オーツが読んだ本です。
おもしろくて、一気に読んだ感じです。(実際は、少しずつ読んでいったのですが。)
「戦後史」なんて、まともに学んだこともありませんでした。学校の歴史の時間では、考古学みたいなことから始まって、明治・大正ころまでで終わりでした。いや、戦争くらいまでは勉強したでしょうか。
ともかく、戦後の歴史というのは、まだ評価が定まっていないとか、どういう観点から述べれば客観的か(そんなものがあるでしょうか)などといったことが問題とされ、学校ではまともに取り上げられることはなかったように思います。
本書は、それに対して、日米関係を基軸において、アメリカから見た日本という観点で戦後の歴史を語っていきます。そこに登場するのは、当然、当時の新聞やテレビで見た顔ぶれたちです。日本の総理大臣であり、アメリカの大統領です。おもしろくないわけがありません。
基本的な見方として、日本の総理大臣を、アメリカに追随するタイプと、自主独立するタイプの2種類に分類します。そんな考え方でうまく説明できるのかとも思いますが、本書を読んでみると、それでうまく説明できるように感じます。
オーツは、「ああ、そういうことだったのか」という感じで本書の記述を受けとめました。
もちろん、著者の孫崎氏の間違いとかもあるでしょう。うがった見方をしているところもあるでしょう。しかし、何よりも、日本の戦後の歴史について「納得した」感覚があったことは事実です。
本書を読み終わってみれば、1945 年から書き始められたことはもっともだと思います。
まさに、それまでとは根本的に違った新しい日米関係は 1945 年 9 月をもって始まるわけです。
それから約70年が経ちました。
でも、日米関係は基本的に変わっていないようです。少なくとも、そういう見方から見ても、納得できるように思えます。
オーツは、同時代のメディアとして、新聞を読み続けてきましたが、本書で得られる納得感は、新聞では得られませんでした。同時代を生きてきたからといってその時代のことがわかるわけではないのです。やはり、このような本によって、ちょっと離れたところから日本社会を眺めることで、見えてくるべきものがあるということです。
ちなみに、著者の名前は「まごさき うける」と読みます。珍しい名前だと思います。
2013年02月04日
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