先日は、何とか勝たせていただいたのですが、実は、けっこう激しい攻め合いになり、かろうじて一手勝ちでした。
図は、35手目、上手が8一の桂を7三に跳ねたところです。
上手の7三の桂頭にはキズがあるので、ここが下手の仕掛けるチャンスだと思い、決行しました。
図から、▲4五歩、▽同桂、▲同桂、▽6四角、▲2五桂、▽4二角、▲3五歩、▽同歩、▲3三桂左成、▽同金、▲同桂成、▽同角、▲4五銀と進みました。
途中で下手が▲3五歩と突き捨てていますが、水匠5によれば、この突き捨てはしない方がよかったようです。
この局面では、金と桂の交換で下手が駒得しています。▲4五銀は、上手が▽同歩と取れば、▲3三角成と角がタダになりますから、▽同歩とは取れません。上手が何もしなければ、次に下手から▲4四銀と出て、角と銀の総交換が行われ、下手の飛車が上手陣に成り込めます。
この局面で、上手は▽3六歩と突き出してきました。上述の▲3五歩の突き捨てをとがめられた形です。
こういう歩は取るか否か、迷うものです。水匠5は、取らずに▲4四銀とするほうがよいと判断しています。しかし、▲4四銀、▽同銀、▲同角のときに、▽同角とはならず、▽4八歩、▲同飛、▽3七歩成、▲4五飛、▽5三桂と飛車を攻めてきます。オーツは、この順は下手がなかなか大変そうだと考えて、▲3六同銀と歩を払うことにしました。
以下、▽5五歩、▲7五歩、▽8三金、▲7四歩、▽同金、▲5五角、▽3七歩、▲同角、▽7五歩、▲6六歩、▽5四銀と進みました。
ここも手が広いところです。下手は3七の角が間接的に上手玉をにらんでいますが、上手は4三にいた銀を5四に移動させ、盤面左側方面の玉頭戦に参加させようとしています。
オーツは、敵玉に迫る順が見つけられませんでした。たとえば、▲5二金などと迫っても、▽7二玉で全然ダメです。しかたないので、上手の角を攻めることにしました。
図から、▲3四歩、▽1一角、▲2一金、▽7六桂、▲1一金、▽6八桂成、▲同金、▽7六桂、▲同銀、▽同歩、▲7五歩、▽同金、▲6七桂、▽6六金と進みました。こうして角を取る順が正解のようで、S先生から局後にこの手順をほめられました。下手の金1枚がそっぽにいってしまっても、上手としては角が取られる順がいやだったというわけです。
上手は金を6六まで進出させ、下手玉に迫っています。
この局面で、オーツは▲7四歩と打ちました。しかし、水匠5は、▲7四桂の王手銀取りのほうがずっとよい(評価値で 800 点以上高い)としています。ここは読めませんでした。以下、▽7二玉、▲6二桂成、▽同玉となったときに、次の下手の手が何なのか、わからなかったということです。水匠5は、▲4四飛と出て、▽4三金に飛車を切って上手玉に迫る順を示しますが、実戦ではとても踏み込める順ではないように思われます。
▲7四歩以下は、▽7七銀、▲同桂、▽同歩成、▲同金、▽同金、▲同玉、▽7六歩、▲6八玉、▽6六桂と進みました。
ここは思案のしどころです。上手の▽6六桂は詰めろになっています。ここで下手が上手玉を詰ますことができれば勝ちです。オーツは時間を使って詰みを読みました。そして、詰みがあると信じました。
図から、▲7三歩成、▽同銀、▲同角成、▽同玉、▲5一角、▽6二角、▲7四歩、▽同玉、▲7五歩と進みました。
ここで上手が投了しました。以下、▽6四玉、▲4二角成、▽7三玉、▲7四銀打、▽8二玉、▲8三金、▽7一玉、▲7二銀までの詰みです。
最後の▲7五歩では、▲7五銀とすると、▽8三玉と逃げられて上手玉が詰みません。しかし、王手を続けて、最後に7五に打った銀で▲6六銀と桂を取ることで、下手玉の詰めろが解消しますから、それでも下手が勝ちだったと思います。ですが、もちろん、詰みがあるときはスパッと詰ますべきです。
局後には、S先生が感想を述べてくださいましたが、悪い手がほとんどなく、下手の完勝譜だったとおっしゃってくださいました。オーツとしてはまことにうれしい勝利でした。

