2021.3.10 http://o-tsu.seesaa.net/article/480415887.html
2020.8.26 http://o-tsu.seesaa.net/article/477040027.html
2020.10.27 http://o-tsu.seesaa.net/article/478132764.html
さて、先日、また変わったものを見つけてしまいました。
練馬区旭丘1-35-2 にあるアパートですが、壁の銘板を見ると、フランス語とカタカナが並んで書かれていました。
フランス語のほうは「Maison d'aimé」と書いてあります。最後の「e」の上にはアクサンテギュが付いています。そしてカタカナのほうは「メゾン・ド・エイム」と書いてあったのです。フランス語とカタカナが並んで書いてあれば、普通はそのカタカナがフランス語の読み方を表すものでしょう。しかし、これは違います。
これを見て、オーツはとても不思議に思いました。
フランス語で名前を付けるくらいなのだから、命名した人(おそらく所有者)はフランス語の知識があるのでしょう。それにしてはこのカタカナはフランス語を知らない人が書いたとしか思えません。それを堂々とカタカナで書いて掲示しているわけです。
第1に、「aimé」ですが、これは「エイム」とは読みません。カタカナで発音を示せば「エメ」が近いでしょうか。(厳密に言うと二つの「エ」は母音の広狭が違います。)フランス語としての発音は、以下がくわしいと思います。
https://fr.wiktionary.org/wiki/aim%C3%A9
この語は、「愛する」という意味の動詞 aimer(これもエメという発音ですが)の過去分詞の形です。これが形容詞(男性単数形)に転じて「愛されている」というような意味もあります。さらに、名詞の用法もあって、「愛されるもの」や「愛される人」くらいの意味でしょうか。Google の辞書では「愛」となっていますが、それでは「amour」と区別が付かなくなるので、あまりいい訳語ではないと思います。
「e」にアクサンテギュが付いていれば、それは「エ」と読むことを表しています。
第2に、「d'」ですが、これは「de」の省略された形です。意味は日本語の「の」、英語の「of」に相当します。「chemin de fer」(鉄の道→鉄道)とか「pomme de terre」(大地のリンゴ→じゃがいも)とかを大学1年生(50年前!)のときに習ったことを思い出しました。これが母音で始まる語の前に来ると「e」の母音が脱落して、つなげて発音されます。それを表すために「de」ではなく「d'」と書きます。
つまり、「Maison d'aimé」をフランス語として普通に読めば「メゾンデメ」となるわけです。
それが「メゾン・ド・エイム」と書いてあったのでした。そうですか。名前は自由に付けてかまわない性格のものですが、……。
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