2007年12月14日

踏切の看板

 オーツの勤務先の近くの踏切に、次のような看板が出ています。(警察署と鉄道会社の連名です。)
  危険です。
  警報機がなりはじめてから、またはしゃだんきのしまっているあいだは
  踏切内には絶対にはいらないでください

 印刷されたもののようですので、たぶん、多数の踏切に同じものが掲げられているのだろうと思います。
 しかし、どうにもこれは不自然な日本語です。
 どこが不自然かというと、「または」でつなげられている二つの部分が、対等の資格で並んでいないからです。
 一般に、「または」は対等な資格のものを並べて表現します。「リンゴまたはミカンが食べたい」というようなものです。対等でないと不自然になります。「来月から、または日差しの明るいうちはビールを飲まないことにしよう」というのはいかがですか。数学的な(論理学的な)考え方では、これで何もおかしいことはないのですが、日常の言語表現としてはやや不自然です。
 上に示した踏切の掲示も同様です。「警報機がなりはじめてから」と「しゃだんきのしまっているあいだは」が対等でないのです。
 自然な日本語にするとしたら、次のようなものになりましょうか。
 「警報機がなりはじめてから、しゃだんきのしまっているあいだは
  踏切内には絶対にはいらないでください」
 これは単に「または」を削除したものですが、もとの言い方よりは自然でしょう。ただし、こちらは「または」の意味がありませんので、二つの条件は「かつ」と解釈されます。
 そもそも遮断機が閉まっている間は警報機は鳴り続けるのですから、遮断機のことはまったく言う必要がありません。
 「警報機がなりはじめてから、なりおわるまで
  踏切内には絶対にはいらないでください」
とすれば、それで十分でしょう。これでは聴覚障害者には不適当だという場合は、
 「警報機がなりはじめてから、なりおわるまで
  (警報機が点滅しはじめてから、点滅しおわるまで)
  踏切内には絶対にはいらないでください」
とすれば(かなりめんどうな言い回しですが)いいだろうと思います。
 昔は「遮断機が閉まっている間は……」と言っていたように思いますが、その後、警報機が鳴ってから数秒後に遮断機が閉まる方式になったので、こんなめんどうな言い方が出てきたのだろうと思います。
posted by オーツ at 06:37| Comment(0) | TrackBack(0) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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