2009年12月14日

相撲と将棋のガッツポーズ

 オーツは「将棋世界」を定期購読しているのですが、2010年1月号の pp.36-37 に内館牧子氏が相撲と将棋のガッツポーズについてお書きです。
 その趣旨は、2008年9月の大相撲で、朝青龍が優勝決定戦で白鵬を下したとき、ガッツポーズをしたことをよくないと主張するものでした。そして、将棋を引き合いに出し、タイトル戦などで勝者がガッツポーズすることはありえないと述べていました。
 オーツは、内館氏の議論はだいぶスジがずれていると思いました。
 第1に、相撲の取組は大勢のファンが見守る中で行われるのに対し、将棋のタイトル戦は2人の対戦者と記録係、立会人、それにごく一部の関係者だけがその場にいるという違いです。朝青龍の(いや、それにかぎらず、大抵の場合の)ガッツポーズは、ファンがいるからこそ行われたのであって、その意味は「嬉しい!」もあるでしょうが「応援ありがとう!」とか「ほら、やりましたよ。全力を尽くして私が勝ったのですよ。見ていましたか。」くらいの意味ではないでしょうか。「腰砕け」など自滅で勝負がついたときにはガッツポーズは出にくいと思います。
 ファンが見ていない稽古場などでの相撲で(1番だけの真剣稽古などで)勝ったとして、ガッツポーズをするでしょうか。おそらくしないと思います。したって見ているのが周りの仲間だけですから、無意味です。いや、それでもガッツポーズをしているのであれば、それは「嬉しい!」という意味でしょう。
 将棋では、大きなホールなどで公開対局を行うことがあります。大勢のファンが見ています。こんなときでも勝者はガッツポーズをしません。しかし、対局後はその場にいるファンに向かってお辞儀をするだけでなく、手を上げて拍手に応えるようなことはあると思います。単に終局直後にはそういうポーズをしないというだけです。
 第2に、将棋の勝敗は相撲の勝敗と違うところがあります。将棋では、第三者が客観的に勝敗がわかるように最期まで指すことはしません。途中で敗者が負けを認めること(投了)で勝負がつきます。つまり、勝ったほうは、相手が負けを認めることで自分が勝った(勝たせてもらった)と知るわけで、その意味で内館氏のいう「惻隠の情」(相手の心理や状態を思いやる情)が出やすいのです。
 ただし、将棋でも反則負けなどごく一部に投了以外の終局のしかたがあります。こちらは客観的に勝敗がつきます。

 内館氏は日本文化論などを持ち出して、師匠が朝青龍などにガッツポーズをしないように教育するべきだと述べていますが、同じ趣旨が柔道あるいは他の日本の武術の関係者にも当てはまるのでしょうか。相撲が国際化すれば、(現に外国人力士が増えているのですからすでにそうなっているわけですが)相撲はボクシングやレスリングなど他の競技と変わらない個人スポーツの1種目にならざるを得ないでしょう。
 いつまでも青い柔道着を嫌っていては、柔道が世界に広がっていくことにはならなかったでしょう。内館氏の主張は、あたかも白い柔道着にこだわっているかのように響きましたが、オーツの捉え方が変でしょうか。

参考記事
http://www2.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=53924&log=20091201
http://izafujikomaru.iza.ne.jp/blog/entry/1253453/allcmt/
http://blogs.yahoo.co.jp/kiha58_1523/41926028.html
posted by オーツ at 05:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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