2016年01月10日

北朝鮮の核実験はなぜいけないのか

 北朝鮮が核実験を行ったことについては、テレビや新聞でも大いに報じられました。
 しかし、オーツは、ニュースに接していて、疑問に思うことがありました。
 たとえば、日経新聞を見てみましょう。1月6日 23:32 の記事です。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM06H7G_W6A100C1FF1000/
「主要国が相次ぎ北朝鮮を非難 「国際法への重大な違反」 」というものです。世界各国が北朝鮮を非難していることを報じています。しかし、なぜそういう非難をしているのかについては、全然説明していません。

 日経新聞1月7日 5:47 の記事
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK07H12_X00C16A1000000/
「国連安保理、北朝鮮核実験を「強く非難」 声明発表」では、「国連安全保障理事会は6日、北朝鮮が水素爆弾実験に成功したと発表したことを受け、緊急会合を開き、過去の核実験で採択した安保理決議に対する「明らかな違反」と非難する報道声明を出した。」と書いています。
 世界各国と同様、安保理も北朝鮮を非難しています。しかし、なぜそういう非難をしているのかについては、全然説明していません。
 オーツは、ここがわかりませんでした。
 新聞記事などでは「北朝鮮の核実験はなぜいけないのか」を述べなければならないと思います。
 「安保理決議に違反する」というのならば、過去にどういう決議が行われ、そのどの部分に違反するのかを説明しなければならないと思います。そこがすっぽり抜け落ちています。
 たとえば、外務省のサイトで、「国際連合安全保障理事会決議第1718号 和訳」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/n_korea/anpo1718.html
が見られます。そこには、北朝鮮に対するさまざまな決定が書かれています。では、核実験を行うすべての国、核兵器を保有するすべての国に対して、国連安保理が同じように決定しているでしょうか。そうではありません。世界にはいろいろな国があり、その国の考え方で核兵器を保有していたり保有していなかったりするのですが、安保理決議では世界の国々を平等に扱っていません。

 世界を見渡すと、ずっと前からアメリカ、イギリス、フランス、ソ連(ロシア)、中国が核兵器を持っています。さらに、インド、パキスタン、イスラエルも核兵器を保有するようになりました。これらの国が核兵器を保有していることはそのままにして、北朝鮮が核兵器を持つことを非難できるのでしょうか。非難できるとすれば、それはなぜなのでしょうか。
 核先進国は、すでにたくさんの核実験を行い、十分な核の技術を持ったから、今から核実験を行う必要はなくなったと思います。アメリカは、「臨界前核実験」ということで、本当の核実験(連鎖的な核分裂反応)まではいたらないその前段階までの実験を行っています。それでいいのでしょうか。そういう国がなぜ核開発の後発国が核実験をおこなうことを非難できるのでしょうか。
 一つの説明は、核実験を行うことで、環境にダメージがあるということでしょう。この考え方をするならば、過去にアメリカなどが(地下でなく)地上で多くの核実験を行ったことをどう考えるのでしょうか。過去のことであり、済んでしまったことだということで、そのままでいいのでしょうか。
 別の説明として、北朝鮮は核の技術が十分でなく、実験を行うことで致命的な事故が起こる可能性があるというようなこともあるかもしれません。しかし、すべての技術開発とはそういうもので、失敗を積み重ねて技術が確立されていくものです。先進国が提供してくれない核技術を開発しようとする後発国としては当然のことです。
 北朝鮮の政治体制が、(国名に「民主主義」を入れている割には)民主的でなく、指導者個人が独裁的に統治しており、かつ、その指導者が他国に脅しをかけるようなことを盛んに主張しているので、そういう国に核開発を認めるべきではないというのもあるかもしれません。だとしたら、民主的な政治体制のもとで、自らの国益を考えて、核開発を進めるような国が現れたら、国際社会としてはどうするのでしょうか。
 国際社会の姿勢は一貫しているようには見えないし、不公平であると思います。

 ただし、オーツは、北朝鮮の核開発を評価するものではなく、隣人が危険な武器を振り回すようなことは止めてほしいと思っています。仮にそういう武器を使わなくても、見せびらかすだけでも「効果」はあるものです。しかし、一方では、アメリカでも国連でも、どうにも不公平ないしダブル・スタンダードが見られるようで、こちらも気持ちが悪いと思っています。
posted by オーツ at 05:20| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース時評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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