2013年08月15日

エリク・ブリニョルフソン, アンドリュー・マカフィー(2013.2)『機械との競争』日経BP社

 オーツが読んだ本です。本書は、情報技術が雇用、技能、賃金、経済におよぼす影響を論じています。
 ひとことでいえば、情報技術の発達で、人間の仕事がコンピュータに奪われるということです。
 世界史の時間に習ったラッダイト運動と関連します。馬が交通運搬手段としてクルマに変わってしまったとき、馬に関連する大量の人の仕事がなくなったわけですが、一方ではクルマの製造や販売に関わる大量の雇用が生まれました。こうして社会が発展していくわけです。
 さて、最近のコンピュータの発達はどうなんでしょうか。昔と違って、大量の雇用を生み出すことはあまりなく、人間のできることをどんどんコンピュータに置き換えていきます。この状況はラッダイト運動のころとは違います。今のアメリカは雇用なき景気回復の状態にあります。未だに失業率が高止まりしているというわけです。
 本書の目次は以下の通りです。
第1章 テクノロジーが雇用と経済に与える影響
第2章 チェス盤の残り半分にさしかかった技術と人間
第3章 創造的破壊――加速するテクノロジー、消えていく仕事
第4章 では、どうすればいいか
第5章 結論――デジタルフロンティア
解説 日本が世界に伍して戦うには(小峰隆夫)

 目次を見ただけではわかりにくいのは、第2章ですね。王様が家来に褒美を与えようといったところ、家来はチェス盤の最初のマス目に米1粒、2番目のマス目に2粒、3番目に4粒……という具合に、前のマス目の倍の米を置いていき、その合計をもらいたいといったという話です。最後には途方もない量になるわけですが、技術の進歩はそんなふうに加速度的に(指数関数的に)進むわけで、現在は、その半分くらいの状況であり、今後ますます加速していくという話です。
 p.154 では、人類の歴史では産業革命が3回あったという話です。1回目が蒸気機関、2回目が電気、そして3回目が現在進行中のコンピュータとネットワークということです。こんな見方もできるのですね。
 オーツが個人的におもしろいと思ったのは、p.110 で、一番強いチェス・プレーヤーの話です。実は、コンピュータではないというのです。コンピュータを使った人間のチームなんですね。今、チェスの試合では、コンピュータ対人間というのはおもしろくなくなってしまいました。いつもコンピュータが勝つからです。そこで、「フリースタイル」が認められるようになったということです。人間とコンピュータがどういう組み合わせで戦ってもいいということです。2人のアマチュアが3台のコンピュータとチームを組んで優勝したとかいう話を聞くと、コンピュータのあるべき姿を考えさせるような気がします。


posted by オーツ at 04:22| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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