2011年04月03日

サマータイムは今年の夏の電力不足を解消するか

 原発の事故のために、今年の夏は節電が必要になるということで、あれこれアイディアが出されています。その中の一つにサマータイムの導入ということがあります。サマータイムは、夏に(たとえば4月から10月まで)時計の針を1時間(あるいは2時間)早めるということです。
 オーツは、もともとサマータイム反対でした。
2008.7.8 http://o-tsu.seesaa.net/article/102409024.html
 今回は、サマータイムが原発事故による節電に効果があるかどうかを考えてみたいと思います。
 サマータイムが節電になるという意味は、もともと、朝の日光を活かそうということになります。回りが明るくなっても寝ているのでなく、早起きして太陽光を無駄なく使おうということです。夜は早く寝て、暗い時間帯にいろいろ活動することはやめようということです。したがって、サマータイムを導入することで、少しは電力の節約ができます。いや、ホントにそうなるかはむずかしい問題ですが、一応、暗い夜に活動する分を明るい朝に回せば、論理的には(照明が不要な分だけ)電力使用量が少なくなるはずです。
 しかし、今回の問題は、これと状況が違います。一番重要なことは、ピーク時の電力使用量を抑えることです。夏であれば、冷房需要が大きいですから、午後2時か3時くらいのピーク時のことを考えなければなりません。そして、サマータイムは、これに関しては無力です。気温のピークが1時間遅くなる(人間が1時間早く活動するので)といっても、結局、暑いときはその分の冷房で冷やさなければなりませんから、多少時間がずれても意味がありません。
 サマータイム賛成論として、たとえば
http://ameblo.jp/kazue-fujiwara/entry-10836173672.html
がありますが、オーツはこの記事が間違っていると思います。

(1)仕事のコアタイム
 サマータイムによって仕事のコアタイム(13:00-15:00)と暑さのピーク(サマータイム採用時には15:00-17:00)がずれることが最大電力を低減させることに貢献することはあまりないと思います。
 仕事のコアタイムかどうかで電力に消費量がそんなに変わるものでしょうか。仕事として何をするかにもよりますが、オフィスでも、工場でも、商店でも、働く時間帯を考えると、冷房以外はほぼ電力使用量が一定なのではないでしょうか。
 結局、電力使用量は気温(冷房の強さ)によって決まってしまうと思います。

(2)早い帰宅は無理
 9時〜5時の勤務時間を7時〜3時にして、早く帰宅しようと主張していますが、それは無理です。
 今でも、5時に仕事を切り上げられる人はごく少数です。公務員の一部は可能でしょうが、実際は多くの人が夜まで働いています。サマータイムが導入されても、働く事情は変わらないでしょう。たとえば、NHK の生活時間調査の結果を見てください。仕事の時間が8時間という人は少ないものです。つまり、明るい時間のうちの帰宅は実現しないと思います。
 勤務時間に関しては、理想論でなく、現実論を考えてみてください。
 電力使用量の話は完全に現実論です。

(3)海外のサマータイムの経験
 海外でサマータイムの開始日や終了日を経験しても何のことはないというのは話がずれています。
 海外では、日本人は単なる旅行者の場合が多いでしょう。持ち歩いている時計も1個だけだったりします。そんな場合のサマータイムの開始・終了はそれはそれは超簡単です。
 海外で働く人の場合だって、もしも海外在住が数年程度の予定なら、時計を増やそうなんて思ってもみないでしょう。また、先進国なら日本と同様でしょうが、発展途上国なら時計なんてたくさん持つものではありません。時間に拘束された生活をしないのですから、社会のしくみが違います。
 しかし、現代の日本では、直すべき時計が膨大にあるのが普通です。特に、コンピュータがからむものは心配です。そんなに簡単に「針を1時間進める」ことはできないと考えるべきです。

 40年ほど前のオイルショックのときのように、トータルで電力使用量を抑えようという場合はサマータイムも少しは意味があるかもしれませんが、今回のようにピークの電力使用量を抑えようという場合はサマータイムは意味がありません。両者を混同しないようにしなければなりません。
posted by オーツ at 04:24| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース時評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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