2016年05月25日

中村淳彦(2014.8)『日本の風俗嬢』(新潮新書)新潮社

 オーツが読んだ本です。
 とてもおもしろく読みました。オーツは風俗の経験がないため、本書に書かれていたことは全部新しい知識でした。知らないことを知るようになるということは新鮮な経験でした。
 著者は、たくさんの風俗嬢(およびその周辺の人々)に取材ということで会い、話を聞いてきたようです。その膨大な経験が活かされており、この業界をきちんと描いています。
 日本に性風俗店は何店舗あるのか(p.34)などということも、きちんと数えることがむずかしいものです。そういう問にも正面から答えようとしています。
 オーツが一番興味を持ったのは、第3章「激増する一般女性たち」です。風俗嬢は特殊なものではなく、女子大生や介護職員などがやっているというのは驚きでした。オーツの考えでは、「女子大生」というのは、風俗店がそういっているだけで、実際は学生でも何でもないのだろうと思っていましたが、そうではなく、本当の学生が多数いるし、中には東大生も働いていたと聞くとビックリです。(著者は学生証で確認したという話です。)また、介護職員が風俗嬢を兼ねるケースが多いというのも驚きでした。しかし、本書を読むとさもありなんと思えます。
 第4章「風俗嬢の資格と収入」も出色の出来です。p.155 から、各種性風俗採用の難易度と給与が示されています。こんな「偏差値」は、測定の方法がないために、主観的なものに過ぎませんが、なんだか難易度がわかるような気がしてきます。偏差値がこのくらいだと、風俗嬢はどんな感じかまで書かれています。そして、偏差値80あれば「単体AV女優」になることができ、1本40万円から100万円の収入になると聞くと、そんなものかと納得します。偏差値50の平均的なところまで書いてありますが、こちらは安くなります。現在は、かなり容姿に恵まれているような人でないと、風俗嬢にもなれない状況なんですね。狭き門です。
 何はともあれ、1冊全部を興味深く読むことができました。
 しかし、こういう本を電車の中で開いて読んでいると、表紙や背表紙には「日本の風俗嬢」と大きく書いてあるわけで、なんだか、他人がオーツのことをじろじろ見ているような気がして、落ち着いて読んでいられませんでした。オーツが小心者であることがわかりました。


ラベル:中村淳彦
posted by オーツ at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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