2016年08月14日

阿部等(2008)『満員電車がなくなる日』(角川SSC新書)角川SSコミュニケーションズ

 オーツが読んだ本です。「鉄道イノベーションが日本を救う」という副題が付いています。
 著者の阿部氏は、JR東日本に17年勤務したあと、交通や鉄道に関わるコンサルティング・研究開発に従事しているということですから、単なるマニアとは違うと思います。かなり実務者に近い立場にいるということです。そういう人が、満員電車をなくそうという提案をしているわけですから、これは読んでみようという気になりました。
 東京の満員電車の混雑はひどいものです。とはいいながら、以前よりはずいぶんマシになりました。昔は本当にひどくて、満員電車に乗ることは苦痛以外の何者でもありませんでした。オーツは、何とか満員電車を避けようとしていました(早朝出勤くらいしか手はなかったですが……)。
 そんな現状を踏まえて、では、どうやれば満員電車がなくせるのでしょうか。
 第2章で「満員電車をなくすための運行方法のイノベーション」ということでいくつかの方策を述べています。信号システムの機能向上(GPSを使った新しい信号システムの導入)、総2階建て車両(それに対応した駅の構造)、鉄輪式リニア(架線撤去)、などです。もちろんそれぞれを組み合わせることで輸送力が大幅にアップします。提案が具体的でおもしろく思いました。
 第3章は「満員電車をなくすための運賃のイノベーション」です。着席と立ち席の値段を変えて、ICカード(SUICA など)を使って課金するというような提案です。これもおもしろかったです。今でも、特急車両を使った着席の通勤列車などがあるわけですから、十分に実現可能だと思いました。
 第4章は「満員電車をなくすための制度のイノベーション」です。運転士免許制度の規制を変えて、バス並みにすると、経費が大幅に下がるという話です。オーツは全然思いもしなかった話なので、これまたおもしろく読みました。
 オーツは鉄道にくわしいわけではありませんが、本書に出てくるような提案が実現すると、確かに満員電車がなくなるように思いました。実際には、費用面や安全面などで検討するべきことがたくさんあるでしょう。
 また、人口が減少する中で、こんなことをしていいのかというような議論もあるかもしれません。しかし、日本全体としては人口減の傾向があるとしても、東京(あるいは京阪神や名古屋など)が若い人を引きつける魅力を持ち、地方から若者を呼び込んでいる面もありますから、満員電車をなくすようなことも、考えていいのではないでしょうか。その結果、さらに大都市が大規模化するかもしれませんが、それはみんなの効率的な暮らし方につながり、決して悪い話ではありません。
 余裕のある通勤手段は、多くの人にとって幸せな生活につながるように思います。ぜひ実現してほしいものです。

参考記事:
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51981446.html


ラベル:阿部等 電車
posted by オーツ at 04:24| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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