2019年08月10日

日本人の名前の順番

 オーツは日経新聞で読みました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48119480S9A800C1SHA000/
日本人なら「姓→名」? ローマ字表記見直し進むか 自治体に変更の動き 企業は様子見ムード
(2019/8/3 11:27)

 日本人の名前をローマ字で表記するとき、日本式の「姓→名」順にするという文科省の推奨の通知がなかなか広がらないという趣旨の記事です。
 オーツは、「姓→名」の順がいいと思っていますが、日経新聞の記事を読んでも、この点について、掘り下げられておらず、どうにもよくわかりません。

 第1の問題は、言語と表記の混同があります。
 仮に山田太郎(Yamada Taro)さんという日本人がいたとしましょう。
 英語で名前を言う場合は、今まで「My name is Taro Yamada.」のような言い方をしてきたわけですが、今後は「My name is Yamada Taro.」のようにいおうということでいいと思います。
 一方、「ローマ字表記」というのは、日本語をローマ字で書くものであり、これは、今までも「Watasi no namae wa Yamada Taro desu.」としてきました。
 したがって、この両者は区別するべきであり、前者だけの問題なのだときちんと説明するべきです。
 上記の記事の見出し「ローマ字表記見直し進むか」はミスリーディングです。
 英語の書き言葉に関しては YAMADA Taro とか、Yamada, Taro とかの表記も使われる可能性があり、書き言葉の場合は「姓→名」という順序だけの問題ではない側面があります。

 第2の問題は、英米人の名前の日本語表記をどうするのかということです。こちらはあまり論じられませんが、オーツは大事な問題だと考えています。
 仮に Jack Smith さんというアメリカ人がいたとしましょう。英語で名前をいう場合は、「My name is Jack Smith.」といいます。この場合、「My name is Smith Jack.」は変ですし、「SMITH Jack」とか、「Smith, Jack」とかも変だと思います。英語の世界の習慣をそのまま続けるのが常識だと思います。
 さて、この人の名前を日本語で表記するときはどうするべきでしょうか。今までだと「彼の名前はジャック・スミスさんです。」のように書いてきたと思います。英語の「姓→名」の順番を守ったまま、カタカナで表記してきたわけです。このように、自分の言語での順番を他言語でもそのままにするというなら、日本人の名前を英語で「姓→名」の順にするのは当然のことになります。
 もしも、「My name is Taro Yamada.」というのであれば、アメリカ人の名前を日本語で表記するときに「彼の名前はスミス・ジャックさんです。」とするべきだったのです。自国と外国の関係は相互に同じ原則で扱うべきだとすれば、当然、こうあるべきでした。

 もっとも、話はそう簡単ではありません。日本語の文脈で、英語式のアルファベットで名前を書くときも「彼の名前は Smith Jack さんです。」とするべきなのかという問題が起こります。これが面倒だったこともあって、英米人の名前は日本語でも原語の順序で書くことになり、日本が妥協してきたのではないでしょうか。
 ちなみに、中国人、韓国人が英語でどう名乗っているかも参考になります。毛沢東は「Mao Tse-tung」ないし「Mao Zedong」としてきたようですし、文在寅は「Moon Jae-in」です。自国式を英語の場合でも貫いています。
 であれば、日本も自国式を英語の文脈でも貫くのがよさそうです。
 他の国でどうなっているのか、よくわかりません。姓をあまり使わないタイのような国もあったりしますし、世界の少数民族の中には「姓」という概念がない場合があっても不思議ではありません。(オーツは具体的な部族名を知りませんが。)
 いろいろな事情を考えると、どの言語を使おうとも、本人の主張する名前をなるべくそのまま使うようにするほうがいいのではないかと思います。
 日本人の場合も、英語の文脈であろうと何語の文脈であろうと、自国式の言い方(の順序)をそのまま使うのが最も自然だと思います。
 このようなやり方にする場合、英米人と日本人が一つのリストに並ぶときに、どのような順番に並べるかという問題が起こります。一般に、姓の abc 順に並べるものですが、国によってどちらが姓かが変わってきますので、表記も含めて、こういうときの順番付けについては別途考慮する必要が出てきます。
posted by オーツ at 04:32| Comment(0) | ニュース時評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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