2025年04月07日

静かな退職

 オーツは、日経新聞の記事で知りました。「「静かな退職」40〜44歳が最多5.6% 全社員の2倍に」という記事です。2025年3月21日 2:00 に書かれています。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC04AGR0U5A300C2000000/
 日経新聞が示した定義は以下の通りです。
▼静かな退職 新型コロナウイルス禍で世界に広がった「Quiet Quitting」の日本語訳。退職はしないが仕事に対する熱意を失っていて、与えられた以上のことはやらない状態を指す。

 ネット内を検索すると、もう少し詳しい記事が出てきました。以下の2本です。
・木村政美(2025.2.26) 40歳部長が絶句…やる気も人望もあった32歳プロジェクトリーダーが「静かな退職」を選んだワケ(現代ビジネス)
https://gendai.media/articles/-/147447
・木村政美(2025.2.26) やる気も人望もあった32歳プロジェクトリーダーはなぜ「静かな退職」を選んだのか?企業ができる対策とは(現代ビジネス)
https://gendai.media/articles/-/147449

 今、日本の会社の中で「静かな退職」を選ぶ人が増えているというわけです。日経新聞の記事によれば40代前半で 5.6% ということですから、決して働く人の多数派ではありませんが、若い人でもそういう状態になる人がいるということは、今後さらにじわりと増えてきそうだということになります。
 なぜこんなことになるのかといえば、それは日本社会、特に会社の中の仕組みがそうなっているからです。終身雇用・年功序列は、だいぶ崩れてきたとはいえ、まだまだ会社の中では強く残っていそうです。そのような仕組みの中で、がんばって成長していける人は、それはそれでいいのですが、中にはそうでない人もいるわけです。本人の能力の問題があるケースもあるでしょうが、必ずしもそれだけではなく、会社の運営方針とか、社長を初めとする役員たちの方針転換とか、さらには外部の日本社会の(さらには世界中の)変化によって、自分の働き方が会社の求めるものと違ってしまったケースもあるかと思います。
 そういう人たちは、退職してまったく別の道を進むのも一案ですが、現在の会社の仕組みからいうと、働いている個人が「静かな退職」という生き方を選ぶのも、それなりに有利なものであって、決して一概に否定できません。
 問題は、そういう個人の判断が積み重なって、たくさんの社員が「静かな退職」を選ぶと、会社全体の力(収益を上げながら成長していく力)が落ちてしまうというところにあります。そういう会社が日本社会の中で増えていくと、日本社会全体が沈没してしまうことになります。
 今までも「静かな退職」という生き方は存在していたと思います。その比率がだんだん増えるとともに、若い人までがそう考えるようになってきたことが問題なのです。
 ではどうするべきか。
 オーツが考えるに、この問題の解決はとても困難です。日本企業のあり方から派生している問題なので、簡単な処方箋はありません。「静かな退職」を選んだ人には実際に退職してもらうのが会社にとってのベストな選択なのでしょうが、その個人にとってはそれがベストな選択ではありません(だから静かな退職を選んだわけです)。そして、そういう個人を強制的に退職させる仕組みが日本社会にありません。この問題を解決するためには、円満な退職が可能なように、日本社会の仕組みを変える必要があるでしょう。それは大変むずかしいことです。特に、今までそういう仕組みで長年うまくやってきたと考えている人(年配の人であり、役員などの経営者層である)にとっては、その延長上で将来を考えますから、ドラスティックな変化を避け、今まで通りにやっていこうとするものです。それでは「静かな退職」はなくなりませんし、問題が解決することもありません。
 「静かな退職」ということばができることで、多くの人がそういう現状を認識し、日本社会が変わっていくきっかけになれば、数十年くらいのうちには解決するかもしれません。それまで日本社会が持つでしょうか。日本社会が変わるのが先か、沈没してしまうのが先か、オーツとしてはこの問題に大いに関心があります。
 まずは「静かな退職」という言い方が生まれたことを(日本にとって)好ましいことだと考えましょう。
posted by オーツ at 04:51| Comment(0) | TrackBack(0) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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