2019年04月04日

1日に3.5時間以上のテレビ視聴で6年後に記憶力低下?英国の調査から

 オーツは DIAMOND ONLINE で読みました。
「1日に3.5時間以上のテレビ視聴で6年後に記憶力低下?英国の調査から」
https://diamond.jp/articles/-/198628
(2019.4.3)
というもので、医学ライターの井手ゆきえ氏の執筆したものです。
 原論文の出典が書かれていないので、上記の記事を一読しただけでこのブログ記事を書いています。
 オーツは、こういう結果を示されても「本当かなあ」と疑問に思います。
 英国ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の研究者らがこの点に注目。2002年から始まった50歳以上の男女を対象としたパネル調査「ELSA」から3662人分のデータを抽出。08〜09年のテレビ視聴時間と6年後の記憶力との関係を調べた。解析対象者の平均年齢は67.1歳、男性が43.7%で、7割以上が既婚者だった。

 こういうあたりを見ると、まともな調査が行われたように思います。
 テレビ視聴時間で調査対象者を5分割し、(1)1日2.5時間未満、(2)2.5〜3.5時間、(3)3.5〜4.5時間、(4)4.5〜7時間、(5)7時間以上 に分けます。
 それぞれの調査対象者に対する調査内容は、以下のようなものです。
 対象者は登録時と6年後に10個の単語を記憶し、他の課題に取り組んだ後にできるだけ思い出す「言葉の記憶力」テスト、1分間にできるだけ動物の名前をあげる「意味流ちょう性」テストを受検。身体の健康や座位時間などの影響を調整して、テスト結果とテレビ視聴時間との関係を解析した。
 その結果、1日3.5時間以上のテレビ視聴で、言葉の記憶力が明らかに低下することが示された。一方、意味流ちょう性への影響は認められなかった。

 つまり、テレビ視聴時間の5区分で見ると、記憶力の低下の程度が違っていたということのようです。
 オーツが疑問に思うことは、以下のようなことです。
 こういう記憶力の調査の結果は、年齢差が大きく出るものです。調査対象者は、50歳以上で上限はないようですが、平均 67.1 歳です(おそらく2002年時点でしょう)から、相当な高齢者が含まれるようです。一般に、高齢になれば記憶力は低下するでしょう。
 テレビ視聴時間についても年齢差が大きいと思います。50代ならば働いている人も多数含まれるでしょうから、テレビを長く見ていることもむずかしいでしょう。70代くらいになれば、時間の余裕がある人も多く、テレビの視聴時間も長くなるでしょう。
 そこで、テレビ視聴時間で調査対象者を5分割すると、テレビ視聴時間が短い層には若い人が多数含まれ、テレビ視聴時間が長い層には非常な高齢者が多数含まれることになります。
 6年後に記憶力の調査を実施すると、このような年齢差の影響で、テレビ視聴時間が長い人は記憶力が低下するように見えるというわけです。
 ただし、これはオーツの単なる憶測に過ぎません。
 上記の記事では短すぎてこのあたりがまったくわかりません。
 オーツの疑問を解決することは、原データが使えれば、実は簡単です。記憶力と年齢の関係、テレビ視聴時間と年齢の関係を調べることが最初に行うべきことです。次に、テレビ視聴時間と記憶力の二重クロス集計をするのではなくて、それに年齢層を加えた三重クロス集計をすればいいのです。
 オーツの憶測では、原論文でもこのような三重クロス集計をしていないだろうと思います。
 クロス表で二つの項目に相関関係があることが確認できても、このように隠れた第3の要因が2項目に影響している場合があります。
 オーツの憶測が間違いであることを祈っています。

 以前にもこのブログ記事と似たようなことを書いたなあと思って調べてみると、次の記事がありました。
2018.11.13 http://o-tsu.seesaa.net/article/462695454.html
posted by オーツ at 04:49| Comment(0) | ニュース時評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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