2025年04月11日

将棋の勝敗は終盤戦で決まる(2)

 オーツは学士会将棋会でNさんと対局しました。平手でオーツが先手になりました。

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 図は、後手の飛車が先手の駒を取って7四に出てきたところです。
 次に後手からの▽7七歩成という厳しい攻めが見えています。それを防ぐために、オーツは▲7五歩と打ちました。後手が▽同飛と取れば、▲6四銀として、飛車にあてながら後手玉に迫る拠点が作れます。
 しかし、水匠5によれば、▲7五歩は悪手であって、ここは、▲6五銀、▽9四飛、▲7四歩と盤上の駒を活用して手がかりを作る攻めがよかったとのことです。
 ▲7五歩に対して、後手は▽8四飛と逃げました。しかし、ここでは代わりに▽3六桂という手がありました。先手が▲7四歩と飛車を取れば、▽8六角と打ち、先手が▲4三香成、▽同銀、▲4六歩と逃げ道をあけても、▽3七銀で先手玉が寄っています。
 ▽3六桂に対して、先手が▲7四歩と飛車を取らずに、▲3九金と打って受けるなら、後手は▽4八桂成、▲同玉、▽3六銀という攻めがありました。
 オーツは、後手の▽8四飛を見て、▲7四金と飛車にあてながら後手玉を包囲するようにしました。しかし、水匠5によれば、この手も悪手であり、▽同飛と切られて▽3六桂と打たれたら、先手玉が危なかったのでした。
 後手は、▲7四金に対して、▽9四飛と逃げました。
 ここでオーツは▲9五歩と打ちました。

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 ▲9五歩は、水匠5の判定でによれば実は悪手でした。後手から▽7四飛と飛車を切る手があったからです。▲同歩に▽3六桂と攻めて行けばよかったようです。上記と同じような変化になります。
 だから、この局面では、▲9五歩ではなくて▲7三銀と攻めるほうがよかったというわけです。
 ▲9五歩に対して、後手は▽8六角、▲4九玉、▽3六桂と攻めてきました。

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 この▽3六桂によって、形勢が大逆転し、後手の優勢から先手の勝勢になってしまいました。▽3六桂は大悪手だったわけです。
 水匠5によれば、同じ「▽3六桂」でも、先ほどまではそれが好手で、早くそうすればいいということだったのですが、この局面では逆に悪手で、そうしてはいけないということです。このあたりはオーツとしておもしろいと思いました。1手指して局面が変われば、好手/悪手の判断も変わってくるわけです。
 後手が▽3六桂とすると、先手は▲9四歩とタダで飛車を取ることができます。それはさすがに後手の損が大きくなります。だから、ここは、▽7四飛、▲同歩、▽3六桂とするべきでした。これなら金1枚が違ってきます。また、7四に先手の金がいると、後手玉が詰みやすい形になってしまいますが、金がいなくなると、しばらく後手玉が詰む形になりません。実はこちらの意味が大きかったのでした。
 オーツは、上の局面の▽3六桂に対して、▲9四歩と飛車を取りました。先手玉も怖い形をしていますが、すぐには詰みません。また、ここで飛車を取ると、次に3六の桂馬が質駒になっているので、これを取ることで、飛車と桂馬が持ち駒に加わり、これで後手玉に詰みが生じます。ここまで読み切って▲9四歩と飛車を取ったわけです。
 後日、水匠5で解析してみると、▲9四歩は正解の手でした。
 ▲9四歩に対して、後手は▽4八桂成としてきました。しかし、上述のように、桂馬を先手に渡すと、後手玉に詰みが生じます。だから、ここは攻めるのでなくて▽6三銀などと受けに回るほうがよかったようです。しかし、それでも▲3六龍と桂馬を取る手があり、▽同歩なら、▲6四桂、▽同銀、▲6三銀からの詰みがあります。ここで龍が取れないようでは後手に展望がないということになります。
 なお、ここは▽4八桂成ではなく、▽3七銀と駒を渡さずに詰めろをかける手が普通ですが、▲6三角、▽同金、▲同金、▽同玉、▲7四銀から後手玉は詰んでしまいます。オーツはこの即詰みが見えておらず、▽3七銀に▲3六龍とする手を読んでいました。これで後手玉が詰む形になり、先手玉への手がかりが消えてしまうので、先手の勝ちだという読みです。
 後手の▽4八桂成は、▲同玉と取るしかありません。ここで、後手は▽3六銀と打ってきました。

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 この▽3六銀が敗着になりました。以下、▲6四桂、▽5三玉、▲5二飛、▽同金、▲同桂成、▽同玉、▲6三銀で後手の投了となりました。
 ▽3六銀の代わりに、▽7三金打として粘る手がありました。しかし、▲6四桂、▽同金、▲同金、▽7三金打、▲同金、▽同金、▲7一飛として先手が勝ちそうです。

 この対局でも、終盤戦で詰みが読み切れるかどうかが勝敗を分けました。オーツは、持ち駒に何が増えると後手玉が詰むかを考えていました。桂馬が入手できると後手玉は一気に詰み筋に入ってしまいます。そして桂馬は3六にあって質駒になっています。オーツは、最後に龍を切って桂馬を入手すれば後手玉が詰むという勝ちのパターンをしっかり描くことができました。これに即して戦いを進めていったわけです。
 Nさんは、そのあたりが読み切れていなかったと思われます。この点が勝敗を左右したということです。
posted by オーツ at 04:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 将棋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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