2015年10月20日

大久保潤・篠原章(2015.1)『沖縄の不都合な真実』(新潮社新書)新潮社

 オーツが読んだ本です。
 こじれる沖縄の基地問題ですが、普天間基地の辺野古への移設に関しては、賛否両論があるのが現実です。だからこじれるともいえます。
 さて、そんな沖縄をクールに眺めるのが本書です。沖縄の現実を描写します。オーツの知らないことばかりで、目から鱗という感覚でした。
 各章の内容の概略をまとめておきましょう。
序章 沖縄はこれからどうなるのか
 沖縄の「総意」を知ることはむずかしいことです。
第1章 普天間問題の何が問題なのか
 普天間は利権の塊であり、辺野古も同様です。沖縄には税金の環流システムができており、特殊な本土依存体制になっているといえます。
第2章 高まる基地への依存
 沖縄で「基地を返さないでほしい」という声が出る実態を描きます。
第3章 「基地がなくなれば豊かになる」という神話
 基地がなくなった場合の経済効果の試算があるのですが、それがいかにいい加減かを述べます。結論としては、基地がなくなっても沖縄は豊かになれません。
第4章 広がる格差、深まる分断
 沖縄は経済格差が日本一です。一部のエリートと多数の貧困者が同居する階級社会なのです。
第5章 「公」による「民」の支配
 公務員は沖縄の富裕層であると説きます。これは琉球王国時代から続く沖縄の伝統です。
第6章 本土がつくったオキナワイメージ
 沖縄のイメージ(戦争と基地の島、自然の楽園、……)は、本土の知識人(たとえば、大江健三郎や筑紫哲也)がつくったもので、現実とは大違いであることを述べます。
第7章 「沖縄平和運動」の実態と本質
 「沖縄平和運動」は現実には沖縄の声を代表しておらず、本土から運動家が大挙して押しかけています。
第8章 異論を封殺する沖縄のジャーナリズム
 沖縄のジャーナリズムは腐っています。正当な声が出せない状況が続きます。
第9章 「構造的沖縄差別論」の危うさ
 部落解放同盟などの組織が沖縄の差別を論じていますが、どうにも議論が変な方向に向かってしまっているようです。

 というわけで、本書は、沖縄の現実や基地問題の今後を見つめる上で基礎的な知識を提供してくれます。
 オーツは、こんなことを知って、日本政府(菅官房長官など)の苦労が思いやられました。

参考記事
http://iiaoki.jugem.jp/?eid=5700


posted by オーツ at 04:07| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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