、聞いたことがありません。WWW で検索しても出てきません。
posted by オーツ at 03:29| Comment(0) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月30日

ボルドーマイカメタリック

 オーツは新しいクルマ・ノアを買いました。車体の塗装の色は「ボルドーマイカメタリック」です。
 しかし、こんな色を言われてもどんな色か想像もできません。
 オーツは、カタログで見てこれを選んだのですが、初めて実車を見たとき、ずいぶん暗くて、まるで黒みたいだなあと感じました。前のプリウスαは赤だったので、特にそう感じるのでしょう。
 ボルドーマイカメタリックは、紫系統の色ですが、かなり暗く、あまりパッとしません。
https://ameblo.jp/shinmu1224/entry-11126912900.html
によると、「ぱっと見、黒にも見えるんだけど、光に当たると紫なんです。」ということだそうです。

 まず、「ボルドー」とは何でしょうか。
 Wikipedia では「マルーン」の項
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%B3_(%E8%89%B2)
にこんなことが書いてありました。
マルーン(英: maroon)は、暗い茶色から、紫がかった赤にかけての色。えび茶色(えんじ)。栗色(くりいろ)。【中略】フランス語、イタリア語などでは、ボルドー(Bordeaux)と呼ぶ。これはフランスのボルドーで産出するボルドーワインに由来する。

 なるほど。ワインの色だと思えば、けっこうおもしろい色のように感じられます。

 次に、「マイカ」および「メタリック」とは何でしょうか。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1311586493
によれば、「マイカとは、一般に「パール塗装」と言っているもので、顔料の塗膜にメタリック塗装のアルミに代えて雲母など光を反射しやすい物質を混ぜてあり、メタリックとは違う輝きが出ます。」とあります。さらに「実は、「メタリック塗装」と「マイカ(パール)塗装」の境界線は意外とあいまいで。最近の車種では高級感をだすため、メタリックとマイカの両方を混ぜた塗装が多くなっています。これがご質問の「マイカメタリック」という塗装です。」ということで、ずいぶんとややこしい名前です。
http://www.wakayamapp.jp/faq_detail.php?faq_axid=216
によると、「「メタリック塗装」のメタリックとは、微粒なアルミ片などの入った塗料のことです。キラキラとした金属光沢で輝きとても高級感があります。このメタリックは、サイズや色など種類がたくさんあり、メタリックベースの上に透明なクリヤコートを塗って仕上げます。またメタリックベースの上にカラーを塗ったものがキャンディカラーと呼ばれ 深みのある色が表現できます。」とあります。

 そんなわけで、「ボルドー」と「マイカ」と「メタリック」の三つの部分に分けて意味を調べて、まあまあどんな色か、納得できたように思います。

 それにしても、なぜこんなわかりにくい色名を付けるのでしょうか。初めて聞いてわかるような人はめったにいないように思いますが、……。
 わかりにくいところが魅力なんでしょうか。まるでお坊さんの唱えるお経のように、わからないからこそありがたいという感覚なんでしょうか。
posted by オーツ at 05:03| Comment(0) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月17日

貸出

 オーツがカナ漢字変換しようとしてできなかったことばに「貸出」(たいしゅつ)があります。
 「帯出」とは違います。「帯出」は図書館の本や備品などを(自分で)持ち出すことです。いわば「借り出すこと」です。借りる側の視点から見ています。そうではなくて、「貸し出すこと」の意味で「貸出」という言い方があると思うのです。貸す側の視点から見ています。訓読みすれば「かしだし」ですが、音読みで「たいしゅつ」です。両者はほぼ同じ意味です。
 しかし、いくつかの国語辞典を引いても、「貸出」(たいしゅつ)は記載がありません。日本国語大辞典にもありません。となると、オーツの勘違いなのでしょうか。
 どうにも気になってきました。
 ネットで検索すると、いくつか出てきました。
(1)
http://cjjc.weblio.jp/content/%E3%81%9F%E3%81%84%E3%81%97%E3%82%85%E3%81%A4%E3%81%99%E3%82%8B
EDR日中対訳辞書に「貸出する」(たいしゅつする)があります。

