2009年09月29日

大屋洋子(2009.8)『いま20代女性はなぜ40代男性に惹かれるのか』(講談社+α新書)講談社

 オーツが読んだ本です。
 ちょっとした暇つぶしに読もうと思って買ってみました。こういうときは、どうしてもタイトルに引かれて買ってしまうものです。オーツは40代をすぎてしまったけれど、もしも20代の女性と恋愛ができるならば、バラ色の人生がまたやってくるわけです(笑)。
 一読して驚きました。電通ウェルネス1万人調査の結果を利用しつつ議論を進めているのですが、それが何とも強引なのです。
 一つだけ、例を引きましょう。
 本書のタイトルにもなっている20代女性と40代男性ですが、この2グループは性年齢別に見たときに一番ストレスを実感しているグループなのだそうです。p.63 には、グラフが出ています。スキャナで読み取るのもめんどうなので、以下、表の形で示します。 10,151 人に質問した結果ですから量的には十分な調査をしていると思います。
 「非常にストレスを感じている」と「どちらかといえばストレスを感じている」を一緒にして(本書のグラフでもそう表示されていますので)回答者中の比率で示します。

全体 63.4%
 男性 62.2%
  20代 61.8%
  30代 65.5%
  40代 68.0%○
  50代 63.1%
  60代 31.1%
 女性 64.5%
  20代 71.5%○
  30代 69.2%
  40代 66.0%
  50代 55.5%
  60代 36.7%

 まあ、確かに、20代女性と40代男性はその前後の世代と比べてストレスを感じている人が多いようです。しかし、たかだか数%の違いしかありません。こんな質問をすれば、回答は主観的になるしかないわけで、それでたかだか数%の違いがあったからと言ってその世代を取り上げて考察するという態度は理解できません。
 それよりも、男性の60代でストレスを感じなくなることに着目するべきですし、女性の50代(以降)も同様の傾向があることが見てとれます。オーツの予想では、女性の50代でストレスを感じる人が少なくなるのは、その夫が60代になり、(定年で)退職するからでしょう。
 とすると、女性の20代でストレスを感じる人が多いのは、このころ結婚し、それまでの自分の人生と違った生活の中に飛び込んでいくからではないでしょうか。年齢を重ねていくと、そういう新生活への適応ができて、だんだんストレスを感じなくなると思います。
 もしも、「20代女性が40代男性に惹かれる」ことと関連することを論証しようとするならば、未婚の人だけのデータで各年代別に集計しなければならないでしょう。電通ウェルネス1万人調査というのは未婚者も既婚者も含めて1万人を調査しているのです。
 これはたった1例ですが、同様の例は本書中の随所に見られます。
 こんな記述では、粗すぎて、まともに読む気がなくなります。
 調査に基づく研究では、反面教師として本書を読む価値はあると思いますが、それ以上の価値はないと思います。

posted by オーツ at 05:35| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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