2011年10月16日

スーパーマンV 電子の要塞(1983)

 オーツが見た映画です。
 これまた、ツッコミどころ満載です。
 スーパーマンが口から冷たい空気を吹き出して、池の水を凍らせて、氷の端を持って全体を持ち上げるなどというシーンが出てきますが、そんなことはできません。氷全体を持ち上げるためには、その重心に上方向の力を加えなければなりません。スーパーマンの持ち上げ方では、手で持った場所から氷が割れて、それまでです。また、仮に重心に力を加えたとしても、映画中に描かれる大きさの氷では、面積が大きい割りに薄すぎて、自重に耐えきれず、やっぱり割れてしまって運べないはずです。氷全体に力を加えないと持ち上げられないはずです。
 ちなみに、池の水を凍らせるのは、火災現場に大量の水を運んで、火災を消すためなのですが、そんなめんどうなことをするくらいなら、火災現場で直接スーパーマンが冷たい息を吹きかける(水を凍らせるときのやり方ですが)方が消火効率がずっと高くて火災を消しやすいものです。火災のときに水をかけるのは、燃えているものの温度を下げるためです。わざわざ水を氷にして(その段階でエネルギーの一部が失われます)火災現場に運び、そこで氷が水になったり、水が蒸発したりして燃えているものの熱を奪うわけですが、水が効率よく全部の熱を奪うわけではありません。
 スーパーマンがピサの斜塔をまっすぐにしてしまうシーンも変です。建物の一部を1箇所だけ横方向に手で押すように力を加えると、建物が崩れてしまいます。建物は縦方向の力(重さなど)には強いですが、横方向の力には弱いものです。それに、もしも力を加えてピサの斜塔をまっすぐにしたとして、それを維持するのがむずかしいものです。再度斜めに傾くことをどうやって防ぐのでしょうか。映画ではそこが何も描かれていません。
 オリンピックらしきスポーツ大会で、ランナーがトーチで運んできた聖火を聖火台に点火しようとするとき、スーパーマンがいたずらで聖火を吹き消してしまうのですが、これもあり得ません。聖火台は、聖火が消えてしまって、着火できないことに備えて、自動着火装置がついています。だから、あんなふうにトーチを吹き消しても、係員がタイミングを合わせてスイッチを入れて火がつくようになっているのです。ランナーもそういう仕組みを知っているはずです。だから、もしも点火直前に聖火が消えてしまっても、ランナーが困った表情をするはずがないのです。
 タンカーの壁面を破り、そこから海面にもれこぼれた原油を、全部息で吹き寄せてタンカー内に戻す話も変です。原油にどのように力を加えてタンカー内に戻すのでしょうか。
 ラスボスにあたるコンピュータがひどいので、思わず笑ってしまいます。30年前ではコンピュータはこんなイメージだったのでしょうか。砂漠の中に大規模なコンピュータを設置するという話ですが、そのコンピュータの電源をどのようにして用意するのでしょうか。映画の中ではまったく触れられていませんでしたが、これは大問題です。そういう大きなコンピュータシステムが、ねじ回し一本でネジを抜くことでダウンさせられるなどというのも、笑ってしまいます。
 まあ、こんなことにケチを付けてもしかたがありません。
 SFというフィクションは、一つだけはフィクションでかまいませんが、それ以外はフィクションでなく、リアルに描くべきだと思います。さもないと、全部がフィクションになり、おもしろくも何ともなくなります。
 スーパーマンシリーズでいえば、スーパーマンが超人的な能力を持っている点はフィクションとして受け入れますが、それ以外はリアルに描いてほしいということです。たとえば、氷を持ち上げるシーンでいえば、スーパーマンに超人的な力があることで、手で何万トンかの重さを支えられることはいいのですが、その力は、スーパーマンの手から伝えられるものであってほしいと思います。そうでなければ、不思議な力で(氷にさわることなく)氷を持ち上げることができることになり、だったら、何も池まで飛んで行かずに、氷が必要な現場で「う〜ん」と念じれば、氷を運んでくることができてしまいます。いや、そもそも氷にする必要すらなく、水の状態でも運べるのではありませんか。しかし、それではストーリーとしておもしろくないでしょう。




ラベル:スーパーマン
posted by オーツ at 04:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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