オーツが読んだ本です。「逃げていく税金」という副題が付いています。
著者の志賀氏は、税務署長や大蔵省主税局国際租税課長、主計局主計官などを務めた人で、税金のプロです。そういう目でタックス・ヘイブンがどんなところか、描いています。とはいえ、常識と異なり、タックス・ヘイブンは「税金が安い場所」ではなく、マネーロンダリングのために使われる場所なのだそうです。税金をめぐる攻防が展開されるのかと思っていたら、肩すかしを食らった気分です。
目次は以下の通りです。
第1章 タックス・ヘイブンとは何か
第2章 逃げる富裕層
第3章 逃がす企業
第4章 黒い資金の洗浄装置
第5章 連続して襲来する金融危機
第6章 対抗策の模索
終章 税金は誰のためのものか
第2章から第3章では、税金をめぐるさまざまな訴訟などを取り上げ、どういう点が争点になり、最終的にどういう結果になったかが書かれます。オーツが過去に聞いたことのある事件も出てきます。このあたりはタックス・ヘイブンに直接関連する話題だと思ったのですが、第4章くらいから、マフィアなどの表に出てこない組織が扱う犯罪資金の話になります。オーツとはまったく縁のない話が続きますので、このあたりでだいぶ読む気がなくなってきました。
この本はどういう人向けに書かれたのでしょうか。
著者は国際的な税制にくわしい人なので、何かもう少し一般人の興味を引く話ができそうにも思いますが、ヒミツの話(つまり本には書けないような話)が多いのでしょうか、何か中途半端な記述になっているように思いました。
2019年09月27日
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