2016年09月18日

岡田一郎(2016.7)『革新自治体』(中公新書)中央公論社

 オーツが読んだ本です。「熱狂と挫折に何を学ぶか」という副題がついています。
 1960 年代から 1970 年代にかけて全国に革新自治体が増えました。その歴史を追ったものです。オーツは、自分の学生時代に重なってきますので、当時、どんなことを考えていたのか、思い出しつつ読みました(というほどには政治を考えていなかったのですが)。
 本書は、かなり淡々と歴史的推移を記述しているような感じに思えました。事実を押さえることは大事ですから、その態度に問題があるわけではありません。しかし、新書1冊分を読み終えて、では革新自治体とは何だったのか、「何を学ぶか」と副題にあるのに、何が学べたのか、考えてみると、若干の不満が残ります。各章の記述を終えたあと、終章で数十年の歴史を振り返って、革新自治体の功罪などを著者の観点で概観するようなことがあればよかったのにと思いました。
 結局、目新しさで「革新」が支持を伸ばしたものの、各自治体ごとの問題は問題として残り、それを解決するためには、保守とか革新とかいう方針の違いはさておき、目先の課題に取り組んで行かざるを得ないのではないかと思います。このあたりは、間接選挙で(国会の多数派から)首相を選ぶ国の仕組みと、直接選挙を通して一人の首長を選ぶ地方自治体の仕組みの違いを反映しているようにも思えます。一人の革新首長が誕生すれば、革新自治体ということになりますが、議会はそれとは別に存在しているわけで、革新であろうとなかろうと、議会の賛同を得ないと首長一人では何もできないようなものです。そういう地方自治の問題とも絡んで、革新自治体というものを取り上げて論じることのむずかしさのようなものを感じてしまいました。

参考記事:
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51980769.html


posted by オーツ at 04:54| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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