2018年02月11日

博士を取っても大学教員になれない「無職博士」の大量生産

 オーツはニューズウィーク日本版で大学院関連の記事を読みました。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/01/post-9390_1.php
 教育社会学者の舞田敏彦氏の記事で「博士を取っても大学教員になれない「無職博士」の大量生産」(2018年1月25日(木)16時00分)というものです。
 記事中では、「90年代以降の大学院重点化政策により、博士課程修了者は激増している。1990年では5812人だったが、2017年では1万5658人に膨れ上がっている。」ということで、博士課程を終えた人(博士号取得者)が近年増えていることを述べ、しかし一方で大学教員のポストは増えていない(それどころか少子化のためもあって減っている)ので、大学教員の需要はこの50年間で右肩下がり、今や博士14人に1人しか教員のポストはないとのことです。博士号を取っても大学教員になれないということです。
 大変な事態になっています。
 その結果どうなったか。2003年から2017年にかけて、大学院博士課程入学者数が激減しています。人文科学・社会科学が特にひどいことになっています。博士課程入学者が減るのは理解できます。諸先輩たちの苦労を目の当たりにすれば、若い人(学生、大学卒業者)の大学院進学意欲は萎えてしまうのも理解できます。
 最近は、若い人が博士課程に進学しないことを補うかのように、中高年層の博士課程入学者が増え始めています。
 大学院は、きわめて厳しい事態になっているわけです。
 なぜこうなったかを考えてみると、やはり、文部科学省の大学院重点化政策の間違いではないかと思われます。大学院の定員を大幅に増やしたわけですが、そのこと自体が問題だったのではないでしょうか。
 とはいえ、今から単に昔に戻ることはできない相談です。では、今後それぞれの大学院をどうするのか、問題は継続していくことになりそうです。

 この記事の冒頭で、東洋経済の記事が参照されています。
http://toyokeizai.net/articles/-/203378
(2018年01月12日)
ジャーナリストの藤田和恵氏が執筆した「52歳大学非常勤講師「年収200万円」の不条理──正規の「専任教員」との給与格差は5倍だ」というものですが、正規の大学専任教員につけなかった人の例が記されています。非常勤講師は、大学教員になれない場合の一つの道ですが、こういう具体例はよく知られるようになってきたと思います。これは、単なる大学政策の問題ではなく、個人の進路選択の問題も絡むので、話が複雑になりますが、大学院の問題がこういう現実を生んでいる面も否定できないでしょう。
 こちらの記事につけられたたくさんのコメントを読むのもおもしろいと思いました。世間の(つまり大学外の)人々の意見を知ることができます。
posted by オーツ at 04:58| Comment(0) | ニュース時評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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