2018年04月18日

篠田英朗(2017.7.10)『ほんとうの憲法』(ちくま新書 1267)筑摩書房

 オーツが読んだ本です。「戦後日本憲法学批判」という副題が付いています。
 本書は二つの部分からなります。T「ほんとうの憲法の姿」が86ページ、U「抵抗の憲法学を問いなおす」が127ページです。後半のほうが長い形です。
 憲法がどのようなものであるかを論じたのが前半であり、オーツはここのところに興味があったので、本書を読もうと思ったのですが、その部分は本書の半分以下でした。後半は、憲法学(憲法をどんなものと考えるかという研究分野)の学史を解説したようなもので、憲法そのものの議論とはだいぶずれます。まあ、そのような憲法学史があったことを踏まえて憲法の読み解き方が確立されてくると考えれば、無関係ではないのですが、オーツとしては後半はあまりおもしろく感じませんでした。
 前半は二つの章から構成されます。
 第1章「日本国憲法をめぐる誤解を解く」では、立憲主義がどういう考え方であるのかを述べ、9条を中心に戦後平和構築政策との関連を解説しています。国際法や英米法思想の系譜として(ドイツ流の大日本帝国憲法でなく)日本国憲法を見ようとしています。
 第2章「日米関係から憲法史を捉えなおす」では、アメリカが戦前から戦後にかけてどういう考え方をしてきたのか、それと日本国憲法の制定がどう関わったかを述べます。
 いずれも、憲法を理解する上で大事なことが書かれていると思います。
 後半は、それに比べると、かなり細かい記述があり、読むのに難儀しました。憲法そのものの話ではなく、「憲法学」の話だからです。
 第3章「押しつけ憲法論への抵抗――歴史の物語を取り繕う憲法学」は今の憲法に対する憲法学の中の意見の対立を描きます。8.15 の「八月革命」という考え方や「国体」をどうとらえるべきかといった話題を扱います。
 第4章「国際化への抵抗――国際法と敵対する憲法学」は、国際法、自衛隊などと憲法の関係を論じます。
 第5章「英米法への抵抗――幻の統治権に拠って立つ憲法学」は、統治権や国民主権などと憲法の関係を論じます。
 全体として、憲法に関する知識が深まりますので、いい本だと思いますが、オーツが期待したのは前半のような議論であり、後半を読み進めるのは少し苦行でした。

参考記事:
http://agora-web.jp/archives/2027030.html
http://agora-web.jp/archives/2027868.html


ラベル:篠田英朗 憲法
posted by オーツ at 04:41| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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