2013年07月21日

米長邦雄(2012.2)『われ敗れたり』中央公論新社

 オーツが読んだ本です。「コンピュータ棋戦のすべてを語る」という副題が付いています。
 第1回の電王戦で、ボンクラーズというコンピュータソフトと対戦し、敗れた経験をまとめた本です。
 米長邦雄永世棋聖といえば、将棋界で知らない人はいない有名棋士です。引退したとはいえ、過去に名人を初めとする各種タイトルをとった人です。それはそれは将棋に対する深い理解があるはずです。
 そのような米長永世棋聖が、ずっと前から慎重に対策を練り、提供されたソフトで確認し、実戦で試したわけです。米長永世棋聖の初手6二玉に込められた思いが伝わってきます。(先手のソフトが7六歩でないと、たとえば2六歩であれば、6二玉とはできないわけですが。)
 本書では、コンピュータ側の仕組みは、あまり書いてありませんが、それは別の本で補えばいいことです。
 瀧澤武信他(2012.11)『人間に勝つコンピュータ将棋の作り方』技術評論社
2013.4.2 http://o-tsu.seesaa.net/article/353628147.html
などは、そのための好著でしょう。
 本書では、いかにも人間らしい米長流対局術が描かれており、その点でとてもおもしろく読むことができました。
 将棋の指し手の解説もありますが、将棋関係の出版社でないため、組み方などでちょっと読みにくいところがあり、そこはイマイチでした。
 しかし、本書の随所に米長永世棋聖の「目」が光っており、指し手や対局そのものの裏側にある棋士の考え方や受け止め方などが書かれているところがよかったです。
 棋書が読めるレベルの人ならば、本書の全体がおもしろく思えるでしょう。

 米長邦雄永世棋聖は、すでにお亡くなりです。残念です。


posted by オーツ at 02:36| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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