H先生には、以前の飛車落ちの対局で痛い目に遭っています。
2023.8.2 http://o-tsu.seesaa.net/article/500228532.html
油断のできない強敵です。
局面が進んで、以下の図のようになりました。
この局面では、角交換をして、下手の飛車が4四まで飛び出した手に対して、上手は4二にいた銀を▽4三銀と立ってきました。下手が飛車を下段に引いて逃げると、3二にいる「と金」が取られます。
そこで、オーツは決断の一手を指しました。▲4三同飛成と飛車を切ったのでした。そして、▽同銀、▲3一ととしました。飛車と金銀の2枚替えですから、この局面では下手が駒得したことになります。しかし、このあと、3一にいると金がどのように働くかが大事だと思いました。うまく働けば下手有利となりますが、働かないと、上手が飛車で下手玉を攻める展開になったりして、下手不利になると考えました。
以下、▽3九飛、▲4一と、▽7五歩、▲4二と、▽4四銀と進みました。
上手の7筋の歩が伸びて、下手の玉頭にせまってきています。3九の飛車と連動して、怖い局面です。
オーツは、早く上手玉にせまるにはどうしたらいいか、考えました。その結果、この局面で▲4一角と打ちました。上手は角と桂(と歩)の持ち駒なので、うまい受けがありません。そこで▽7六歩と攻め合ってきました。
オーツは、事前に上手玉にせまる順を読んでいましたので、予定通りの攻め方をしました。▲6一銀、▽7三玉、▲7二金、▽8四玉、▲6三角成です。
▽8四玉の代わりに▽7四玉と逃げれば、▲7五歩があります。
ここで上手は▽7七桂と打ってきました。これに対応すると、上手の攻めが厳しくなってきそうです。たとえば、▲7七同桂、▽同歩成、▲同金、▽8五桂というような攻め方で下手玉が危なくなってきますし、下手からねらいの▲8五金が打てなくなります。
というわけで、▽7七桂には対応せず、▲8五金、▽9三玉、▲6四馬としました。上手玉は詰めろです。▽7三歩がしっかりした受けですが、二歩で打てません。オーツは、これで何とか上手玉に食いついた手応えを感じました。
上手は、▽6九角、▲8八玉、▽8九桂成、▲同玉という順で桂馬を入手し、▽7三桂打と受けてきました。
これはなかなかしぶとい受けで、こういう手は上手らしい手だと思います。下手が間違えれば、▽8五桂と金を取って形勢が逆転します。
オーツは、▲7五馬、▽9二玉、▲9四金としました。これが詰めろになっているので、オーツが勝ちだろうと思います。以下、上手は▽8七角成と詰めろをかけてきましたが、▲8四桂、▽同歩、▲7四馬で上手投了となりました。明確な詰みですからやむを得ません。総手数は80手でした。
この将棋は、飛車切りから一貫して下手が攻める展開となりました。飛車を切る時点でだいたい想定していたとおりの順で攻めることができ、下手としては、ほぼ緩みなく寄せきったように思います。
対局後のH先生の講評でも、オーツの攻めについて、これでよかったというコメントをいただきました。
心地よい疲れを感じた一局でした。

