オーツが読んだ本です。「100年時代の人生戦略」という副題が付いています。
まもなく、たいていの人は100歳まで生きることになるので、そういう状況でどう生きていったらいいかを論じた本です。今までは、教育→仕事→引退という3段階の生き方が主流でしたが、これからは、もっと多段階になるということです。仕事をいろいろ変わりながら勤務してみたり、新しい仕事のために教育を受け直したり、といったことが増えていきます。そうしなければ、単に「引退」段階が長くなるわけですが、それでは年金が持ちません。
高齢化が進んだときに、雇用がどうなるのか、お金以外の見えない「資産」をどう考えるかをはじめとして、未来の社会を展望した話が出てきて、おもしろく読めました。
とはいえ、どうもアメリカに住んでいる人を対象にした本のように感じました。日本人もアメリカ人と並行して(いやアメリカ以上に)高齢化が進んでいますので、同様の変化が訪れるはずですが、それを論じているわけではありません。日本人の場合、アメリカ人と変わらないのか、オーツは心配になりました。やはり、日本人は日本人として生きることが普通ですから、そういう視点で書かれた本が必要なのではないでしょうか。訳書でなく、新しい本の書き手が現れることを期待したいところです。
そんなわけで、全体として、この本はよく書かれているとは思うものの、どこか現実的ではないように思えてきて、あまりのめり込めませんでした。
そして、400ページは長すぎるように思いました。もう少し端的な書き方で短くしてもらえるとありがたいと思います。
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