(2)
http://www.ldoceonline.com/dictionary/japanese-english/%E8%B2%B8%E5%87%BA%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF
LONGMAN の Japanese-English dictionary に「貸出リスク」(たいしゅつりすく)があります。

(3)
http://www.ldoceonline.com/dictionary/japanese-english/%E8%B2%B8%E5%87%BA%E9%87%91%E5%88%A9_2
同じく、LONGMAN の Japanese-English dictionary に「貸出金利」(たいしゅつきんり)があります。

 このように、対訳辞書ばかりなのが気になります。
ラベル:貸出
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2017年08月25日

お盆玉

 オーツは、日経新聞の記事で知りました。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ10H43_Q7A810C1000000/
(2017/8/10 11:36)
 お盆のときに、子供にあげる小遣い「お盆玉」という風習が広がっているそうです。祖父母から孫に、あるいはおじ・おばから甥・姪に、小遣いを渡すことが増えているという話です。
 それなりの年齢の子供がいると、小遣いを渡したくなるものです。
 オーツは、以前、お年玉について考え、小学生になったら渡し始め、大学を卒業したら(ないし働き始めたら)渡すのを止めるのがいいという結論に達しました。
2017.1.8 http://o-tsu.seesaa.net/article/445694960.html
 さて、お盆玉はどうなのでしょうか。妻の甥・姪はいますが、どうするかは妻が決めればいい話です。オーツの甥・姪はいませんので、気にしなくていいでしょう。孫にどうするかですが、近くに住んでいて、わざわざ「帰省」することはないので、お盆玉を渡すことは考えなくてもいいように思います。

 さて、お盆玉という言い方ですが、はやり出したのは、ここ数年のことのようです。
http://trend-news-today.com/4009.html
 商標登録されているそうですが、そんなことをすると、ことばとしては定着しないかもしれません。まあ、ジェットコースターやセロテープのような一般語化した例もあるので、定着するかもしれませんが。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6250201
の記事に引用されているあおぞら銀行の調査によれば、「お盆玉」という言葉を知っているシニア層の割合は3割弱だそうですから、かなり浸透しているといえそうです。
posted by オーツ at 04:20| Comment(0) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月27日

キョウイクとキョウヨウ

 オーツがどこかで耳にした言い方です。
 高齢者になると、キョウイクとキョウヨウが大事だという話です。
 教育と教養ではありません。
 「今日行くところがある」と「今日、用事がある」です。確かに、そんなことがなければ、1日中自宅にこもってしまうような気がします。
 このことばの出典が何なのか、ネットを検索したらすぐわかりました。
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3444/1.html
http://www.shigayukan.com/2017/06/post_2101.php
 秋山弘子さんという方が言ったことのようです。
posted by オーツ at 03:37| Comment(0) | TrackBack(0) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月20日

綱紀・こうき・つなのり

 オーツがふと気が付いたことがあります。
 日本の速記を始めた人は田鎖綱紀
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E9%8E%96%E7%B6%B1%E7%B4%80
という人です。「たくさり こうき」と読みます。
 加賀藩の藩主を勤めた前田綱紀という人もいます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%8D%E7%94%B0%E7%B6%B1%E7%B4%80
こちらは「まえだ つなのり」です。
 両者が同じ漢字であることは、まったく意識していませんでした。あるときふと気が付いたわけです。
 同じ漢字の人名であっても、「つなのり」と読むのと「こうき」と読むのでは、ずいぶん語感が違います。「つなのり」のほうが、いかにも武士らしい感じがします。徳川家には「徳川綱紀」などという人もいます。これも「つなのり」と読むのでしょう、たぶん。
 「こうき」と読むと「綱紀粛正:こうきしゅくせい」という熟語がぴんときてしまい、そのイメージが強すぎて、「こうき」だけではイメージがわきません。
 ともあれ、同じ漢字の人名であっても、読み方が違えば、まったく別名に思えるというわけでした。

