2013年03月01日

金完燮(2004.11)『親日派のための弁明』(扶桑社文庫)扶桑社

 オーツが読んだ本です。キム・ワンソプという根っからの韓国人が書いたものです。
 韓国の中でも親日派といわれる人が書いた本で、日韓関係を常識とはだいぶ異なる見方で語っています。
 端的に言えば、日韓併合を是とし、こういうことで朝鮮半島は発展の基礎ができたのだという見方です。
 1905 年以降の朝鮮半島を、「日本の植民地」とは見ずに、「拡張された日本の領土」と見ています。日本は、朝鮮人に本土の人間と同じ待遇を与え、朝鮮半島に本土以上の投資を行い、各種インフラを整備し、教育を行き届かせ、その後の発展の基礎を作ったとしています。結果として、朝鮮半島では、日韓併合時の30年の間に人口が1000万人から2500万人に増え、平均寿命は24歳から45歳にのび、農業社会が近代的資本主義社会になったという見方です。
 李王朝時代の朝鮮を遅れた国と見ており、もしもそれが続いたならば、今でも朝鮮半島は世界の後進国であったろうということです。
 日本は、第2次世界大戦の敗戦によって、韓国、北朝鮮、台湾、サハリン、日本の5つに分割されたという見方も出てきます。
 このような朝鮮半島の歴史を、それ以前の世界史(欧米列強のアジアアフリカでの植民地化)などとからめて記述してあるので、とても説得力があるように思いました。
 「親日派」というのは、ここまで日本を肯定的に見るのかと、驚きました。
 韓国に関する新しい見方を知り、大変参考になりました。別に、このような見方が正しいと単純に信じるものではありませんが、ものごとにはさまざまな見方があるということを気付かせてくれます。
 この本は、韓国政府によって青少年有害図書に指定され、韓国内ではビニールで包装して「19歳未満講読不可」と表示しなければならず、書店では一般の書籍と一緒に販売できないとのことです。内容が内容であるだけに、韓国政府としては一般人の目に触れさせたくないのでしょうが、しかし、言論の自由とは、そういうことではないはずです。
 オーツが気になったことは、韓国語から日本語への翻訳なのに、翻訳者の名前が表紙などにないことです。末尾(p.377)にちらっと出てくるのですが。


posted by オーツ at 05:13| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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