妻は、別件で、出かける準備をしていました。自宅からは歩いて駅まで行くつもりとのことでした。和服を着て、大きなカバンを持っていました。
出かける20分ほど前に、妻が言いました。「駅まで歩いていくつもりだったけれど、クルマで送っていってくれない?」 オーツは、どうせクルマで出かけるのだし、それでもいいだろうと思い、OKの返事をしました。妻は 11:45 に出るといいました。
で、オーツは自宅内の準備を済ませ、クルマのエンジンをかけ、エアコンを入れ、助手席を片付け、妻が乗る準備をしました。
駅の近くまでクルマで入っていくこともできるか、カーナビの地図で確認しました。
しかし、まだ妻が出てきません。そのうち、宅配便のクルマが来たので、オーツが荷物を受け取り、玄関に置き、受取伝票にハンコを押しました。それでも妻が出てきません。その時点で 11:48 でした。玄関から奥に声をかけたところ、「パソコンを切ろうとしているのだけれど、なかなか切れなくて、……」という声が聞こえました。
オーツの中でプツンと何かが切れました。
「もう当初の予定時刻を過ぎているので、置いていくよ!」
「ちょっと待って。今行くから。」
オーツは待てませんでした。妻がいつ出てきてもいいように準備してクルマの中で待っていたのですが、その時間に妻がパソコンをさわっていたとは、……。元はといえば、11:45 という出発時刻も妻が言い出したものです。もしも、オーツが妻を置いていっても、妻は自分で歩いて駅まで行けばいいし、元々その予定だったはずです。オーツはそのままクルマで外出してしまいました。11:49 でした。予定時刻よりも4分過ぎでしたが、こんな短時間でプッツンしたのは最短記録です、たぶん。
ラベル:クルマ
セネカ『怒りについて 他一篇』