2008年04月24日

朝間(あさま)と夕間(ゆうま)

 オーツが京王線の電車に乗ったときに気づいた掲示の話です。
 オーツが乗ったのは女性専用車両だったのですが、窓ガラスに大きく掲示が出ていて、女性専用車両になる時間帯が書かれていました。

 [朝間] 新宿・新線新宿に7時30分〜9時30分に到着する準特急・急行・通勤快速

とあります。オーツは「朝間」という言い方は初めて見ました。
 その下には「夕夜間」と書いてありました。「夜間」(やかん)は、ごく普通の単語ですが、「夕間」というのも見たことがありません。
 「明鏡国語辞典」を引くと、「朝間」(あさま)という見出しがあります。「〔やや古風な言い方で〕朝のうち。朝のあいだ。「─に小雨が降った」」という説明があります。
 検索エンジンで「朝間」を検索してみると、いくつか用例を拾うことができます。方言や古語を除いて示します。

・朝間ラッシュ時間帯のスピードアップと増発を中心に利便性をさらに向上
http://www.seibu-group.co.jp/railways/kouhou/news/2001/diakaise.html
・中部国際空港開港日(2/17)から、朝間時間帯における空港アクセス列車の車両数を増強して運行します
http://www.meitetsu.co.jp/ICSFiles/afieldfile/2006/07/21/050210.pdf
・平均運転間隔は、平日の朝間で4分、日中7分30秒、夕刻5分、土曜・休日の朝間で6分、日中・夕刻で7分30秒です。
http://www.tokyu.co.jp/contents_index/guide/news/000714_2.html
・平日ダイヤ朝間:2006/05/02(火)
http://kappo64.hp.infoseek.co.jp/syashinkan/sanyo-himeji/sanyo-himeji.htm
・1986年には朝間ラッシュ1時間帯すべての急行系列車15本(現在18本)を、1996年3月には、朝間ラッシュ2時間帯すべての急行系列車30本(現在33本)を10両編成運転としました。
http://www.keio.co.jp/group/traffic/capacity_for_transport/index.html

 ふと気が付くと、すべてが鉄道関係の用例です。「朝間」は鉄道関係者が使うジャーゴン(専門語・職業語)のようです。

 「夕間」はどうでしょうか。「明鏡国語辞典」にも見出しがありません。「学研国語大辞典」を始め、いくつかの国語辞典に「夕間暮れ」(ゆうまぐれ)が載っています。なるほど。「ゆうま」と読むのですね。
 検索エンジンで「夕間」を調べてみると、「夕間暮れ」や「夕間詰め」の用例ばかりで、単独用法を探すのに苦労します。
 考えてみると、「夕夜間」は何と読むのでしょうか。オーツは「ゆうやかん」だと思っていましたが、もしかすると、「ゆうよま」という読み方なのでしょうか。
 検索エンジンで「夕夜間」を検索すると、これまた鉄道関係のサイトがたくさんヒットします。「夕・夜間」という表記もたくさん見つかります。
 京王電鉄にお願いです。普通に使う一般語を使って掲示を出してください。
 ま、漢字だから意味がわかるので、誤読することはないと思いますが、……。

ラベル:朝間 夕間
posted by オーツ at 06:12| Comment(2) | TrackBack(0) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「朝間」「夜間」を検索してこちらのページを発見致しました。
私の出身地である岩手県は盛岡市周辺では、あさま、ひるま、よまを使っています。
主に中年〜老年の方が使いますが、私も使っていました。(私は現在二十台です)
鉄道関係の言葉とおっしゃっていますが、私は鉄道を利用していて「朝間」や、「夕間」を見たことはありません。
また、現在多くの地域で「昼間」のみが使われていることに違和感を覚えます。
「昼間」があるなら「朝間」「夜間」もあっていいと思います。
Posted by 岩手県滝沢村出身 at 2009年04月03日 15:11
岩手県滝沢村出身様
 コメント、ありがとうございました。
 なるほど、方言の可能性もありそうなので、日本国語大辞典第2版を引いてみました。。
 「あさま(朝間)」を引いてみると、15世紀以来の歴史的用例とともに、日本各地の方言集に記載があることがわかりました。東北地方に多いわけではなく、関西、中国、九州などにも広がっています。
 方言集に記載があるということは、方言集の編者にとっても、この語が共通語とは意識されなかったということで、東京近辺では使われず、地元で使われていたということでしょう。
 また、歴史的な用例もあるということで、一概に方言扱いすることもできません。
 由緒正しい日本語だったのに、いつの間にか廃れてしまい、一部の専門語や方言として現代に残っている状態のようです。

 一方、「よま(夜間)」を見ると、13世紀からの歴史的用例がある一方では、方言集の記載では東北地方だけが挙がっています。
 「よるま(夜間)」は空見出しで、「ようま」を見るようになっています。
 「ようま(夜間)」を見ると、「よま」の変化した語ということで、方言集の記載は全国的なものです。
 というわけで、手抜きをせずに、初めから日本国語大辞典を見ていればよかったのですね。

Posted by オーツ at 2009年04月03日 15:50
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック