2020年08月24日

救急車を呼んでください

 ある暑い日のことでした。お昼前で、日射しが強くなってきた時間帯でした。この日も猛暑日になるという予報が出ていました。オーツは自転車に乗って、とあるところに向かうところでした。
 オーツが交番のそばの交差点にさしかかったところ、進行方向の信号が赤になったので、交差点の手前で停車しました。すると、道路の端のところ(日陰になっていました)に一人の老女が座り込んでいました。オーツはその老女の存在に全然気がつかなかったのですが、オーツが信号待ちをしていると、その老女がオーツに話しかけてきたのです。「お忙しいところ、すみません。救急車を呼んでください。」
 見ると、老女はひたいに「冷えピタ」を貼っていて、手荷物を3〜4個持っています。
 ひどい病気だとしたら、救急車を呼ばなければなりませんが、見たところ、特に深刻そうには思えません。話を聞くと、「そこの交番に行って、救急車を呼んでもらおうと思ったんですが、交番に誰もいなくて、入口に鍵がかかっているんです。しかたなく、お巡りさんが戻ってくるまでここで待っているんです」という話です。
 オーツは、「どこが具合悪いんですか」と聞きました。老女は「心臓がドキドキして、涙がポロポロ出るんです」といいます。オーツは、その程度で救急車を呼ぶのはおかしいと思い、「見たところ、歩けるようだし、こうやって話もできるのだから、救急車を呼ぶよりも、自分でどこかの医者に行けばいいんじゃないですか」といいました。老女は「歩くのが大変で、座っていることしかできません」というので、オーツは「それならタクシーを呼んで、タクシーでどこかの病院に行くといいと思いますよ」といいました。
 こんな話をしている間に、信号が青になり、また赤になってしまいました。
 もしかすると、ホームレスの人かもしれないし、認知症をわずらっているのかもしれないと思いましたが、住所や年齢を聞くのもはばかられます。見た限り、熱中症とかの問題でもなさそうですし、オーツと普通に話をしているのですから、意識ははっきりしています。どう見ても、救急車を呼ぶレベルの緊急の話ではないと思いました。
 オーツは、自分で医者に行くように言い置いて、老女をそのままにして自転車をこぎ出しました。
 1時間後くらいでしょうか、帰りがけに同じところを通りましたが、そこには誰もいませんでした。
ラベル:救急車 医者
posted by オーツ at 05:00| Comment(0) | できごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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