2019年04月24日

江崎道朗(2018.8.30)『日本占領と「敗戦革命」の危機』(PHP新書)PHP研究所

 オーツが読んだ本です。
 戦後直後の知られざる歴史を語ったものとして興味深く読みました。
 ヴェノナ文書という、1995年に公開された文書があります。それは、第2次世界大戦前から戦中にかけて在米のソ連スパイとソ連本国の秘密通信を傍受し解読したものです。50年経ったので、公開されたのでしょう。これによって、当時の世界情勢、特にソ連がどう動いていたかがくわしくわかるようになってきました。
 その中で一番重要だったことは、日本が終戦を迎えるに当たって、ソ連は「敗戦革命」をねらっていたということです。東ヨーロッパで起こった政変と同様に、敗戦のタイミングで日本を共産主義体制にしてしまおうという目論見でした。実際に、日本共産党はその方向で動いています。野坂参三が中国から帰国し、敗戦革命を実行に移そうとしています。日本を支配下に置いていたGHQの中に、大量のソ連・コミンテルンの工作員が潜り込んでおり、彼らもまたその方向に動きました。何と、日本は共産国になっていたかもしれないのです。
 それを押しとどめたのが昭和天皇と吉田茂などの保守自由主義者だったということです。
 まさに驚きの昭和史です。
 オーツはこんな大事な問題があったことをまったく知りませんでした。
 本書の記述はとてもくわしく、戦前から戦後にかけての世界各国の思惑、その中で日本がどう判断したのかが記述されています。日本の戦後史を知るための貴重な一冊のように思いました。
 目次を以下に示します。どんな内容が書かれているのか、概要がわかると思います。

序 章 「敗戦で平和になった」という誤解
第一章 ルーズヴェルト民主党政権下での対日「敗戦革命」計画
第二章 中国共産党による対日心理戦争
第三章 戦時下での米中結託と野坂参三
第四章 近衛上奏文と徹底抗戦の謎
第五章 停戦交渉から逃げ回ったエリートと重光葵の奮戦
第六章 占領政策という名の日本解体工作
第七章 GHQと日本共産党の蜜月
第八章 昭和天皇の反撃
第九章 仕組まれた経済的窮乏
第十章 敗戦革命を阻止した保守自由主義者たち

 本文が500ページを越える量になります。新書とはいえかなりのボリュームがあります。しかし、内容がおもしろいので読んでしまえると思います。

参考記事:
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/52019024.html


posted by オーツ at 05:06| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。