2018年11月05日

橘玲(2018.6.13)『朝日ぎらい』(朝日新書)朝日新聞出版

 オーツが読んだ本です。「よりよい世界のためのリベラル進化論」という副題が付いています。
 「朝日ぎらい」というタイトルは、井上章一(2015.9)『京都ぎらい』
2017.1.21 http://o-tsu.seesaa.net/article/446148345.html
から付けたそうですが、オーツはタイトルに騙されて読んでしまいました。
 朝日新聞が嫌いな人がたくさんいます。何かというと朝日新聞をたたくわけですが、この本もそういう趣旨であろうと思ったわけです。
 ところが、読んでみたら内容は全然違っていました。むしろ、副題のほうが本書の内容をよく表しているといえます。
 本書はリベラルと保守がどんな考え方をしているかを世界的な視野で描いたものです。
 一番わかりにくかった点は、リベラルとは何か、保守とは何かが最初に明示されるわけではないということでした。いろいろリベラルについて議論していくわけですが、一体何のことを(誰のことを)いっているのか、わかりにくいところがありました。
 p.121 になって、リベラルの三つの定義が出てきます。
 こういう「定義」は、仮にわかりにくいとしても、最初にまず提示しておき、p.121 になってからきちんと定義するという論述のほうがいいのではないでしょうか。
 読み進めていくと、たくさんの参考文献が注の形で登場してきます。つまり、一見単純に見える主張の裏には、著者が読んだ膨大な文献の山が隠されているというわけです。こういう論述スタイルは(単に著者が思いついたことを述べているわけではないという意味で)信頼できるように感じます。もっとも、著者の挙げている文献を全部読もうとすると、それはそれで大変なことになりそうで、ほとんどの人にとっては、限りなく不可能に近いことでしょう。
 本書は、今後の政治の方向性、それに関わる考え方(どう考えたらいいか)などをめぐって、基礎的な事実を積み上げた論考といったところでしょう。これを読んで、目からウロコが落ちるわけではありませんが、さまざまな問題を考える上で参考になると思います。

 目次は以下の通りです。

PART1 「リベラル」と「保守」が逆転する不思議の国
1 安倍政権はリベラル
2 リベラル化する世界
PART2 アイデンティティという病
3 「ネトウヨ」とは誰のことか
4 正義依存症と愛国原理主義
PART3 リバタニアとドメスティックス
5 グローバルスタンダードの「リベラル」
6 「保守」はなぜ「リベラル」に勝つのか?
PART4 「リベラル」と「保守」の進化論
7 きれいごとはなぜうさん臭いのか?
8 リベラルはなぜ金持ちなのか?
エピローグ サイバー空間のイデオロギー戦争

参考記事:
https://www.tachibana-akira.com/2018/06/11067


posted by オーツ at 04:32| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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