オーツがネットで見かけた記事です。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0130&f=national_0130_012.shtml
小学校2年生の子供がコツコツ貯めた1元硬貨十数キロで、母親に 2,000 元の液晶テレビをプレゼントしたという話です。感動的な心温まる話のように思えます。
とはいえ、オーツは、単純に喜べませんでした。この話には疑問を感じたのです。
(1)幼稚園児には数年先のことが考えられない。
幼稚園のころから「丑年(2009年)の春節(旧正月)には、母親に液晶テレビをプレゼントしたい」と、こつこつ貯めたという話ですが、なぜ 2009 年なのでしょう。理由がわかりません。幼稚園児がそんな数年先のことを考えられるでしょうか。
(2)2,000 元は子供が小遣いで貯められる金額ではない。
貯金期間を考えると、ざっと4年程度かと思います。すると、この子は1年間に 500 元を貯めたことになります。こんなことがあり得るでしょうか。
中国の物価水準・収入水準から考えて、幼稚園児から小学校低学年児がもらう小遣いは、どれくらいでしょうか。
中国の地域格差、都市と農村の格差は相当にひどいので、一概には言えませんが、
http://www1.odn.ne.jp/youth-study/reserch/2000_04_nichijou/index03.html
によれば、中学生でも小遣いが毎月30元以下の子供が半数以上です。オーツの感覚でもこんなものでしょう。生活実感レートでは1元=70 円くらいですから、子供の小遣いといえば、毎月 2,000 円以下で十分でしょう。
このような状況で、幼稚園児や小学生が、どうやって年間 500 元も貯めることができるのでしょうか。この子の家は相当に裕福だったのではないでしょうか。
(3)液晶テレビは4年前には高嶺の花だった。
4年前、液晶テレビは 2,000 元で買えるなんてことはありえなかったでしょう。オーツはちゃんと知りませんが、数年前に中国に行ったとき、電気屋さんで見た限りでは家電製品の値段は日本とあまり変わりませんでした。そのころも今も1元≒15円ですから、液晶テレビは当時1万元以上していたのではないでしょうか。1年 500 元貯めても、4年ではとうてい買えないのです。計画段階で無茶な話だったのです。
ただし、その後液晶テレビは急激に安くなりましたから、現在 2,000 元で買えるようになったというのは理解できます。
そんなことを考えると、この話はどこか作為を感じます。この親がテレビを安く買いたいがために作り話をしたとかいうことではないでしょうか。
それとも、こんなことを考えるオーツがひねくれ者でしょうか。
2009年02月01日
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おやおや、「盗んだ硬貨」というのもぶっ飛んだ解釈ですね。
どうせ盗むなら、硬貨よりは軽い紙幣に目を付けるでしょうが、……。
なるほど、そんな解釈もあり得るかもしれないと思うようになりました。
もっとも、オーツなら、盗んだ硬貨を銀行口座に(少しずつ?)入金して、最後に紙幣で引きだして電気屋さんに行くでしょうけれど。
何にせよ、変な話であることには変わりはありませんが。