オーツが読んだ本です。
256ページの本文に8ページの索引がついています。
記述の中心テーマは戦後の日本が国の形をどのようなものとしてきたかを示すことです。それを丸山真男がいろいろ書いた論説文から読み解いていきます。丸山真男は戦後の日本に大きな影響を与えた政治思想家です。東大法学部教授という研究者であるとともに、1950年代まで日本の論壇をリードしてきた人物でもあります。本書は、丸山の著作物を読み解きながら当時の日本がどのような政治状況にあったのかを述べていきます。
丸山真男の著作を解説しながら、池田氏が戦後の日本を(さらにはそれとの対比で戦前の日本を)どう見ているかが語られます。丸山の考え方は時代(年齢?)とともに変遷している面があります。しかし、それと対比すれば、現在時点での池田氏の「見方」はぶれていないので、一貫していてわかりやすいように思います。
憲法をどう考えるか、日米安保条約はどんな性格を持っているかなど、日本に住むものとして心得ておくべき内容が語られますので、特に若い人には有意義な1冊と言えます。
大日本帝国憲法が定める国のあり方(天皇主権)を基準にすると、日本国憲法はそこに定められた改正手続きに基づいて作られたものでないことが明らかです。国民主権はどこから出てきたのでしょうか。1945.8.15 の時点で「革命」があったのでしょうか。この問題をどう考えるかというのも、わかっているようで実はわかっていないものであり、なかなかむずかしいものです。
本書は、けっこう長くて詳しいので、オーツは1冊読み終わるまで、ちょっと飽きてきたような気がしています。全体として固い本なので、読み通すのはそれなりの努力が必要です。
こんなにページ数をとって戦後の日本を解説しなくても、30ページくらいで手短かにまとめてくれた方が、いろいろな人が簡単に読めて便利なのではないかと感じました。まあ、こういうテーマに興味がない人は30ページに圧縮してもどうせ読まないでしょうが、……。
参考記事:http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/52016627.html
2019年01月26日
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