2018年12月04日

楠木新(2017.4.19)『定年後』(中公新書)中央公論新社

 オーツが読んだ本です。「50歳からの生き方、終わり方」という副題が付いています。
 オーツも「定年」を迎えたので、自分の生き方・暮らし方をふり返る意味で読んでみたいと思いました。
 しかし、本書を一読したところ、あまりおもしろいところはなかったように思いました。
 著者はいろいろな定年後生活者にインタビューしています。それはそれで一つの(形の定まらない)データでしょうが、その結果何がわかったかというと、「人それぞれ」ではないかと思います。本書中で取り上げられた人々の中で同様の意見が語られることはありますが、オーツの場合に当てはまるかと考えてみればそんなことはないと感じるわけです。つまり、それは「人それぞれ」ということであり、これを言い換えると、定年後の自分のあり方は自分で考えるしかないということになります。こんなことは、本書を読む前から明らかなことであり、それはつまり本書を読んでも得られることは多くなかったということになります。こういう本を読むことに意味があまりないということは、「定年後セミナー」のようなものに参加することも同様に意味がないということになります。まあオーツの周りではそんなものは開催されていませんが。
 本書は7章構成ですが、章立ては便宜的なものであり、それぞれで別のことを論じているというよりは、一つのことを見る角度を変えて記述したということになるのかもしれません。この構成にしたこと自体がちょっと不思議です。各章の記述の重なりも気になりました。
 もしも定年後が「人さまざま」だとすれば、定年後に関する本を書くとどうなるでしょうか。新聞記事の連載のように、毎回、異なる人にスポットを当てながら、この人の場合はどうだ、こちらの人ではどうだと書いていくしかなくなります。全体がバラバラになり、全体を貫く一貫性のようなものが見えにくくなります。
 本書はそんな面がありそうに感じました。
 では、どうするべきだったか。
 オーツは、まず定年後の人生を送る人々が全体として(平均として)どんな生活をしているのか、その全体像を描くべきだろうと思います。そのための意識調査(世論調査)などは多数存在しますから、そういうものを組み合わせながら定年後の人々を描くことが必要なのではないでしょうか。著者がインタビューした(関西の)人々と異なる全国の人々の実態が浮かび上がってくるように思います。そういう記述であれば、オーツの経験が全国平均なのか、それとも異常なのかなどが見えてくるように思います。
 定年後生活者の居住地が都市部か地方かによって、定年後に関する考え方が大きく異なります。関西と関東でも違います。そのあたりの実態を踏まえないと、定年後の世界はあまりに多様で記述できないし、記述しても当てはまらないと感じる人が多数いるということになるのではないでしょうか。
 本書は、そんなわけで、オーツにはあまり役に立たなかったように思いました。

参考記事:
https://diamond.jp/articles/-/145209


posted by オーツ at 02:12| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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