2013年11月10日

多田文明(2008.9)『私をクレーマーと呼ばないで』(アスキー新書)アスキー・メディアワークス

 オーツが読んだ本です。
 著者は、クレーマーを「クレームを付ける人」という意味ではなく、「クレームを付けすぎて、相手企業や社会から迷惑がられる人」というような意味で使っています。マイナスの意味です。だから、自分はクレーマーではないということをいいたいということで、こんなタイトルを付けたのでしょう。
 本書は、著者が直接経験したり、著者の回りで見聞きしたクレームの経験談を基に1冊にまとめたものです。クレームの具体例がたくさん載っていて、それぞれ興味深いものです。
 しかし、中にはオーツが気になるケースもありました。どちらかというと著者が「クレーマー」(著者のいう意味で)のように思えたということです。
 pp.094-101 では、駅前の銀行にバイクで行き、停めておいたら、警察がバイクを持って行ったので、クレームを付けたという例が出てきます。反則切符にサインする前に、バイクの駐輪場があることは知らなかったし、看板とかチラシとかによる駐輪場の告知がなかったという点を申し立てたという話です。
 オーツから見れば、もしもはじめから規則をきちんと守るつもりがあり、駐輪場がないとわかっているなら(実はあるけれどもそれを知らないなら)バイクで駅前に行くべきではないと思います。そもそもバイクが置けないわけですから。
 警察官がこういう人の話に1時間もつきあったということは、その分の人件費をかけたということであって、納税者としてはそれだけのコストをかける意味があったのか、疑問に思いました。
 pp.115-119 では、昼休みにコンビニで宅配便の荷物を出そうとして、店員から断られたことを取り上げ、受け付けるようにクレームを付けた話が出てきます。このコンビニでは張り紙をして、12時から1時までは受け付けないと明記しています。だったら、(一見暇そうに見えても)例外的にこの人の荷物を受け付けるのはおかしいのであって、客に対する扱いが不公平になってしまいます。こういう張り紙をする以上、一切受け付けないという姿勢で通すべきです。コンビニの店員の対応は正しかったと思います。逆に言うと「今、すいているから、自分の荷物だけ受け付けてほしい」と主張するこの著者は、やっぱりクレーマーのように見えます。
 こういうコンビニには、会社のみんなが行かなくなったと書いていますが、一方では、昼休みに(レジの混雑が少ないということで)手早く買物ができ、こういうコンビニに人気が出ることもあるかもしれません。どういう営業方針で臨むかは、コンビニの店長が決めればいい話です。
 ここでは2点だけ書きましたが、他にもいろいろ思うところがありました。著者には、自分の主観的な思い込みが絶対に正しいと考える傾向があるようです。ということは、やはり、企業から見ると「クレーマー」に見えることもあるということです。オーツは、職場や地域でこういう人と一緒に生活していくことを考えると、いろいろと面倒が多くなりそうに思えました。

 なお、巻末の参考文献の中に『新クラウン英和辞典』(三省堂)があがっていましたが、このような記載は不要かもしれません。p.26 には「クレーム(claim)を英和辞書で引くと」とあるので、参照した辞書を明記したのでしょうが、だったら p.26 で「英和辞書」とせずに辞書名を明記するべきでしょう。今の書き方では中途半端です。


posted by オーツ at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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