2016年04月06日

所得格差が余命格差をますます広げる

 オーツは朝日新聞の記事で見かけました。
http://www.asahi.com/articles/ASJ3Q5VJ7J3QULPT003.html
(2016.4.4 17:49)
 「所得格差が余命格差をますます広げる」という題名の記事です。ニューヨークタイムズの記事を翻訳したもののようです。
 豊かな人のほうが貧しい人よりも長生きであることは事実です。そして、所得格差が余命格差をますます広げているという最近の傾向も、数値を見た限りでは「その通り」ということのように思えます。
 金持ちが長生きすることは、ありそうなことです。お金があれば、おいしいものを食べ、ちょっとでも調子が悪くなれば病院に行くことができます。広い自宅で、時間にもゆとりを持って生活できます。ストレスがなく、いかにも長生きしそうです。貧しい人はその反対であり、長生きはしにくいように感じます。
 しかし、気をつけなければいけません。
 豊かになれば長生きする、あるいは、長生きするためには豊かになることが必要だと考えるだけでは不十分です。
 所得の多少と平均余命には相関関係があるからといって、一方が他方の原因・理由であるということにはなりません。「長生きすれば豊かになる」というのは、どうにも説明ができなそうなので、「豊かになれば長生きする」と考えたくなりますが、他の可能性もあるのです。それは、第3の変数があって、それによって、豊かになりまた長生きする傾向があるという説明が可能な場合です。
 たとえば、規則正しい生活をするとか、良識があって不健全・不健康なことには手を出さないとかいう生活態度はどうでしょうか。そういう生活態度の人は、長い人生を自分の思うとおりに過ごすことによって結果的に所得が高くなっているかもしれません。そして、同時に、不健康な要因(タバコとか?)がなく、長生きできているのかもしれません。
 この記事は、そういう可能性を考慮せず、豊かになれば長生きするのだと(単純に)主張しているだけのように思えます。オーツはかなり違和感を覚えました。

 ところで、ずっと貧しい生活を続けてきた人が、あるとき3億円の宝くじに当たったとします。この人は長生きするでしょうか、しないでしょうか。ちょっと考えてみればわかります。長生きしそうにありません。過去の研究を見ても、宝くじの当選者は、得た当選金をあっという間に使い果たしてしまって、また元に戻ってしまうことが多いということが知られています。
 こんなことも考えると、お金があれば長生きするというのは、おかしな話であり、これこれの性格の人は結果的に所得水準が高くなり、かつ長生きすると考えるほうが合理的ではないでしょうか。
posted by オーツ at 05:22| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース時評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック