https://www.ntj.jac.go.jp/kokuritsu/h31/bunraku_2.html
10:30 開場、11:00-11:48 と 12:13-13:48 が上演時間でした。
話はなかなか「濃い」ものでした。上記のサイトの解説には以下のようにあります。
桂川の川岸で中年男性と少女の遺体が発見された事件を脚色し、分別ある年齢の男性と少女の恋を軸に、貞節な女房、家内を自由にする後妻親子、滑稽な隣家の丁稚とのやりとりなどが盛り込まれた世話物の代表作です。
最後は二人の入水自殺に至るわけですが、ストーリーとしてはちょっと無理があるように思います。しかし、作り話として見れば、それなりにおもしろく聞いていられますので、よくできているといえるかもしれません。
オーツの席は15列目ということで、かなり後ろ寄りでした。人形の細かい動きなどはよく見えませんでしたが、まあそれよりも舞台の全体がひと目で見渡せることをよしと考えましょう。
イヤホンガイドを借りましたが、こういうのがなくても十分楽しめるように思います。
舞台の左右の電光掲示板に字幕が出るようになっており、これがなかなかのスグレモノでした。浄瑠璃のことばを聞いていても、変なところで伸ばしたりするので意味がつかみにくいのですが、字幕は漢字付きですから、読めば意味がわかるわけです。字幕の操作は人手で行っているのでしょうが、タイミングが大変よく、観客の理解を大いに助けてくれます。
太夫の語りがすごく感情がこもっていて、(ある意味では誇張されすぎていて)わかりやすかったように思いました。一人で声を使い分けながら複数の登場人物をそれぞれ演じていくところなどは見事でした。
セリフは昔のままですが、言葉遣いというか、喜怒哀楽の表現などは一部現代的に脚色されているのでしょう。そういうのもわかりやすさ(受けの良さ)につながるように思います。
6,000 円というのは安いと思いました。
文楽の終了後、伝統芸能情報館3階レクチャー室で村尾愉氏による解説「人形・首(かしら)、よもやま話」がありました。こちらは関係者しか聞けないものでした。50分ほどいろいろな裏話が聞けておもしろかったです。村尾氏がかしらを何十体も持参してきていて、その仕組みなどを具体的に解説してくれました。目や眉毛が動くからくりについても、かしらの中を見せてもらえました。よく考えられています。結ってある女性の日本髪が、1本のかんざしを引き抜くとばらりとほどけるようになっているところなども見せてもらえました。
かしらはずいぶん長く使い続けられるようです。中には100年、150年と使い続けられるものもあるということで、驚きました。修理しながら使っているのですね。
とてもいい経験でした。