オーツが読んだ本です。
日本とドイツの比較文化論といったところでしょう。
こういう形で日本と外国を対比して、その違いを基にあれこれ考えてみるというのはおもしろいものです。日本人が普段あまりに当たり前に思っていることが、実は驚くべきことだったりするわけです。
たとえば、鉄道が分単位で正確に運行されていること、宅配便で荷物が2時間の指定時間幅の中で配達されることなどです。
多くの人は、日本のこういう日常生活を当然と思っていますので、別に驚くべきことでも何でもありません。海外の生活などというものは自分と縁遠いと考える人が多いわけです。日本と海外を比べるという経験をすることがあまりないのです。そういう人は、こういう本を読んで、著者の体験を自分なりの視点から見ることで、自分の目を客観化させるという効果があります。ドイツが鏡になって日本(人)を映し出すというわけです。
目次を見ると、だいたいどんな内容かがわかります。
第1章 日本の尖閣諸島、ドイツのアルザス地方
第2章 日本のフクシマ、ドイツの脱原発
第3章 休暇がストレスのドイツ人、有休を取らない日本人
第4章 ホームレスが岩波新書を読む日本、チャンスは2度だけのドイツ
第5章 不便を愛するドイツ、サービス大国の日本
終 章 EUのドイツはアジアの日本の反面教師
第4章は、ドイツで大学進学のチャンスが2回だけという話題です。教育の話が展開されます。
というわけで、楽しく読んでいける1冊です。
特にドイツ事情に通じている人は楽しいでしょう。
オーツは、ドイツのことはあまり知りません。ドイツに観光旅行に行って、スーパーマーケットの閉店時間がいやに早いなあなどと思った程度です。そういう個人的経験も、本書を読めば、なぜそうなるのか、ドイツ社会のあり方とともに、ドイツの秘密がわかります。
2015年04月04日
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