2011年11月28日

未婚者の内、「彼女いない」男性6割、「彼氏いない」女性5割

 オーツが新聞記事で見かけて、驚いた話です。
 未婚者の内、「彼女いない」男性が6割、「彼氏いない」女性が5割もいるということです。たとえば、asahi.com などでも記事の一部が読めます。
http://www.asahi.com/national/update/1125/TKY201111250514.html
 オーツが見かけたブログでは、男女で1割のズレがあることに疑問を呈している例もあります。
http://www.shinoby.net/2011/11/65.html
 では、実際のところ、どうなのでしょうか。ちょっと考えてみましょう。
 そのために、まずは、元資料の国立社会保障・人口問題研究所の「第14回出生動向基本調査」の結果を見てみましょう。ネットで概要が見られます。
http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou14_s/doukou14_s.asp
 問題の部分は、「2. パートナーシップ −ゆらぐ男女のかかわり−」の中の「(1)異性との交際」にあります。
http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou14_s/chapter2.html
 ここでの質問は、異性との交際について「婚約者がいる」「恋人として交際している異性がいる」「友人として交際している異性がいる」「交際している異性はいない」の4択です。その他に「不詳」もありますが、男女同比率なので、無視してかまわないでしょう。
 「恋人」と「友人」の違いは、これだけを見たのでははっきりしませんが、大まかには肉体関係の有無で区分して考えていいのではないかと思います。
 新聞記事では「交際」の範囲がはっきりしませんが、元の資料ではほぼはっきりしていると思います。「友人程度の交際すらしていない」ということです。
 男性の「交際している異性はいない」の 61.4% と、女性の 49.5% の違いは何に基づくものでしょうか。
 オーツが、最初に考えたのは、この調査の回答者の男女別の年齢構成がずれているのではないかということでした。夫婦の年齢差では妻側が若いほうが多いように思います。すると、未婚者の調査をすると、男性の回答者のほうが年齢が高い方にずれ、女性の回答者のほうが年齢が低いほうにずれるのではないでしょうか。年齢が低いほうが交際は少ないのではないかと思ったわけです。
 というわけで、この調査の回答者の男女別年齢分布を見てみましょう。
 「T.調査の概要」の「表2 男女年齢別未婚者数」
http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou14_s/chapter0.html
を見てみましょう。表自体が少し見にくいので、以下のように作り変えました。
年齢層
男性
女性
18-19歳
435
11.9
530
15.6
20-24歳
1,359
37.1
1,371
40.3
25-29歳
1,076
29.3
895
26.3
30-34歳
797
21.7
610
17.9
合計
3,667
100%
3,406
100%

 調査の集計の基本となる18歳から34歳までの年齢別比率を見てみると、男性のほうが女性よりも少し高齢に傾いているようですが、数%程度の差であり、さほど大差ではありません。
 また、付表5で 年齢別に見た未婚者の異性との交際状況を見ると、
http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou14_s/fuhyou.html
「交際している異性はいない」の比率は、以下の通りです。
年齢層
男性女性
18-19歳69.959.8
20-24歳61.947.4
25-29歳55.943.8
30-34歳63.453.4
合計
61.449.5

各年齢層ごとの違いはあまりなく、一貫して男性の「交際している異性はいない」が高くなっています。
 したがって、以上の検討から、オーツが予想したような男女別の年齢構成のずれで説明できるようなものではないことがわかりました。

 ということは、男女間で1割の差を生み出す仕組みは、未婚女性は、この表にない男性と交際している人が1割ほどいるということになります。35歳以上の未婚男性ということもあるでしょう。男女の交際では男性のほうがやや年上という場合があるでしょう。また、正面からの調査はしにくいでしょうが、未婚女性と既婚男性との交際(いわゆる不倫)もいくらかはあるのではないでしょうか。
 付表5
http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou14_s/fuhyou.html
には、35-39歳の男女について「交際している異性はいない」の比率も書いてあります。男性が 67.2%、女性が 68.1% ということで、男女差はあまりありません。
 つまり、男女での1割差が見られるのは18-34歳の年齢層だけなのです。

http://www.stat.go.jp/data/nihon/zuhyou/02syo/n0200400.xls
で年齢の5歳階級別人口(平成21年)を見てみると、次の通りです。単位は 1,000 人です。18-19歳は省略します。
年齢層
男性
女性
20-24歳3,5503,363
25-29歳3,8323,670
30-34歳4,3614,230
35-39歳4,9184,797

 人口の年齢差は少子化の傾向を反映しています。今は、中年層の人口が多く(第2次ベビーブーム)、若年層の人口が少ないので、多数の中年層の男性が少数の若年層の女性を取り合う競争が起こり、それが交際比率の1割という差を生み出しているのではないでしょうか。
ラベル:未婚者 異性
posted by オーツ at 05:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース時評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック