2010年04月19日

007は二度死ぬ(1967)

 オーツが見た映画です。もう何度目かの鑑賞です。
 007はけっこう好きなシリーズです。もっとも、このシリーズは「ありえない」シーンが続出します。いちいちツッコミを入れていてはきりがありません。
 この映画では、始まってすぐに地球周回軌道上で宇宙船が他の宇宙船を捕まえる(飲み込む)シーンが出てきます。これはきわめて複雑なミッションで、常識的には不可能です。他の宇宙船の近くに寄っていくこと自体がむずかしいと思います。地上と違って、地球周回軌道では、3次元の移動が可能で、その中を地球の重力の影響を受けつつ、遠心力を利用して一種の無重力状態で二つの物体が高速で動いています。二つの宇宙船の軌道を合わせるだけでも大変です。同じ基地から同じ方向に打ち上げるなら可能ですが、別の基地から打ち上げて同じ軌道に乗せるというのは並大抵ではありません。それ以上にむずかしいのは、後方から一方の宇宙船がスピードを出して前方にいる宇宙船にまっすぐに追いつくことです。宇宙船のスピードを上げると軌道が地球から見て外側に膨らむことになってしまい、「同じ軌道にいる」ことはできないのです。速い宇宙船は外側の軌道を、遅い宇宙船は内側の軌道を進むことになります。遠心力によって定常軌道上にいるというのはそういうことです。映画では、宇宙船がまるで地球の大気中を移動する飛行機であるかのような動きに描かれていました。
 さらにいえば、そうやって他の宇宙船を捕まえた宇宙船が無事に地上に着陸するのはもっとむずかしくなります。補足した宇宙船の重さがわからなければ、着陸自体が危険です。
 さて、ボンドは命令を受けて東京にやってくるのですが、そこで日本の秘密警察のタナカ(タイガー)が都内を案内するのに地下鉄の車両を改造した電車を利用していますが、こんなのは噴飯ものです。行き先が自分の自由に決められませんし、丸ノ内線の車両を改造しているようでしたが、線路は他の車両が頻繁に行き来しているのですから、自分の自由に停車したり降りたりができません。駅が近づいたら停車しなければなりません。さもないと先行車両に追突してしまいます。こんなのに乗って移動していたら「秘密警察」の存在がすぐにばれてしまいます。都内を移動するなら、普通にクルマを利用する方が断然好都合です。
 火山の噴火口の湖の下に、敵の秘密基地があるわけですが、ここに出入りするロケットがまるでおもちゃで、(実際ミニチュアを使って撮影したと思われますが)あんなロケットエンジンでロケットが飛ぶはずがありません。映画の中では、アメリカのロケットの実物映像も出てきますが、ロケットエンジンの噴射は、それはそれはすさまじいものです。そうでなければ、重力に逆らって、あの重いロケットを打ち上げることなんてできません。
 秘密基地のロケットがまともにエンジンを噴射すれば、あの基地は破壊されるでしょう。非常に薄いシャッターで管制室を守っているのですが、その程度では管制室を守りきれないと思います。
 湖の下の秘密基地があったとしたら、地元の人間にすぐばれます。あの秘密基地は電気や燃料などのエネルギーが大量に必要ですし、おおぜいの人間(数百人?)が飲み食いするため、水と食料を大量に使いそうですが、どこから供給しているのでしょうか。多数の人間が寝泊まりするところやトイレはどうするのでしょうか。
 そんな大規模な工事をするのに、地元の住民に気がつかれないなどということがあるのでしょうか。
 横にスライドして開閉する方式のドアだと、「開」のときにはドアを格納するための空間が必要になるわけですが、あの場所にそんなのが作れるのでしょうか。あんな大きな空間の基地を設置して、(山をくりぬいたのですよね)その上の山(岩石)の重さが支えられるでしょうか。
 いやはや、何から何まで荒唐無稽ですね。ま、こんなことは考えずに「お話」と思って映画を楽しむのがいいのでしょうが、……。

posted by オーツ at 06:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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