2025年09月24日

終盤の寄せ合いのスピードで負ける

 オーツは江古田の道場で女流棋士のH先生の指導将棋に参加しました。いつも通りの飛車落ちで指導をお願いしました。

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 図は、77 手目、上手が3三のと金を金で取ったところです。この局面は、下手のオーツが勝勢の局面です。2枚の成桂が上手玉に迫っていて、もう少しで勝ちが見えるところです。
 この局面で、オーツの第一感は▲2五桂でした。上手が▽3二金と金を引けば、▲3三銀と上から押さえて勝勢です。上手は下手玉を攻めてくるでしょうが、下手玉はまだまだしっかりしているので、上手からの攻めはあまり気にする必要がありません。水匠5で解析すると、▽8六歩、▲同銀、▽5八馬、▲同金、▽6九銀、▲同玉、▽8九飛という攻め筋があると指摘がありました。しかし、以下、▲6八玉、▽8八飛成、▲7八銀打で受かっているようです。
 オーツは、もう1枚金駒がほしいと思いました。図の局面では6四に銀がいて、成桂で取れる形になっているではありませんか。しかも、銀を取れば金当たりですから、上手は▽同金と取るでしょう。だから、▲6四成桂、▽同金の2手を挟んでから▲2五桂とすればいいと思いました。
 そんなことを考えて、オーツは▲6四成桂としました。
 水匠5によれば、この局面で▲6四成桂とすると評価値が 1,705 点ですが、▲2五桂とすると 2,555 点になり、850 点ほどの差がつきます。つまり▲2五桂のほうがよかったということです。
 局後の感想戦で、オーツはいの一番にこの▲6四成桂が悪手だったといいました。▲2五桂があることをわかっていたのに指せなかった(もう少し余裕があると考えた)点を悔やみました。
 ▲6四成桂に対し、上手は▽同金などという悠長な手を指さず、▽5七歩と金頭に歩をたたいてきました。

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 このあたりからは終盤の寄せ合いです。どちらが早く相手玉にせまれるかが勝負です。
 オーツは、あまり深く考えずに▲同金と歩を取ったのですが、水匠5によれば、代わりにここで▲4一成桂があったとしています。▽同玉に▲6三角が王手金取りになります。▽3一玉と逃げても、▲5四角成が次の▲2一金からの詰めろになっています。こういうふうに駒得しながら詰めろをかけていくような手は勝ちに直結します。オーツはこのスジにまったく気がついていませんでした。
 ▲5七同金に対して、上手は▽4五桂と打ってきました。オーツは▲5八金と逃げたのですが、ここでも実は▲4一成桂からの攻めがありました。
 ▲5八金に対して、上手は▽5七歩と再度歩でたたいてきました。

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 厳しい歩のたたきです。
 オーツは、この局面で▲2五桂と打ったのですが、これが大悪手でした。ここで上手が(当然ですが)▽5八歩成とすると -1,933 点という評価値になります。つまり、▲2五桂の局面で上手が勝勢になっています。
 この局面では、感想戦でH先生から指摘されましたが、▲4八金として金を犠牲にする手がありました。これなら 2,108 点で下手が勝勢でした。上手が▽同馬と取った形が上手にとって若干悪く、下手玉に対する詰めろがかけにくい局面になるわけです。
 水匠5は、この局面で▲8八玉という手も示しています。こちらは評価値が 2,792 点で、▲4八金よりも 700 点近くいいということになります。なるほど、この手も、上手が次に▽5八歩成と取った形が詰めろになりにくいわけです。オーツはこんな手が全然浮かびませんでした。
 そして、オーツが一番意外に思ったことは、この局面で▲5四成桂と金を取る手です。水匠5の評価値が 4,347 点になって、これが下手のベストな手ということになります。これまたオーツがまったく考えてもみなかった手でした。なぜ▲5四成桂が成立するか。たとえば、上手が下手玉を攻める手として一番自然な▽5八歩成としたとしましょう。ところが、この手に対して、▲4一金、▽3二玉、▲4四桂、▽同金、▲3三銀、▽同玉、▲4四成桂、▽同玉、▲5五角、▽5三玉、▲6四銀、▽4三玉、▲4四金からの詰みがあったのです。この詰みが読めていなければ、▲5四成桂が成立するとはわかりません。この詰みの発見は、実戦ではかなりむずかしそうです。
 ということで、下手が▲5四成桂とすれば、上手は受けるしかありません。たとえば▽2二銀とか▽3二銀とかでしょうか。ここに銀を一枚使ってしまうと、上手の攻め駒が少なくなって、下手玉が攻めにくくなってしまい、下手には十分勝機があったことになります。
 本譜は、下手が▲2五桂、▽5八歩成、▲3三桂成と詰めろをかけたのですが、▽6八と以下、下手玉が即詰みに討ち取られてしまいました。
 ▲3三桂成とせずに、▲4一成桂、▽同玉、▲3三桂不成、▽3二玉、▲4一銀、▽3三玉、▲7七角とする手がありました。しかし、ここで▽6六銀とされて下手は勝てません。
 あとから水匠5で棋譜を調べてみると、H先生の強さがわかります。玉に迫るスピードが速いのです。終盤は相手玉に早く迫ることが重要ですが、最も早く迫る迫り方が勉強になります。こうしてオーツと攻め合いになったときにH先生が逆転勝ちを収めてしまうのです。オーツは、このあたりの相手玉への迫り方がわかっていないということです。
 将棋は終盤力が一番大事です。オーツもこのあたりを鍛えて、もう少し強くなりたいものです。
 今回も大変いい勉強になりました。
posted by オーツ at 03:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 将棋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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