オーツの自宅の風呂は、温度設定をして、あとはスイッチを入れるだけという簡便さです。冬は43度にしてわかしていました。先日、そろそろ気候が温かくなってきたので、設定温度を42度に下げました。夏はさらに下げることにしています。
ところが、43度から42度にしただけで、ずいぶんと風呂の温度が変わったように感じました。
もちろん、湯温などというものは、湯船の上の方で計るか、下の方で計るか、はたまたお湯が出てくる管のところで計るか、それから離れたところで計るかで違ってきますから、43度とか42度といっても、正確にその温度だということはないでしょう。
それにしても、43度と42度ではどれくらいの違いなのでしょうか。
こういうとき、42/43=0.977 などという計算をして、「たかだか 2.3% しか違わないんだ」などと考える人もいるようです。これは二重の間違いをしています。
まず、摂氏で測った温度は間隔尺度で、ゼロは人為的に決められたものにすぎませんから、割り算して「何倍の差」などと言ってはいけません。
もし、そうするなら、絶対温度(°K)で言わなければなりません。摂氏の温度に 273.15 を加えれば絶対温度になりますから、42度と43度では、315.15/316.15=0.997 となり、0.3% しか違いがありません。いよいよ差が小さくなってきてしまいました。
しかし、ここで知りたいのは、主観的に感じるお湯の温度のことであり、物質のエネルギーがどうのこうのという話ではありません。
正しくは、体表温度を基準にしてそれとの差を考えるべきです。仮に、体表温度が36度であるとすれば、(42-36)/(43-36)=0.857 ということで、14% ほどの差になります。43度と42度は、1度の違いとはいえ、結構大きい差であることがわかります。
こういう計算をする場合は、摂氏による温度でも絶対温度でも同じ結果になります。(華氏でも同じです。)
風呂に入りながら、こんなことを考えていました。たかが風呂の温度を設定するにもこんなことを考えながら設定しているというのは、大げさな気がして、我ながらちょっと笑ってしまいました。
2010年04月28日
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