 ちなみに、「綱紀」を「つなのり」と読む例を検索エンジンで調べると、前田綱紀、南摩綱紀、朽木綱紀、十倉綱紀、源綱紀 など 1,910 件が見つかります。
 何といっても、前田家のお殿様だから、ウェブでは「前田綱紀」がたくさんヒットします。
 一方、「綱紀」を「こうき」と読む例は、田鎖綱紀、橋本綱紀、安江綱紀 など 7,100 件です。「綱紀粛正」が影響していることは明らかで、人名としてどれだけ多いかは疑問です。
posted by オーツ at 05:42| Comment(0) | TrackBack(0) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月04日

鏡文字を読むときの難しさ

 オーツは、あるところで鏡文字(左右が逆転した文字)を読むことになりました。
 実は、ガラス窓に大きな字で掲示が貼ってあり、都合で、それを内側から読むことになったのでした。
 鏡文字くらいはさほど問題なく読めると思っていたのですが、2個のひらがながけっこうむずかしく思えました。読めた後で正解がわかりましたが、「と」と「さ」でした。「と」と「さ」が左右反転すると「う」と「ち」に見えてしまうのです。もちろん、左右逆転させて読まなければならないことは頭でわかっているのですが、そのままで読める文字というのはそのままですっと頭の中に入ってきます。どうしても「う」と「ち」に見えてしまうのです。それ以外の文字は、左右逆転させて読むことにあまり違和感はなく、頭の中で変換しながら読めました。
 昔の人は、鏡文字まで考慮して名前をつけたようで、たとえば「吉永小百合」などは、裏から読んでも同じように見えるように命名したということです。芸名は、ちょっと特殊かもしれませんが、オーツはひらがなでも鏡文字が読みにくい場合があるということにようやく気がつきました。
ラベル:鏡文字
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2017年03月18日

竹馬の友

 オーツの孫の一人は4歳にしてひらがなが全部読めます。
2017.2.1 http://o-tsu.seesaa.net/article/446529960.html
 先日、オーツの自宅にやってきた孫は、積み木を見て、全部のひらがなを読みたいと言い出しました。
 どうせ全部できるのは前回の経験でわかっていますので、ついでに、そのひらがな1文字を使った単語も紹介することにしました。
 「き」のときは「きりん」とかです。実は、このひらがな付きの積み木の裏側にはそういう単語一つがひらがなで書いてあるとともに、その絵(「きりん」の絵とか)が書いてあるのです。
 そんなことで何枚か積み木を見せて、単語を添えていたら、孫が自分からそういう単語を言うようになりました。「ね」を見ると「ねずみ」とか言うわけです。
 こんなことで、文字の学習から言語(単語)の学習に進化したわけです。
 で、いろいろやっていくうちに「ち」になりました。オーツは、「ちず」とか「ちくわ」とかが出てくるものと考えていました。すると、孫は「ちくばのとも」と言いました。オーツは驚きました。4歳の子どもの口からそんな単語(厳密に言うと、単語というよりは句とか連語というべきでしょうが)が飛び出すとは思っていなかったので、「えっ、そんなことを知っているの?」と聞くと、知っているというのです。
 オーツは、驚いてしまって、もう少し追求するのをうっかりしてしまいました。「ちくばのともってなあに?」と聞くべきだったのです。国語辞典風の説明はできないにしても、「竹馬の友」らしき意味が習得できているのかどうかがわかったはずです。ここを確認しないと、意味まで(ほぼ)正しく理解できているのか、それとも、単なる聞きかじりで、どこかで耳にした語形をオウム返しに口にしただけで、意味はわかっていないのか、区別が付きません。
 何はともあれ、幼児の理解語であるはずもない言い方が4歳の孫の口から飛び出したことは新鮮な驚きでした。こんな言い方は、絵本や漫画で出てくるはずもないでしょうねえ。どう見ても大人の語彙に属すると思います。一体どこで覚えたのでしょうか。
posted by オーツ at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月01日

