2014年11月25日

鈴木亘(2014.4)『社会保障亡国論』(講談社現代新書)講談社

 オーツが読んだ本です。
 日本の社会保障が危機的状態にあると警告を鳴らしている本です。
 第1章「財政から語る社会保障」では、膨大な金額の社会保障給付費が支払われており、これがこのまま続くと、2050年には消費税が30%にもなり、国民負担率が70%を超えることになります。
 第2章「社会保障の暗黙の債務は1500兆円」では、少子高齢化によって社会保障関係で1500兆円もの膨大な暗黙の債務が発生していると説きます。
 第3章「社会保障と税の一体改革、社会保障制度改革国民会議」では、待機児童対策にも十分な財源がないし、年金生活者支援給付金は単なるバラマキだし、医療も介護もどんどん支出が増えるし、年金積立金も枯渇してしまうということで、社会保障の全体がおかしくなっている現状を指摘します。
 第4章「年金支給開始年齢は70歳以上に」は、年金問題に焦点を当て、早急に年金支給開始を遅らせるべきだとしています。75歳くらいまで引き上げる必要があるとのことです。
 第5章「高齢化社会の安定財源は消費税ではなく相続税」では、消費税に頼る税制では世代間格差が改善できないとし、新型相続税を創設しようと提案しています。
 第6章「公費投入縮減から進める給付効率化」では、医療や介護分野で公費投入を減らして、結果的に効率化を進めようという提案です。
 第7章「消費増税不要の待機児童対策」では、保育園をミネラルウォーターにたとえ、なぜ高コストになるか、待機者が発生するかを説明しています。そして、株式会社が保育園に自由に参入できるようにするべきだと主張します。
 第8章「「貧困の罠」を防ぐ生活保護改革」では、現在の生活保護制度の問題点を指摘し、今のままでは、生活保護受給者は働かないほうが得だということになっているのはまずいと述べます。一度生活保護を受けると、そこから抜け出すことがむずかしくなるようです。改善案も示しています。
 第9章「改革のインフラ整備と仕組み作り」では、各方面ごとの議論を整理し、全体として改革を進めていく際の注意点を述べています。
 このように、全体として日本の社会保障を考える上での重要なポイントを示しています。現状を考え、さらに将来のあり方まで考え、日本はどうするべきかを問い直しています。
 新書でありながら、非常に読み応えがありました。
 それにしても、政治家は何をやっているのでしょうね。こんな大きな問題があるのに、それに目を向けないで、選挙なんかやっているわけですから、国民の不満はたまる一方です。


ラベル:鈴木亘 社会保障
posted by オーツ at 04:54| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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