2017年08月23日

中国・北京の共用自転車

 オーツは、宋文洲さんの論長論短 No.301「自転車泥棒が居なくなった理由」を読みました。
 メールマガジン 2017.8.18(第333号)の記事です。
http://www.soubunshu.com/article/452762378.html
 ちょっと長いですが、以下に一部を引用します。
ここ最近の北京の変化をいくつか紹介します。

一番の変化は道沿いに置かれている共用自転車の量です。過当競争で歩道が
塞がれることがしばしばあります。携帯で二次元バーコードをスキャンすると
鍵がガチャと開きます。目的地に着いたら適当な場所に停め、鍵をかければ
もう終了です。1元前後(16円)の料金は携帯の電子財布から自動的に引かれます。

マンションの玄関を出るとすぐ共用自転車が見付かり、目的地の玄関前まで
乗れることを考えると、2、3駅の距離ならば共用自転車が一番早いのです。
車や地下鉄のように乗るまでの時間と降りてからの時間がないからです。

行き先が遠い場合、地下鉄が利用しやすくなりました。これまでは地下鉄を
降りてから目的の建物が遠い場合、ついつい最初からタクシーや自家用車を
使ってしまったのですが、駅にある共用自転車を使えば逆にちょうど良い距離です。
そのため、北京市内は目にみえて渋滞が軽減され、空気の質も良くなりました。

昔から見慣れていた自転車ではありますが、「私は故障車です。5メートル先に
仲間がいます。」と自転車に言われた時はショックを受けました。これは自転車
ではなく、自転車機能が付いているスマート端末だと思いました。このサービスを
提供している企業はリアルタイムですべての自転車端末の位置と状態を把握し、
専用車で故障車の回収や不法放置の整理をやっているのです。

これはスマートシステムが如何に人々のライフスタイル、公共交通の在り方、
そして環境や社会に影響を与えるかの典型的事例です。友人から聞きましたが、
この頃自転車泥棒が居なくなったそうです。人々は自転車を所有する必要が
なくなったため、自転車を盗んでも売れないからだそうです。そしてマイナス
効果として上述の道が塞がれて邪魔である他、自転車の販売屋さんや修理屋さんが
潰れていくのです。

 共用自転車とは、いかにもはやりそうなサービスですが、さて、こんなシステムが実用的に運用できるのでしょうか。
 オーツが一番驚きかつ心配したのは、1回16円の利用料金の安さです。普通の自転車に GPS 付きの端末をのせて、一体いくらくらいかかるのでしょうか。日本の感覚では2万円くらいではないかと思います。中国ではもっと安くて、1万円くらいでしょうか。自転車が何年持つかと考えると、おそらく5年くらいでしょう。
 1万円の自転車が5年持つと考えると、原価として1年で2千円かかります。これに自転車のメンテナンスの代金、企業としての儲けを考えると、売り上げが1年3千円〜4千円くらいないとやっていけないように思います。1日1回乗ってもらえれば16円ですから、1年で365倍、つまり 5,840 円ということで、それくらいの売り上げになりそうです。こんなことを考えると、このビジネスはありのように思います。
 もっとも、自転車は、何十台、何百台も用意しないといけませんから、初期投資はかなりの金額になりそうです。また、過当競争になれば、自転車の利用率が落ち、もうけが出なくなります。さらに、本文で宋さんが述べているように、道が塞がれる問題や、不法放置の問題など、いろいろな苦労があるでしょう。駅前の放置自転車の問題は、日本の少し前の大問題でした。
 北京では、どこでも乗り捨て自由になっているようですが、すると、昼は会社付近に自転車が密集し、夜は自宅のマンションの周りが自転車だらけになると思います。自宅から会社まで自転車通勤する人が多ければ、必然的にこうなります。
 日本のように遠距離通勤が普通であれば、駅と自宅の往復に共用自転車を使うでしょう。すると、夜の帰り道で駅に着いても自転車がない、朝出発時に自宅マンション前に自転車がないという状態になりそうです。みんなが似たような行動をするためです。そういう自転車の分布の偏りを解決するのはかなりむずかしいでしょう。大量の自転車を必要な場所に運ぶ手間がかかることになりそうです。
 自転車を決まったステーションに返すならば、問題は起こりにくいのですが、すると、自転車の利便性はかなり失われてしまいます。自宅近くに自転車ステーションがあるとは限りません。
 共用自転車は、シェアリングエコノミーの一例として期待したい反面、こういうまったく新しいサービスが日本で始められるかというと、判断に迷うように思いました。
2017.8.29 追記
 その後、日経新聞に関連する記事が出ていたので、さらに追加してオーツのコメントを書きました。
http://o-tsu.seesaa.net/article/453063190.html
よろしければご参照ください。
posted by オーツ at 03:39| Comment(0) | ニュース時評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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