幼児にとって「り」の発音はむずかしい

 オーツの孫の一人は3歳です。まもなく4歳になります。
 先日、オーツの自宅に来て、ひらがなが書いてある積み木セットで遊んでいました。どうも、積み木に書いてあるひらがなが読めるようなので、本人に聞いてみました。オーツが積み木を1個ずつ示して何と読むのかたずねていったわけです。迷うことなく、全部のひらがなが読めました。
 なるほど、3歳で全部のひらがなが読めるようになっているのですね。現代ではそんなものなのでしょう。
 そのとき、オーツが気になったのは「り」の発音でした。本人は明らかに「り」と言っているのですが、オーツの耳には「ぎ」のような発音に聞こえます。日本語のラ行音は弾き音で、習得がむずかしいとされますが、なかでも [i] の母音が続く「り」は、狭母音であり、狭い隙間で舌を弾く必要があります。一番習得がむずかしい音なのかもしれません。
 大人の場合でも、日本語の「り」にはさまざまな音が聞かれます。オーツの知り合いの一人は側面弾き音で発音する人もいます。舌先を上の歯茎に付けたまま、舌の側面を下げて呼気を舌の左右から口外に出すようにして発音するのです。
posted by オーツ at 04:18| Comment(0) | TrackBack(0) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月28日

出生前診断

 何気なくテレビで放送大学を見ていたら、不妊治療などの講義をしていました。その中で、何回か繰り返されたのが、出生前診断でした。講師の人は「しゅっしょうぜんしんだん」と発音していました。いや、「しゅっせいぜんしんだん」だったかもしれません。テレビ放送のことばは、あっという間に消えてしまいますので、あとから記憶をたどろうにも、はっきりしたことはわかりません。「出生」については、「しゅっせい」と「しゅっしょう」の両方の読み方がありますので、オーツも気にしていませんでした。オーツが気になったのは「前」です。オーツは「まえ」だとばかり思っていました。「しゅっしょうまえしんだん」あるいは「しゅっせいまえしんだん」ということです。
 「ぜん」という読み方が普通にされていたので、驚いたわけです。
 さっそくネットで調べると、wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%87%BA%E7%94%9F%E5%89%8D%E8%A8%BA%E6%96%AD
では、「(しゅっせいぜんしんだん、しゅっしょうまえしんだん)」ということで両方の読みを掲載しています。
 weblio では
http://www.weblio.jp/content/%E5%87%BA%E7%94%9F%E5%89%8D%E8%A8%BA%E6%96%AD
大辞林を引用して、「しゅっしょうぜんしんだん」としています。新語時事用語辞典でも同じです。妊娠・子育て用語辞典でも同じです。
 Yahoo! 知恵袋では、ドンピシャの記事があり、
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1347938473
「ぜん」のほうが正しく、「まえ」も使われることがあるという話です。
http://hiramatu-hifuka.com/onyakblog/?p=2816
というブログ記事も参考になります。「ぜん」のほうが正しいようですが「まえ」もかなり使われているとのことです。
 ネットを検索した結果では、現状では二つの読み方があり、どちらかというと「ぜん」のほうが正しそうだということでした。
 オーツは、「まえ」としか読んでこなかったので、別の読み方があることに気づいて驚いたわけです。
 自分なりに固定した読み方をしていると、新聞記事などを読んでもその読み方で読んでしまうので、「ゆれ」があることに気が付かないものです。まさか「ぜん」と「まえ」のゆれがあるとは、思ってもみませんでした。
posted by オーツ at 02:13| Comment(0) | TrackBack(0) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月27日

転売ヤー

 コンサートなどのチケットが高額で転売されている話が問題になっています。
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO10996120S6A221C1X11000/
(2016/12/26 6:30)
この記事の2ページ目に「転売ヤー」ということばが出てきます。転売行為をする人のことです。オーツは初めて知りました。「転売屋」とかけているのかもしれません。
 Wikipedia では「転売屋」という見出しがあり、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%A2%E5%A3%B2%E5%B1%8B
その記事の中に「転売師」というのも出てきます。そして、「インターネットスラング」の項に「同意語としてテンバイヤー(もしくは転売ヤー)というインターネットスラングがある。この語源は「転売」と「バイヤー」を掛け合わせた造語であり、転売厨”同様、多くは侮蔑的用法で用いられる。」と記載があります。
 「転売」と「バイヤー」をかけているという解釈はなるほどと思いました。
 Yahoo! で「転売ヤー」を検索すると、50万件ものヒットがあります。オーツの知らないところでこっそりと(?)こんなことばが流行しているのですね。
posted by オーツ at 04:34| Comment(0) | TrackBack(0) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする