2013年02月01日

トビアス・J・モスコウィッツ, L・ジョン・ワーサイム(2012.6)『オタクの行動経済学者、スポーツの裏側を読み解く』ダイヤモンド社

 オーツが読んだ本です。「今日も地元のチームが勝つホントの理由」という副題がついています。
 スポーツで、なぜホームが強く、アウェイが弱いのか、それを徹底解明した本です。
 p.181 で、ホームの有利さが数字で示されます。サッカーやバスケットボールでは6割から7割がホームチームの勝ちです。日本のプロ野球は 53.3% ですから、それらよりはずっとマシです。
 では、なぜこうなるのでしょうか。
 本書の結論は「審判がホームチームに有利な判定をしているから」です。
 これは、さまざまな厖大なデータによって論証されます。
 たとえば、pp.24-25 では、機械の目で厳密に計測した野球のストライクゾーンの話が出てきます。野球で、カウントがスリーボールとツーストライクで次の1球のストライクゾーンが違ってくるというのです。また、p.155 では、野球のシーズン最後の打席における四球の頻度がグラフ化されており、打者のそこまでの打率が 0.299 であれば、四球の割合はゼロです。つまり、投手が勝負に出ているわけで、何とか3割打者にしてあげよう(もしも本当に打てれば)という配慮があるということです。
 p.234 で、機械の目を導入すると、審判の偏りが小さくなるという話もおもしろかったです。「見られていると正しく判定する」というわけです。
 p.259 では、観衆の影響を論じています。満員のスタンドは、ちゃんと(観客が満足する方向に判定させるという意味で)影響力を持つのです。サッカーのサポーターは本当に自チームを「サポート」しているのかもしれません。
 では、審判は何をしているのか。
 審判は機械ではありません。試合がおもしろくなるように、観客が満足するように、ほんの少しだけ味付けしているのです。
 数字でデータを示しているので、この結論は正しいものと思われます。
 オーツは、スポーツの裏側をのぞいている気分でした。
 本書の論述は、とても興味深いものでした。
 とはいえ、オーツはスポーツのことをあまり知りません。野球やサッカー、バスケットボールのところはまあまあ理解できましたが、それ以外のところでは、むすかしいところがありました。アメリカ人の著者にとってみれば、フットボールの試合などは当たり前でしょうが、さまざまな選手名や戦術名が出てくると、何が何だかわからなくなりました。
 でも、結論は変わりません。とても信頼できる好著だと思いました。


posted by オーツ at 04:20| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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