オーツはこういうSF映画がかなり好きです。
この映画では、2020年、初の有人火星探査船の隊員たちが火星で何者かに襲われ、消息を絶ちます。生存者の救出に向かった次期探査隊員たちが火星で遭遇する未知の世界を描くSFスペクタクルです。なかなか科学的にしっかり作ってあります。
SF映画にもいろいろなタイプがありますが、「アポロ13」のような現実に近い映画の場合、リアルといえばリアルですが、あまりにリアルすぎて、ちょっとおもしろさに欠けるきらいがあります。現実は現実でしかありません。
一方、現実にはありえない話を描くと、荒唐無稽ではありますが、ストーリーはおもしろくなります。SFでは、そのあたりのバランスが大事なんだろうと思います。
「ミッション・トゥ・マーズ」は、前半は緊張もあり、けっこうリアルな宇宙旅行が描かれます。宇宙船の一部が回転して疑似重力を産み出しているという設定ですので、「2001年 宇宙の旅」
2007.10.19 http://o-tsu.seesaa.net/article/61353977.html
のような感じになっています。オーツはこういう雰囲気が好きです。
事故があって、宇宙をただよってしまう夫に妻が近づきますが、燃料切れで捕まえることができません。夫はヘルメットを脱いで自殺してしまいます。このあたり、思わず引き込まれてしまいます。描き方がリアルなのがいいです。
しかし、後半はだれます。火星に一人残されて1年も生き続けた男が出てきますが、こんなのはありえないでしょう。空気は? 水は? 食料は? 火星の表面は温度が低すぎてエネルギーなしでは凍えてしまいます。
さらに、火星人(?)が登場するシーンがあって、このあたりはちょっと引けてしまいます。火星人から人類の歴史を教えてもらうあたりは、マンガチックです。
その後、ちょうど「アビス」のような感じで、宇宙飛行士が液体に包まれて宇宙旅行をすることになります。
前半と後半で相当に印象が違ってしまう映画です。
2010年02月27日
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