「1冊の本」というコラム(?)に、2002.10 から 2003.11 まで書いたものを中心にまとめた本のようです。
著者はオーツと同年の生まれで、まあ、その意味で親近感が沸きますが、それにしてもすごい本です。
何がすごいか。
まあ、読んでみてください。驚天動地の世界が描かれる(かもしれない)と思います。
p.29 一部引用します。「大学生を対象にアンケートを取ると、女性が男性に求める最大の条件は「経済力」であり、男性が、容易には口にしないが本音のところで固執しているのは「美人」であることである。結婚とは「カネ」と「カオ」の交換であり、女性は自分の「カオ」を棚に上げて「カネ」を求め、男性は自分の「カネ」を棚に上げて「カオ」を求めている。」どうですか。生々しい現実の声です。(男女とも)ホンネでしょう。こういうホンネがちりばめられている本が本書です。
よくぞ、ここまでホンネが描けたと思います。オーツは読んでびっくりしました。
続いて、またまた驚きの事実が書かれます。pp.30-39 ですが、女性の結婚観は学歴によって違うというのです。オーツはこれを読んでひっくり返ってしまいました。え〜。そうだったのか。
ラディカルな恋愛論は、あちこちに顔を見せます。
pp.76-77 「「恋愛の鉄人」と周囲の誰もが認める人は、天からプレゼントが落ちてくるのを漫然と待っていたりしない。あらゆる場所で、あらゆる人を密かに観察し、意図的と思われないようなやり方で近づき、そして相手を「落とす」のである。そういう意味では、恋愛は強姦と似ていると言えなくもない。」
いやはや、こういう文章を女性が書くとは驚きです。それだけ、オーツの偏見が強いということなのでしょう。
p.163 「女性には四つの偏差値がある。」という言い方で始まります。それは、学力偏差値、ギャグ偏差値、容貌偏差値、実用偏差値だそうです。それぞれ、成績がいいか、ギャグが冴えているか、容貌が優れているか、上手に男を立てられるかだそうです。う〜ん。オーツはそんな見方をしていなかったので、これまた驚きました。
pp.179-182 今の若い人の結婚相手に求める3条件を書いてもらった結果だそうです。男性からは「金遣いが荒くなく、子供好きで、美人」だそうです。女性の書いたものも紹介されていますが、(オーツも男性ですので、男性の見方で見ますが)うーん、そんな人は周りにいないだろうと思わせます。
本書は、今の若い人の考え方、ものの見方を踏まえて書かれた本ですが、それだけに、日本の非婚化は現状にとどまらないし、少子高齢化もさらに進むでしょう。いやはや、大変な時代になったものです。
オーツ自身は結婚してしまったので、どうでもいい話ですが、これから結婚する人には、こういうホンネを語った本を読んでみてほしいと思いました。
ともあれ、現実を直視する著者の鋭い目を感じました。ホンネをあけすけに語った本として、とても重要な本のように思いました。これから恋愛し、結婚する人に対して、送りたい本のように思います。(一読すると、いよいよ結婚の意欲をなくしてしまいますかね?)
ラベル:小倉千加子